市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

大同スラグを斬る!…強制捜査も何のその!平然とスラグ投棄を続けるブラック佐藤に歯止めを掛けない行政

2015-09-21 23:08:00 | スラグ不法投棄問題
■現在、9月14日(月)から12月15日(火)までの93日間の会期で群馬県議会の平成27年第3回定例会が開催されています。9月17日(木)と18日(金)には本会議で質疑及び一般質問が行われました。本会議の模様は群馬テレビやインターネットで中継されました。18日には、大同有毒スラグが渋川市の一般廃棄物最終処分場の建設現場に投棄されていた可能性があるとして、伊藤祐司・県議が県に対して一般質問をしました。19日付けの毎日新聞がそのことを報じています。
**********2015年9月19日毎日新聞 朝刊 群馬

21.pdf

大同スラグ 処分場建設で使用か 渋川・小野子 県議会で指摘
 大同特殊鋼から出た鉄鋼スラグに環境基準を超える有害物質が含まれていた問題で、渋川市小野子の一般廃棄物最終処分場「エコ小野上処分場」の建設過程でスラグが使用された可能性があることが18日、県議会の一般質問で指摘された。伊藤祐司議員(共産)が県に調査を求めた。県は11日、スラグ使用が疑われる公共工事の有無を確認するよう全市町村に指示し、その他の工事については大同に報告を求めている。青木勝・環境森林部長は「その結果を見てしっかりと対応したい」と答弁した。
 渋川市は15日、市内72カ所で使われた推定約1万4300立方メートルのスラグを撤去するには、約8億5800万円かかると発表した。スラグ1トン当たり3万円として試算した。市は「処分が必要か、必要ならいつから実施するかを含め、国や県と協議していきたい」と説明している。
【田ノ上達也】
**********

■この報道のポイントとしては次の項目を挙げることができます。

①30億円を超える大型プロジェクトである一般廃棄物最終処分場「エコ小野上処分場」の建設過程で有害スラグが使用されたことが県議会で指摘されたこと

②群馬県は有害スラグの使用が疑われる公共工事の確認を全市町村に指示していること、その他の民間工事は、大同に報告を求めていること

③渋川市では有害スラグの撤去費用を8.6億円と試算していること


■では、これらの各ポイントについて考えてみましょう。

①「大型公共工事の渋川市ゴミ処分場での有害スラグ使用が県議会で指摘されたこと」について

 質問に立った伊藤祐司県議は、一般廃棄物最終処分場「エコ小野上処分場」の現場に自ら赴き、有害スラグの存在をその目で確かめたそうです。

「エコ小野上処分場」の件では、佐藤建設工業の専務が、渋川市の市議に電話で、「天然石を納入したが、“間違って”大同に“有害スラグ混合砕石を納入した”と届け出た」と証言した話が当会にも伝わっています。しかし、伊藤祐司県議が今回、実際に現地調査をして、有害スラグを確認したことにより、天然石を納入したとする佐藤建設工業の話は真っ赤な嘘だったことが、裏付けられたことになります。

 この処分場に有害スラグが使用されていた背景について当会は、大同の内部資料を分析した結果、こうした大型公共事業プロジェクトで、事前調査の段階で、大同スラグの商品説明などにかこつけて、排出者の大同と建設業者との間で話し合いがもたれている可能性が大であると考えています。

 なぜなら、大同・エコメット(子会社)・佐藤建設工業の3者会議で「上武道路でのスラグ受注決定!」などと、本来神聖であるべき公共事業なのに、あろうことか、有害スラグの不法投棄場所が確保できた!などと喜ぶ姿が、大同の内部資料の中に記載されているからです。

※事前調査とは、施工計画を作成するにあたって、予め設計図書に明示された事項に対する事前調査を行い、安全確保のための施工条件等を把握しておくために、地形・地質・気象・海象等の自然特性、工事用地、支障物件、交通、周辺環境、施設管理等の立地条件について適切な調査を実施すること。【土木工事安全施工技術指針 平成21年3月 国土交通省大臣官房技術調査課】

 30億円規模の大型プロジェクトである「エコ小野上処分場」建設工事でも、事前調査と称して。建設前から建設業者と大同の間で話し合いがもたれたことは容易に想像できます。

 そればかりではありません。この工事では、不法投棄実行犯の佐藤建設工業が下請として、工事の一部を請け負っているのです。有害スラグの最終処分費を浮かすことにより発生した多額のスラグマネーが、建設業者に回っているのではないでしようか?

 このように、大型公共工事であっても、大同の有害スラグを購入した建設業者側が、結果的に有害スラグの不当投棄に加担していることが強く疑われるのです。

 先日9月11日に、群馬県警の強制捜査が佐藤建設工業に入ったニュースが大きく報道されました。にもかかわらず、池下工業・宮下工業といったスラグマネーで佐藤と結びついた建設業者は、住民の不安や心配を気にも留めず、何事もなかったように佐藤建設工業のいかがわしい盛り土を使用し続けています。

 国土交通省・高崎工事事務所も、佐藤建設工業が公共工事の盛り土の中に有害スラグを不法投棄している状況であるのに、本来であれば、ブラック佐藤の負担で全量を撤去するよう、ペナルティーを科そうとしていません。依然として国交省高崎工事事務所は、管轄する公共工事に、ブラック佐藤の納入資材を使い続けており、住民の安全などより、業者との癒着を優先しているようです。


9月11日、前橋市田口町の国土交通省・上武道路工事の現場の様子。群馬県警による強制捜査が行われたのに、何もなかったかのように我が物顔で納入を続けるブラック佐藤建設工業のスラグ運搬車をご覧ください。強制捜査から1週間経ちますが、この工事現場付近では未だにブラック佐藤のスラグ運搬車が、一般車を蹴散らすように走り回っています。近隣住民の不安や怒りは、今や頂点に達していることでしょう。国土交通省は、佐藤建設工業の天然石製造所や盛り土材置き場を、現地調査しているのでしょうか?まさか盛り土の試料を提出させ、施工業者に試験させ、「安全を確認しているから大丈夫」などと、エアコンの効いた事務所から出ることもせず、高をくくっているのではないでしょね?盛り土試料など、実際と違う安全な試料を提出するのはブラック企業の常套手段です。群馬県が告発し、警察の強制捜査を受けたブラック企業の言い分、そしてブラック企業と癒着した施工業者の言い分を、まさか国土交通省のお役人は信用しているのでしょうか?

