〈 現在の「税調メンバー」〉
税調会長 宮沢洋一
税調顧問 森山裕(党幹事長)
税調小委員長 後藤茂之
税調小委員長代理 石田真敏
税調副会長 小渕優子 齋藤健
税調幹事 福田達夫 小林鷹之
上野賢一郎
・注 1 : 税調インナーは大臣との兼務ができないため、林官房長官、加藤財務大臣が転出、甘利明元幹事長、塩谷立元総務会長が落選した結果、今回は若返り人事となっている
・注 2 : 茶色表示の議員は、新人メンバー
国民の手取りを増やすという国民民主党の提案が、与野党の「幹事長合意」までしたのに、それを覆し「財政規律」を押し通したのが党税調会長の宮沢氏だったことは、全国民が知っています。
元大蔵官僚、大阪国税局岸和田税務署長だった氏は、文字通り「財務省ジャパンハンドラー」の一員です。氏は財務省に言わされて喋っているのでなく、自分の意見として「緊縮財政論」を主張しています。
所得税の基礎控除額を103万円から178万円に引き上げるという提案を、氏は造作もなくひっくり返しました。現在の党税調のメンバーを、もう一度確認してください。
もともと首相を超える権限を行使する税調に、森山幹事長まで入っています。石破氏が反対できるはずがなく、青山・西田両氏の意見もこの壁が破れません。
「青山も西田も、言うだけ番長のガス抜き要員だ。」
「ねこ庭」が先に紹介した「雑音」が、現実を見ていない雑音そのものということもここで分かりました。
ネットを検索している時、後藤茂之氏のブログを発見しましたので、参考のため紹介します。
〈 後藤茂之よりご挨拶 〉
・党税制調査会の人事・新体制については、加藤勝信税調小委員長が財務大臣に就任された後任として、私が党税調の実質NO2 に当たる税調小委員長に就任しました。
・税制改正、税制改革については長らくかかわってきたこともあり、個人としては待望のポスト就任を本当に喜んでいます。
・現職議員で税調小委員長の経験者としては、宮沢洋一税調会長、林芳正官房長官、加藤勝信財務大臣の3人がおられます。しっかりと仕事をしたいと思います。
・11日に無事、首班指名が行われれば、初めての少数与党となります。
・法案、予算の審議の難航が予想されますが、丁寧に国民のニーズに応えるとともに、もう一方で制度の公平なバランス、財政の規律など、与野党として政治全体のガバナビリティーを高めていくことも重要だと考えます。
後藤氏は東大法学部卒の元大蔵官僚ですから、またひとり「財務省ジャパンハンドラー」が登場したことになります。氏が得意になるのは、次のような事実があるからです。
・自民税調では、税制改正の審議が始まる前の年末には、各業界団体等からの税制に関する要望がまとめられた資料「税制改正要望一覧表」が用意される。
・自民税調幹部の前で、各自民党国会議員が要望の発言をし、税調幹部が査定するのが慣例となっている。
このようなことも、今回調べて初めて分かったことですが、「税調インナー」の権限の大きさを教えてくれます。
平成15年政権を握った小泉氏が、一部の幹部による税調の非公式会議をやめさせ、会議の場所を内閣府にするなど、切り込みをしましたが、すぐに元に戻ったため「掛け声倒れに終わった」と評されたことがあったそうです。
郵政改革で日本中をかき回した小泉氏でさえ、党税調の改革ができなかったというのですから、「財政法」の改革など今の日本では夢のまた夢です。まして「憲法改正」など。
悲観的な話にばかりなりますが、そうではありません。今回のシリーズで「ねこ庭」が調査・報告しているのは、ほとんどが国民に知らされていない事実です。「アメリカの関与」という厚い壁が、政治家諸氏の口を閉ざさせていたため、国民だけが知らなかった事実です。
国民が事実を知ったこれからは政治家を評価する目が変わり、選挙の一票に現れてきます。
「国の主人公は国民です。」
「政治は国民のためにあり、政治家は国民のための奉仕者です。」
与党でも野党でも口先だけの議員は、落選の覚悟が要ります。しばらく政治の混乱が続くとしても、国民さえしっかりしておれば日本は必ず再生します。
ここまで自由民主党の議員を調査・報告してきましたが、次回からは連立与党・公明党と、他の野党の議員諸氏について調査・報告していきます。
シリーズの長さに我慢できなくなった方は、いつでもスルーしてください。