ジョンロブのカッターはすでに廃盤。どうみても英国靴には見えないシェイプに、ジョンロブ謹製の極上スウェードを使ったゼータクな一足。英国靴のくせにやたらとモデルチェンジが多く、モデルライフが極端に短いジョンロブの一連のラインナップのなかでもこれは特に短命でした。なんと逝ってもマッケイ以前のセメンティッド、つまりは靴底を接着剤で張り合わせただけの構造のくせに正規小売店定価90000円オーバー・・・売れやしない、って(完全意味明瞭)。発売当初は「グリーンゴールドスウェード」なる呼称のライトブラウンものがLEONなどに掲載されてイッキに品薄となっておりましたが、どっこいこちらのブラックは丁寧な白ステッチ、ただし光沢あり、が効いていて出色。ホワイトやブラックのリネンパンツなどにはこちらでしょう、となります。
こんかいの弾丸ツアーにはこれを履いていきましたが、なに晴天の予報が続いておりましたので心配ない。なにせソールの厚み2・5mm(驚愕)、そこへ毛足長めのスウェードときているわけなので、雨に遭わせてしまうとその場で全損となるわけですね~・・・ううむ、英国靴には有り得ない仕立てなのですが、そこがヨイ。つまりはクルマの後席などに忍ばせておいて、ここぞ、というときにというのが本来の使い方か。
さて、そのカッター(全長が短めのヨットの呼称ですね)を3日間フルに履き倒してどうだったのか・・・硬めのソールからくるソリの少なさが実は疲れにくさに直結。硬いソールは当然歩きにくさにつながるはずなのですが、そこはさすがにジョンロブ。絶妙の硬度加減で歩きやすいし疲れにくい、という二律背反をやってのけております。正規店定価はダテではなかったか、と(うそ)。
ただしロングノーズにスクエアトゥのこのシェイプはどう考えても先端にはヒジョーにキズがつきやすい。というわけで常にキンチョーしつつ歩く、という感じになりますが、それでも他のジョンロブにはない洒脱な感じは買いでしょう、と。え?なにケチケチ履いてないで、ドカーンと逝けよ、って・・・ごもっとも(爆)。