②「有害スラグの使用疑惑のある公共工事の確認を県が全市町村に指示し、その他の民間工事は大同に報告を求めていること」について

 群馬県森林環境部は、この有害スラグ問題を2014年1月27日から1年余も調査した上に、今回、更に全市町村に有害スラグの有無の確認を指示しています。これは何を意味しているのでしょうか?

 ブラック佐藤建設工業は、盛り土材・下層路盤材・上層路盤材など、その販売する全ての建設資材に有害スラグを混ぜて不法投棄していました。ブラック佐藤は、大同に「有害スラグ混合砕石を販売した」としか届け出ていないため、大同側の資料には、例えば盛り土材など、本来天然石で構成されるべき土木資材の納入情報が記された資料は含まれていないことが疑われます。つまり、実際に有害スラグがどこの現場に投棄されているか、ブラック佐藤の当事者以外、誰も分からない状況にあるのです。

 だから群馬県は、県内の全市町村に対して、有害スラグの確認を指示しているのだと、想像されます。

 これまでは、許可を持たないにもかかわらず、ブラック企業連合が産業廃棄物を不法処理していた問題について焦点が当てられてきました。ところが、それとは別の視点、すなわち、天然石販売業者である佐藤建設工業が「不良建設資材を販売していた」という有害スラグ問題のもう一つの側面についても、今回、焦点が当てられたのです。こちらの問題は、正にこれから調査されるのです。

 このような重大な状況下にあるというのに、佐藤建設工業は何事もなかったかのようにスラグ運搬車を走らせています。もはや毒を食らわば皿までも・・・、という大変危険な状況なのではないでしょうか?

 佐藤建設工業の盛り土材置き場には、未だに有害スラグがゴロゴロしているのです。天然石販売を所管する部署のお役人様は、ただちに佐藤建設工業の資材販売を停止させ、徹底調査を行わなければなりません。さもないと、住民の不安は解消されないことでしょう。

 住民の不安といえば、その他の民間建設工事について、群馬県は「大同に報告を求める」と新聞が報道していることです。

 佐藤建設工業は、渋川市の「エコ小野上処分場」工事では、天然石を納入したはずなのに、大同には「有害スラグ混合砕石」と報告しています。佐藤建設工業の報告は嘘が多いのです。民間工事で、天然石に有害スラグを混入しても、大同に「他の場所で有害スラグ混合砕石を販売した」と実際と異なる報告していることが疑われます。

 大同の報告からでは、有害スラグの不法投棄場所の全ては判明しないことになります。民間工事については、工事施工主(施主)が自ら調査しないとわからないかもしれません。工事中に佐藤建設工業のスラグ運搬車が出入りしていた現場は、残念ながら有害スラグの混入が疑われます。

 原因者負担による撤去の措置命令を群馬県が出さない場合、民間工事については、施工主が、有害スラグ撤去を原因者である佐藤建設工業に求めていくしかないでしょう。なお、佐藤が賠償しない場合は、あきらめずに大同に請求を行っていきましょう。

③「渋川市では、有害スラグの撤去費用を8.6億円と試算していること」について

 渋川市は、有害スラグの撤去費用を8.6億円と試算しているそうですが、最終処分場で埋設する最終処分費用であると考えられます。これは、大同特殊鋼が不法投棄をすることにより免れた、最終処分の金額でもあります。

 もし有害スラグを撤去することなく、そのかわりに飛散しないよう舗装をし、周辺の環境を未来永劫調査し続ける処置をするなら、大同特殊鋼は有害スラグを最終処分することなく、処理費用を浮かす目的を達成したことになります。

 大同特殊鋼にとって、警察の強制捜査を受け、社会的な信用を無くしはしたけれども、金銭面では所定の目的を達成できたことになってしまいます。一方で、群馬県や市は、環境調査のための費用を我々の血税から支出し続けることになってしまいます。

■群馬県議会 平成27年第3回前期定例会の中で、有害スラグ問題については2名の県議会議員が質問をしました。その様子はインターネットで見ることができます。

●自由民主党 臂 泰雄
http://www.gunma-pref.stream.jfit.co.jp/?tpl=speaker_result&speaker_id=64

●日本共産党 伊藤 祐司
http://www.gunma-pref.stream.jfit.co.jp/?tpl=speaker_result&speaker_id=203

