画像は、先日ちょいとご紹介した、Barbour x Tokito Driving Jacket。2005年のAW向けに、われらが日本人デザイナー吉田十起人氏が満を持して放った一連のシリーズのなかの代表作です。
なんだかこうして眺めてみますと、異様に年季が入っていそうですが、これでほとんど新品だというのですから、服飾の世界はわからないものです(爆)。
Barbourでは、表面に独自開発のオイルを染み込ませてあって、それで防水性能をもたせているわけなのですが、定期的にそのオイルを補充してやる必要が出てきます。画像では、一部ムラのように見えているのがその痕跡ですが、どうやら表面積の半分以上が乾いて、かさかさになってきたので、そろそろやるか、というのでシーズンに向けてRe Waxとよぶ、オイルの補充をおこなってみました。まずは、靴用の仕上げ用の馬毛ブラシで、こびりついた埃を落とすあいだに、専用オイルの缶を湯煎であたためて、オイルを溶かしておきます。i podなどで、BGMの用意もしておきましょう(爆)。
光線の加減が違うのでわかりにくいのですが、オイルが均一に馴染んだかな、という印象です。これをやるのは、たしか2着目ですが、なんどやっても慣れるということがない作業。古いTシャツを指に巻きつけて、熱して溶かした専用オイルをヤケドしそうになりながら(汗)、缶からすくっては、塗りつけるのですが、オイルをどの程度すくって良いものやら、というのですくうそのたびに悩みます。
おそらく、キモチ多めにとって、塗りつけておいてから、ヘアドライヤーでならす、というので良いと思うのですが、他では味わえないので、なかなか楽しい作業です。そりゃあそうです。服ってのは洗って綺麗にする、というのが普通なのに、油まみれにして喜んでるだなんて、ヘンタイそのものですからね。You Tubeなどにも無限にその作業の様子が上がっているので、ご興味おありの方はご覧になってください。
ちなみにこの作業をプロに依頼した場合には、15000円(本体+フード)の3ヶ月待ちだ、というからオソロシイことです。こんな楽しいこと、他人にやらせてどうするのでしょう(ひとりよがり)。
xTokitoでは、細部が凝りまくっている関係で、オイルの補充にも非常に気を使うのですが、なにテキトーでいいや、などと言ってやっていると、ムラになってしまい、かならずあとで後悔いたします。
というわけで、2時間ほどかけて塗りたくるのですが、中腰になってやっているせいか、結構キツイっす(爆)。
袖口もこの凝りようですから、たまりません。裏地に使われているコーデュロイにはオイルをつけずに仕上げなければなりませんし、ボタンの周囲にも満遍なくオイルを、ということで時間に余裕がない場合には間違っても手をつけてはいけない作業です。
今回は
今まで一度も使ったことがなかった(爆)、背中のポケットに防水ジッパーが使われているのに気がついてガクゼン(おせーよ)!!なんという凝りようでしょう。今後はせいぜい使い倒して差し上げることにいたしましょう(爆)。シリーズの最終年に発表されたプロダクツにはすでにこの防水ジッパーは使われていませんでしたから、貴重なディテールです。
ということわっ!その防水ジッパーで守られたポケット内は、ミゴトに完全防水されているのでしたっ!画像は、裏地をめくってみたところですが、裏地の止め方もまたシャレているでしょう?まあね、せっかく防水ジッパー使ったんだから、ポケット本体も防水にしなきゃあ、と考えるのは当然といやあ当然なのですが、このように作り込みが徹底しているのをまのあたりにしますと、このx Tokitoシリーズって、やっぱりすごい!というかウレシい。コスト度外視!
ここまでして、防水したいものってなに?というツッコミはこの際しないこと(爆)。
このモデルに特有のポケットをご覧にいれましょう!一件、普通のパッチアンドフラップのポケットなのですが、ポケットの入り口が、通常あるはずの位置よりもはるかに上にあって、ポケットそのものが折り返されているのがお分かりでしょうか?
そう、仮にスナップが外れていても、内容物が外に出にくくしてあるデザイン。出し入れのしやすさ、という使い勝手の点では大幅なマイナスでしょうが、こぼれ落ちにくい、という点でプラス、というわけです。このポケットはムネと両脇に合計3点装備されていて、さらにマチが異様に大きく取られている関係で、ぷっくり膨らませたようなシェイプです。デザイン上のアクセントとしてもキョーレツに効いています。
なんかポケットだけで、ここまで個性を持たされちゃうと、たじろぐというか、他人に語りたくなってしまう(爆)非常に厄介な一着なのでした(だったらよせば)。
それにしてもこの泥水から引き上げたばかりのような独特の色合い(汗)。基本、独特の土、というか泥を思わせるブラウンなのですが、微妙に起毛してあって、ムラ感をもたせてある。リワックスでそのビミョーな風合いが変わってしまわないか心配しながら、だったのですが、どうやらうまくいったみたい。
このまま3日ほど吊るして、ある程度落ち着かせたところで、出動、という手はずです。いやはや。
細部に使われている、金具はこの通り、ソリッドアルミでかなりな質感をもたされております。ううむ、ファッショ~ン(完全意味不明ご容赦)。
このアルミの金具がいい雰囲気ですよね。あえてステンレスを廃した作り込みがクラシックな雰囲気なんですね。たまりません。