 議事録がインターネットで公表され次第、質問・答弁の内容を詳しく取り上げ考えていきたいと思います。

【市民オンブズマン群馬・大同有毒スラグ不法投棄特別調査チーム・この項続く】

※平成27年第3回前期定例会
【平成27年9月17日(木) 本会議(一般質問)】
●橋爪 洋介(自由民主党)
1 本県の危機管理について
(1)今般の東日本豪雨による本県の被災状況について  知事
(2)緊急消防援助隊について  知事
(3)本県の災害対応・救助体制について  危機管理監
(4) ハザードマップの活用について  危機管理監  ※映像再生時間:約28分
●橋爪 洋介(自由民主党)
2 コンベンション施設整備について
(1)コンベンション施設の意義と知事の思いについて  知事
(2)事業費や今後のスケジュールについて  知事
(3)事業費の財政負担や運営収支について  企画部長
(4)地元対応について  企画部長
(5)コンベンション関連産業部会について  (要望)  ※映像再生時間:約24分
●橋爪 洋介(自由民主党)
3 「ものづくり」について 産業経済部長  ※映像再生時間:約6分
●橋爪 洋介(自由民主党)
4 「ミラノ万博」について
(1)群馬県出展の概要について  農政部長
(2)万博出展後のブランド戦略について  農政部長  ※映像再生時間:約5分
●橋爪 洋介(自由民主党)
5 県道高崎神流秩父線について
(1)矢田工区について  県土整備部長
(2)「岩崎交差点」について  県土整備部長 ※映像再生時間:約6分
●後藤 克己(リベラル群馬)
1 持続可能な県政運営について
(1)持続可能なインフラ整備について  県土整備部長
(2)地域モビリティの持続可能性について  県土整備部長
(3)山村地域の持続可能性について  企画部長 ※映像再生時間:約39分
●後藤 克己(リベラル群馬)
2 高崎競馬場跡地のコンベンション施設整備計画について
(1)施設の建設時期について  知事
(2)県民の声を生かした検討について  知事  ※映像再生時間:約27分
●井田 泉(自由民主党)
1 県立女子大学の法人化と今後について  
(1)県立女子大学法人化に対する知事の方針について  知事
(2)今後の県立女子大学のあるべき姿について  知事  ※映像再生時間:約13分
●井田 泉(自由民主党)
2 消防団員確保対策に対する本県の考え方について  
(1)本県における消防団員確保対策について  危機管理監
(2)消防団員確保に対する補助金創設について  危機管理監
(3)前橋市消防団県庁分団創設について  知事  ※映像再生時間:約15分
●井田 泉(自由民主党)
3 小田部警察本部長の所信について  警察本部長  ※映像再生時間:約4分
●井田 泉(自由民主党)
4 警察官の増員について  警察本部長  ※映像再生時間;約3分
●井田 泉(自由民主党)
5 指定暴力団山口組分裂による影響と対策について  警察本部長  ※映像再生時間:約3分
●井田 泉(自由民主党)
6 本県の次世代自動車導入推進について
(1)本県における次世代自動車の普及率について  環境森林部長
(2)本県の電気自動車普及推進について  環境森林部長
(3)燃料電池自動車の今後の普及促進について  環境森林部長  ※映像再生時間:約10分
●井田 泉(自由民主党)
7 選挙権年齢改正による若年層の政治教育について  
(1)若年層に対する選挙啓発について  選挙管理委員会委員長
(2)未成年の有権者に対する公職選挙法の周知について  選挙管理委員会委員長
(3)学校現場における政治的中立性の担保について  教育長
(4)教員の偏った政治的活動等に対する対応について  教育長  ※映像再生時間:約16分
●井田 泉(自由民主党)
8 上毛学舎の入寮状況について  
(1)新しい上毛学舎における寮生の生活状況について  教育長
(2)入寮者選考基準の見直し結果について  教育長  ※映像再生時間:約5分
●福重 隆浩(公明党)
1 暮らし始めたくなる群馬県について  
(1)公共交通ネットワークの構築について  
 ア.地域と地域をつなぐ、交通ネットワークの構築策について  県土整備部長
 イ.前橋と高崎をつなぐLRT(次世代型路面電車システム)の検討について  県土整備部長  ※映像再生時間:約14分
●福重 隆浩(公明党)
(2)教育の充実について  
 ア.東京など大都市で生活している保護者が求める教育レベルについて  教育長
 イ.地域の実情に応じた小中一貫教育について  教育長
 ウ.県立高校におけるエアコン設置について  知事  ※映像再生時間:約19分
●福重 隆浩(公明党)
(3)ふるさと回帰・移住支援について  
 ア.これまでの取組状況について  企画部長
 イ.ぐんま暮らし支援センターの体制充実と移住者を地域に包み込む施策について  企画部長  ※映像再生時間:約13分
●福重 隆浩(公明党)
2 住み続けたくなる群馬県について  
(1)女性の社会進出への支援について  産業経済部長
(2)働く女性の支援機関について  産業経済部長  ※映像再生時間:約6分
●福重 隆浩(公明党)
3 家族を増やしたくなる群馬県について  
(1)結婚支援事業について  こども未来局長
(2)ブライダル支援カード(仮称)の導入について  こども未来局長  ※映像再生時間:約9分
●福重 隆浩(公明党)
4 群馬県内における治水対策について  
(1)利根川における治水対策について  県土整備部長  ※映像再生時間:約4分
●福重 隆浩(公明党)
5 街頭防犯カメラの設置強化について  警察本部長  ※製造再生時間:約4分

【平成27年第3回前期定例会 平成27年9月18日(金) 本会議(一般質問)】
●臂 泰雄(自由民主党)
1 県行政組織について  知事  ※映像再生時間:約11分
●臂 泰雄(自由民主党)
2 障害者福祉施策について  知事  ※映像再生時間:約6分
●臂 泰雄(自由民主党)
3 環境森林施策について
(1)大同特殊鋼(株)渋川工場から排出された鉄鋼スラグについて  環境森林部長

(2)希少野生動植物の種の保護に関する条例について  環境森林部長
(3)環境GS(ぐんまスタンダード)認定制度とエコアクション21について  環境森林部長
(4)ぐんま緑の県民基金市町村提案型事業について  環境森林部長  ※映像再生時間:約23分
●臂 泰雄(自由民主党)
4 突風による農業被害について  農政部長  ※映像再生時間:約5分
●臂 泰雄(自由民主党)
5 県土整備行政について
(1)社会資本整備に関わる予算について  県土整備部長
(2)公共事業費と建設産業の育成について  知事  ※映像再生時間:約13分
●臂 泰雄(自由民主党)
6 汚水処理人口普及率の向上について  県土整備部長  ※映像再生時間:約4分
●臂 泰雄(自由民主党)
7 地元問題について
(1)男井戸川の河川整備について  県土整備部長
(2)伊勢崎都市計画道路北部環状線に対する県の支援について  県土整備部長
(3)波志江スマートインターチェンジ周辺の道路整備について  県土整備部長 ※映像再生時間:約8分
●伊藤 祐司(日本共産党)
1 安全保障関連法案について
(1)審議を巡る事態への認識について  知事
(2)法施行後の自衛隊活動への認識について  知事  ※映像再生時間:約13分
●伊藤 祐司(日本共産党)
2 河川堤防について
(1)堤防の安全度と補強対策の現況について  県土整備部長
(2)堤防予算への認識について  県土整備部長  ※映像再生時間:約13分
●伊藤 祐司(日本共産党)
3 コンベンション施設整備計画について
(1)知事選挙の結果への反映について  知事
(2)県民へ賛否を問うことについて  知事  ※映像再生時間:約11分
●伊藤 祐司(日本共産党)
4 大同特殊鋼(株)渋川工場による有害スラグ問題について
(1)刑事告発に至った根拠について  環境森林部長
(2)有害スラグ混入現場の現状回復について  環境森林部長
(3)鉄鋼スラグの性質に関する周知の必要性について  環境森林部長  ※映像再生時間:約12分
●伊藤 祐司(日本共産党)
5 渋川広域組合の「エコ小野上処分場」建設費について
(1)事業費の増額変更について  環境森林部長
(2)事業の詳細な再調査について  環境森林部長  ※映像再生時間:約20分

●穂積 昌信(自由民主党)
1 人口減少対策について  
(1)移住希望について  企画部長
(2)子育て支援について  こども未来局長  ※映像再生時間:約14分
●穂積 昌信(自由民主党)
2 キャリア教育等について  
(1)若年無業者(ニート)について  産業経済部長
(2)キャリア教育について  
ア.キャリア教育の現状について  教育長
イ.起業家教育について  教育長  ※映像再生時間:約13分
●穂積 昌信(自由民主党)
3 生涯スポーツの振興について  
(1)総合型地域スポーツクラブについて  生活文化スポーツ部長
(2)子供・若者のスポーツについて  生活文化スポーツ部長  ※映像再生時間:約9分
●穂積 昌信(自由民主党)
4 生きがいの持てる老後について  
(1)健康づくり対策について  健康福祉部長
(2)地域包括ケアシステムについて  
ア.現状と今後の取組について  医療介護局長
イ.在宅医療・在宅介護への対応について  医療介護局長
(3)認知症疾患医療センターについて  医療介護局長  ※映像再生時間:約15分
●穂積 昌信(自由民主党)
5 農業政策について  
(1)県産農畜産物のブランド力について  農政部長
(2)就農希望者に対する支援について  農政部長  ※映像再生時間:約7分
●穂積 昌信(自由民主党)
6 環境エネルギー対策について  
(1)低炭素社会の実現に向けた取組について  環境森林部長
(2)「エコ通勤」について  県土整備部長
(3)バイオマスエネルギーの利用について  環境森林部長  ※映像再生時間:約9分
●穂積 昌信(自由民主党)
7 産業観光の取組について  観光局長  ※映像再生時間:約3分
●荒木 恵司(自由民主党)
1 地方創生・人口減少対策について  
(1)第15次県総合計画及び県版総合戦略について  知事
(2)市町村との連携について  企画部長
(3)若者及び女性をターゲットとした人口減少対策の位置付けについて  企画部長  ※映像再生時間:約24分
●荒木 恵司(自由民主党)
2 観光振興について  
(1)「絹」をキーワードとした県内の周遊観光について  観光局長
(2)国際観光戦略について  観光局長  ※映像再生時間:約11分
●荒木 恵司(自由民主党)
3 鳥獣被害対策について  
(1)鳥獣被害及び捕獲の状況について  鳥獣被害対策担当参事
(2)市町村等に対する支援について  鳥獣被害対策担当参事  ※映像再生時間:約9分
●荒木 恵司(自由民主党)
4 スポーツ振興について  
(1)ラグビーワールドカップ及び東京オリンピック・パラリンピックのキャンプ地誘致について  生活文化スポーツ部長
(2)「ぐんまスポーツプラン2011」に基づいた競技力向上の実績及び今後の取組について  生活文化スポーツ部長  ※映像再生時間:約11分
●荒木 恵司(自由民主党)
5 医療対策について  
(1)メディカルシミュレーションの現状について  医療介護局長
(2)看護職員不足の現状と対策について  医療介護局長  ※映像再生時間:約8分
●荒木 恵司(自由民主党)
6 地元問題について  
(1)桐生市菱町山林火災の復旧状況について  環境森林部長
(2)中心市街地空き店舗対策について  産業経済部長
(3)都市計画道路赤岩線の街路事業について  県土整備部長  ※映像再生時間:約6分
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国民の視点に重きを置いた検察審査会がよこした「姫」の公選法等無罪宣言を記した議決通知書の内容

2015-09-20 22:12:00 | 政治とカネ
■シルバーウィーク突入前夜の9月17日に議決され、9月18日の晩にマスコミが報道した小渕優子・前経産相の公選法・政治資金規正法被疑事件の東京地検による不起訴処分に対する当会の東京第六検察深海への審査申立てに対する「不起訴処分相当」を記した議決通知書がようやく当会事務局に書留で郵送されてきました。さっそく内容を精査してみましょう。


**********議決通知書

20150918_tokyo_dai6_kensatusinsakai_giketutuuchisho.pdf
                    平成27年9月18日
審査申立人 小 川   賢 殿
      鈴 木   庸 殿
                    東京第六検察審査会
         議 決 通 知 書
 当検察審査会は、あなたが申し立てた審査事件について議決しましたから、別添議決の要旨を送付します。

**********議決の要旨

20150917_tokyo_dai6_kensatusinsakai_giketunoyoushi.pdf
平成27年東京第六検察審査会審査事件(申立)第9号
  申立書記載罪名   公職選挙法違反、政治資金規正法違反
  検察官裁定罪名   公職選挙法違反、政治資金規正法違反
  議 決 年 月 日   平成27年9月17日
          議 決 の 要 旨
  審査申立人  小 川   賢,鈴 木   庸
  被 疑 者  小 渕 優 子
  不起訴処分をした検察官  東京地方検察庁検察官検事 小 嶋 英 夫
 上記被疑者に対する公職選挙法違反,政治資金規正法違反被疑事件(東京地裁平成27年検第12716号)につき,平成27年4月28日上記検察官がした不起訴処分の当否に関し,当検察審査会は,上記審査申立人の申立てにより審査を行い,次のとおり議決する。
          議 決 の 要 旨
 本件不起訴処分は相当である。
          議 決 の 理 由
 本件不起訴記録及び審査申立人提出資料を精査し,慎重に審査したが,検察官がした不起訴処分の裁定を覆すに足りる事由がないので,上記趣旨のとおり議決する。
   平成27年9月17日
               東京第六検察審査会
**********

■検察審査会制度は、選挙権を有する国民の中から抽選で選ばれた人が、嫌疑がある被疑者に対して、起訴するべきかどうかの判断を下すというのがその趣旨のはずです。

 なぜなら、検察審査法第1章「総則」第1条は「公訴権の実行に関し民意を反映させてその適正を図るため、政令で定める地方裁判所及び地方裁判所支部の所在地に検察審査会を置く。ただし、各地方裁判所の管轄区域内に少なくともその一を置かなければならない」と定めているからです。つまり、国民の視点に重きをおいた制度であるということです。

 検察審査会は審査会議を開き起訴、不起訴などの相当性を議決するわけですが、その過程は全て非公開であり、明かされる情報は、上記の議決通知書議決内容の要旨や参加した検察審査員の平均年齢などに限られており、そのほかは全てベールに覆われています。

■検審法第21条第1項は、「検察審査会議は毎年3月、6月、9月及び12月に開かねばならない」とあります。そうすると、9月17日に会議が開かれて議決されたことになります。しかし、これだけ世間を騒がせた事件が、たった1回で議決されたとは到底思われません。なぜなら、当会が検察審査会に本件で審査申立てを行ったのは6月23日でしたので、6月に議決が行われた可能性は有り得ないからです。

 ただし、検診法第21条第2項及び同法第22条によれば。「検察審査会長は特に必要があると認める時は、いつでも検察審査会議を招集することができ、検察審査員及び補充員全員に対して検察審査会議の招集状を発する」とあるので、途中で会議が開催された可能性はあります。

 国民から抽選で選ばれた検察審査員及び補充員に対する招集状の送達日又は発した日から5日を経過した日と検察審査会議期日との間には少なくとも5日の猶予期間をおかなければならないとされていますが、急速を要する場合は、この限りでないと検審法施行令の第17条が定めています。なお、補充員は、検察審査会の許可を得て、検察審査会議を傍聴することができることになっています。

さらに、検察審査員全員の出席がなければ、検察審査会議を開き議決することができない(検審法第25条)とされ、検察審査会議の議事は過半数でこれを決する(検審法第27条)とされ、さらに、起訴相当議決や起訴議決には8人以上の賛成を必要とする(検審法第39条の5、検審法第41条の6第1項)とされています。

 そして、検察審査会議は非公開ですが、議事については検察審査会事務官によって会議録を作らなければならない(検審法第26条、同法第28条)とされています。

 また、検審法第39条の5により、検察審査会は、審査の後以下の3つの議決を行うことが出来るとされています。

1 起訴を相当と認める時は「起訴を相当とする議決」(起訴相当)
2 公訴を提起しない処分を不当と認める時は「公訴を提起しない処分を不当とする議決」(不起訴不当)
3 公訴を提起しない処分を相当と認める時は「公訴を提起しない処分を相当とする議決」(不起訴相当)

 今回は不起訴相当の議決がなされたため、検審会法第27条により、議決は11人の検察審査員のうち過半数(6人以上)が上記3.を選んだことになります。

■今回の議決の結果は、国民の意見が反映されたということになるため、当会としても、今回の議決を真摯に受け止めたいと思います。

 そこで次に疑問となるのは、「姫」があれほど公選法に抵触しかねないいろいろなことを行っても、嫌疑不十分で不起訴となったことです。そのため当会では、どこまでが嫌疑十分で、どこまでが不十分なのか、グレーゾーンをきちんと定義付けする必要があると考えます。

 このことについて、検察庁に対して、しっかりとした判断を示してもらえるよう、当会としても何らかの対応を取りたいと思っています。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
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安保法案採決のドサクサと連休突入のタイミングを計り不起訴相当議決を先にマスコミに流した東京検審の深謀遠慮

2015-09-19 10:32:00 | 政治とカネ
■ゴールデンウィーク突入直後の4月30日に突然、東京地検から、小渕優子・前経産相の告発について不起訴処分(嫌疑不十分)の4月28日付通知書が送られてきましたが、今度はシルバーウィーク突入初日に、新聞記者からの電話で、小渕優子・前経産相の不起訴処分にかかる当会の審査申立に対する「不起訴相当」の議決処分があったということを知りました。電話をしてきた記者の話では、他紙も同様に今朝の朝刊の社会面で報じているとのことです。そこで、さっそくネットで調べたところ、やはり記者からの情報は事実でした。
**********毎日新聞 2015年09月19日 東京朝刊
小渕衆院議員:検察審査会「不起訴相当」
 小渕優子衆院議員(41)の関連政治団体を巡る政治資金規正法違反事件で、東京第6検察審査会は17日付で、小渕氏本人を容疑不十分で不起訴とした東京地検の処分について「不起訴相当」と議決した。小渕氏を告発した「市民オンブズマン群馬」が審査を申し立てていた。事件を巡っては小渕氏の元秘書2人が同法違反で起訴され、公判中。

**********産経新聞2015年9月18日 22:20
小渕優子氏不起訴は「相当」 検察審査会が議決
 小渕優子前経済産業相の関連政治団体をめぐる政治資金規正法違反事件で、東京第6検察審査会は、小渕氏本人を嫌疑不十分で不起訴とした東京地検の処分について「相当」と議決した。議決は17日付。
 第6検審は議決理由について「慎重に審査したが不起訴処分を覆すに足りる理由がない」としている。「市民オンブズマン群馬」が6月、検察審査会に審査を申し立てていた。

**********読売新聞2015年09月18日 22時44分
政治資金事件で検審、小渕氏を「不起訴相当」
 小渕優子・前経済産業相(41)の関連政治団体を巡る政治資金規正法違反事件で、東京地検特捜部が不起訴(嫌疑不十分)とした小渕氏について、東京第6検察審査会は、「不起訴相当」と議決した。
 議決は17日付。議決では、「不起訴を覆すだけの理由がない」としている。

**********時事通信2015年09月18日-20:30
小渕前経産相を不起訴相当=政治資金問題で-検察審
 小渕優子前経済産業相(41)の政治資金問題で、公選法違反と政治資金規正法違反容疑で告発され、不起訴処分となった小渕氏について、東京第6検察審査会は18日までに、不起訴相当と議決した。議決は17日付。
 検察審は議決で、「不起訴処分を覆すだけの理由がない」とした。
 小渕氏をめぐっては、後援会主催の観劇会に関する収支が、政治資金収支報告書に記載されたものとずれがあることなどが発覚し、市民団体が同氏らを刑事告発した。
**********

■このことについて、当会の見解は次の通りです。

(1)6月23日に当会が東京第6検察審査会に対して審査申立書を提出後、これまで検審から当会に対して、陳述や意見聴取など、まったく連絡がなかったこと。これは、検審がこの件をまともに議論しようとしないまま、当会に引導を渡そうとした表われといえます。

(2)新聞報道によれは、既に6月17日付で「不起訴相当」の議決の内容を含めて、審査申立人の当会よりも早く、マスコミにこの情報を検審が流したこと。これは自民党代議士重視、国民軽視の表われといえます。

(3)今回、検審による小渕優子の不起訴相当議決について、公職選挙法と政治資金規正法の両面での違反で告発したにもかかわらず、不起訴相当として、東京地検の判断を追認したようだが、これで有権者にワインも、観劇会も、下仁田ネギも何でも配ってもよい、と。検察や検審がお墨付きを出したことになること。全国の議員にとっては、これからは堂々と大手を振って有権者に対しる便宜供与ができることになります。

(4)安保法案が強行採決されることが確実視されるタイミングを狙って、シルバーウィーク直前にマスコミにリークしたことで、安保法案の報道の陰に霞ませることができること。これは検審、つまり裁判所が、東京地検と同様、安倍政権の意向をくみ取り、デキレースをしていると言えます。

(5)安保法案の採択で、異例の延長国会となったわけですが、連休明けに国会も空けることから、安倍政権としては、小渕優子・代議士の国会期間中の不逮捕特権が切れても、小渕代議士に安心して枕を高くして過ごせるように粋な計らいをしたものと言えます。

■それにしても、検審の議決書の写しは、現時点で当会宛に届いていません。おそらく今日配達される可能性が考えられますが、奇しくも今回も東京地検からの不起訴処分通知と同様に、連休の初日という絶妙なタイミングなので、これは間違いなく裁判所も検察庁も同じ穴のムジナという表現があてはまるでしょう。なお、議決書が検審から送られて来たら直ちにこのブログで公表します。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

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安保法案が参議院でも可決され、大きく方針転換をすることになった我が国の安全保障政策の行方

2015-09-19 08:38:00 | 国内外からのトピックス
■シルバー連休に突入した2015年9月19日の深夜未明、午前2時18分は、戦後70年を経た我が国の歴史の大きな節目となりました。これで日本も「普通の国」になったと喜ぶ安倍政権ですが、「普通の国でなかった」日本がこれまで世界に発信できてきたことが、これからも続けられるどうか、戦後、不戦を誓い実践してきた日本国民にとって試練が待ち構える未知の領域に足を踏み入れる瞬間でもあります。いつの間にか、いつか来た道を歩むことのないように、国民一人一人の自覚がいっそう大切です。

 安保法案の成立に向けた安倍首相の発言の中で、とくに気になる箇所があります。「いかなる事態においても国民の命と平和な暮らしを断固として守り抜く」という力強い決意の部分です。本当にこれで安倍首相が「結果的にこれでよかったことがやがて国民の皆さんにも分かります」というとおり、国は、国民の命と平和な暮らしを守り抜いてくれるのでしょうか。

 この国の約束は国民として信じるに足りるものでしょうか。そのために一番手っ取り早く確かな検証方法は、かつて実際に、国の言葉を信じて戦争を体験した方々に聞いてみることでしょう。筆者の場合、1978年10月に他界した先代の肉親から、戦争の体験談をいつも聞かされていました。戦争により翻弄された人生の体験談です。

■大正8年(1919年)1月3日に養蚕農家の三男に生まれた先代(故人)は、昭和10年(1935年)3月に旧制高崎中学(現・群馬県立高崎高等学校)を卒業しました。同窓生には、その後、大勲位とよばれた中曽根康弘・元首相もおりました。

 卒業後、先代は、東京都越中島の東京高等商船学校(現・東京海洋大学)に入学しました。なぜなら、群馬県は海無し県だったこともあり、「海外に出て、いろいろが国々を見て回り、なにか興味のある物産などあれば貿易の仕事をしてみたい」という夢をいだいていたからでした。また、高等商船は、学費が無償であったため、農家の三男として家計への負担が無くて済みました。

 さらに高等商船は、募集人員が航海・機関科それぞれ数十名と少なかったことから、将来、高級船員という当時の花形職業に就けること、また、高級船員が民間外交官の役割を担っていたこと、海軍予備員制度により、徴兵が猶予され、卒業後は予備士官に任官されることなどから、難関校として知られ、全国から秀才が集まりました。

 東京高等商船の校章は、羅針盤を模したもので、神戸高等商船はコンパスマークの中央に桜花がデザインされたものでした。制服は、冬服はネイビーブルーの詰襟、夏服は純白の詰襟で、袖にはイギリス海軍士官候補生の制服を模した三つ釦(オリオン座を意匠したもの)が着き、襟部には碇型の海軍生徒徽章を佩用したもので、今でも先代の残した写真アルバムを見ると、颯爽とした姿が印象的です。

 また、当時では珍しく外国語として英語の他、航海科はフランス語、機関科はドイツ語を習得していました。

 徴兵は猶予されましたが、高等商船学校に入校した生徒は、入学のその日に海軍予備生徒に任命されて兵籍に入りました。海軍予備生徒の身分は、海軍三校(海軍兵学校、海軍機関学校、海軍経理学校)の生徒に準じ、軍の階級上は、海軍下士官の上位、准士官の下位に位置づけられていました。

 カリキュラムは、3年間の席上課程に加えて、1年間の海軍による軍事実習課程として、海軍砲術学校練習課程への入校・修業等を行い、1年から1年6か月程度の乗船実習課程から構成されていました。また全員が卒業まで寮生活を過ごし、教育・生活全般が海軍方式をそのまま採用していました。

■こうして先代はみっちりと5年半にわたる学業及び精神面で帝国海軍の真髄を叩き込まれたあと、1940年(昭和15年)9月に東京高等商船を卒業しました。卒業後は民間の船会社である日産汽船㈱に就職することが決まっていました。しかし、戦局は既に太平洋戦争への突入間近であり、結局3ヶ月在籍しただけで、太平洋戦争の開戦を迎え、招集されてしまいました。これで、商船の高級船員となる夢は戦争に勝利するまでお預けとなったわけです。

 もともと高等商船では、卒業すると同時に、航海科専攻者は兵科の海軍予備少尉、機関科専攻者は機関科の海軍予備機関少尉に任官し、有事の際は召集され軍務に服する義務を負っていましたが、太平洋戦争が実際に開戦となってしまい、この義務がさっそく適用されることになったわけです。

 太平洋戦争前後に、筆者の先代は、中国の青島と南方の昭南島(シンガポール)を訪れたことがあると語っていました。中国の青島は戦艦山城での練習航海だったようなので、おそらく東京高等商船在籍当時のことだったものとみられます。

 一方、シンガポールの方は、カンボジア沖で潜水艦による魚雷攻撃を受けて搭乗艦がいわゆる「ボカチン」を食って沈没したため、重油の海を泳いだ経験をはなしていました。幸い、救助されて、シンガポールにたどり着き、その時に思い出として、現地で英語が通じたと語っていました。

 しかし太平洋戦争ではもはや艦船が洋上戦闘の主役ではなく、航空機の時代となっていました。予め長期的な人員計画を怠ってきた日本海軍は、航空機の搭乗員と共に、整備員の補充も急務となってきました。そのため、東京高等商船の機関科出身だった筆者の先代は、昭和17年後半になると、航空機の整備要員としての任務を与えられたのでした。

 しかし、船の機関と、航空機用機関とは、同じ“機関”であっても、その仕組みは全く異なります。このため、急遽、航空機整備の教育訓練を受けることになりましたが、昭和17年6月5日~7日のミッドウェー海戦での大敗北以降、戦局もどんどん悪化し、短期間に整備技術を習得することが義務付けられているために、夢中で膨大なテキストを読みこなしたそうです。もちろんエンジンばかりでなく、航空力学も、構造学も知識として知っておかなければなりません。その苦労が偲ばれます。

■折から、ミッドウェー海戦等で日本の空母が多数喪失したことから、日本海軍は所有している戦艦のうち、日向と伊勢を航空戦艦として改造し、そこに艦上爆撃機を22機搭載して空母の代わりを果たそうと計画しました。ところが、昭和17年12月呉工廠で伊勢の改造に着手し、工事が終わったのはミッドウェー海戦から1年3ヶ月後の昭和18年9月でした。一方、日向の改装は昭和18年5月に開始され、同11月18日に完了しました。ところが完成しても、艦載機の調達のメドがすぐには立ちませでした。それほど航空機の消耗が激しく、生産がもはや追いつかなかったのでした。

 昭和19年5月になり、ようやく伊勢、日向に搭載するための海軍634航空隊(634空)が編成されました。この時、初めて先代も整備予備少尉として配属になったものとみられます。同隊の使用機種は艦上爆撃機の彗星と、水上偵察爆撃機の瑞雲でした。両機とも愛知航空機が製造していましたが、生産機数が足りず、ようやく必要な機数が揃ったため、同航空隊が編成されたと見られます。

 世界に例を見ない航空戦艦として、さらに防空能力を高めるため、海軍は対空機銃を増設すべく、昭和19年5月31日から6月20日にかけて両艦を呉工廠のドックに入れました。ところが、ちょうどその最中の6月19日~20日にマリアナ沖海戦が起き、事前に日本軍の作成資料を入手して周到な準備をしていた米軍によって残存空母や多数の航空機が破壊されてしまいました。

 そのため、伊勢と日向に634空を搭載する話は立ち消えになり、同航空隊は母艦を離れて、基地航空隊として作戦活動に従事することになりました。もしこの時、同航空隊が両艦を母艦とし続けることになっていたら、おそらく筆者の先代はその後の海戦で戦死していたに違いありません。そうすれば筆者もこの世に存在しませんでした。

 マリアナ沖海戦で、マリアナ諸島と制空権、制海権を米軍に奪われた後、昭和19年10月12日~16日には、米国の空母多数を擁する機動部隊が北上し、これを迎え打った日本海軍の基地航空隊との間で台湾沖航空戦が起きました。この時、634空は沖縄を経由して、台湾に移動し、作戦に参加しました。瑞雲による水上爆撃隊はこの時、台湾の東港基地に移りました。この海戦では、大本営は戦果を過剰に見誤り、その後の作戦にも悪影響を及ぼしました。

■なお、これと前後して、米軍のレイテ島への侵攻を受けて、昭和19年10月10日に大本営海軍部により捷一号および二号作戦準備が発令され、同10月18日に捷一号作戦が発動されたのです。

 これに呼応するため、昭和19年10月24~25日にかけて、634空も台湾・東港基地からフィリピンのルソン島のマニラ湾の入り口にあるキャビテ水上基地に進出しました。先代は、ここで昼間は米軍機の攻撃を避けるために、森林に退避して整備作業を続け、夜間に水上爆撃機の瑞雲を出撃させるというハードな毎日を送っていたそうです。

 戦後、昭和51年2月、先代が59歳で急死する3年ほど前に、実際にフィリピンのキャビテを訪れたことがあります。その時はフィリピン沿岸警備隊の航空基地として使われていましたが、守衛に事情を話したところ15分間だけ中に入れてもらえました。先代が、懐かしそうに回想している姿を今でも思い出します。「このヤシの木は当時のままの位置にある。ここで米軍の機銃掃射を受けて自分はこのヤシの陰に隠れて助かったが、戦友が撃たれて亡くなった」15分はあっという間に過ぎ、先代は名残惜しそうにしていたのを思い出します。

■当時の作戦資料によると、連日、レイテ島に上陸する米国の輸送船団に対して夜間攻撃を敢行していたことが分かります。

<昭和19年>
 11月 1日:「索敵攻撃」「瑞雲」水爆6機が終夜索敵攻撃を行う。
 11月2~3日:「タクロバン飛行場夜間攻撃」「瑞雲」水爆6機が攻撃を行う。
 11月22日:「タクロバン飛行場夜間攻撃」「瑞雲」水爆でレイテ島タクロバン飛行場の夜間攻撃を行う。
 11月23日:「タクロバン飛行場夜間攻撃」「瑞雲」水爆でレイテ島タクロバン飛行場の夜間攻撃を行う。
 11月25日:「マニラ東方索敵攻撃」「瑞雲」水爆でラモン湾の機動部隊を攻撃。
 11月26日:「レイテ湾輸送船団攻撃」「瑞雲」水爆でレイテ湾輸送船団を攻撃。
 11月29日:「魚雷艇索敵攻撃」「瑞雲」水爆でボソン沖東方カニガオ水道北の魚雷艇を攻撃。
 12月11日:「レイテ島攻撃」「瑞雲」水爆でレイテ島西岸米攻略部隊の攻撃。
 12月12日:「レイテ島攻撃」「瑞雲」水爆でレイテ島西岸米攻略部隊の攻撃。
 12月15日:「ミンドロ方面輸送船団攻撃」「瑞雲」水爆3機が、パナイ海及びパナイ島周辺の米攻略部隊の索敵攻撃に成功。
 12月16日:「イリン海峡輸送船攻撃」「瑞雲」水爆2機が、ミンドロ島南端、イリン島間の水道で、輸送船4隻を攻撃。
 12月19日:「サンホセ爆撃」薄暮「瑞雲」水爆3機が、サンホセを爆撃。
 12月21日:「サンホセ沖索敵攻撃」「瑞雲」水爆でサンホセ沖の米艦船索敵攻撃。
 12月26日:「ミンドロ島サンホセ沖偵察及び飛行場攻撃」薄暮「瑞雲」でサンホセ沖偵察及び北飛行場を攻撃。
 12月29日:「サンホセ沖輸送船団攻撃」「瑞雲」水爆でサンホセ沖の米輸送船団を攻撃。
 12月30日:「サンホセ沖輸送船団攻撃」「瑞雲」水爆でサンホセ沖の米輸送船団を攻撃。
<昭和20年>
  1月 2日:「サンホセ沖輸送船団攻撃」「瑞雲」水爆でサンホセ沖の米輸送船団を攻撃。
  1月 8日:六三四海軍航空隊は、水上偵察機の航空隊に改編。第一航空艦隊に編入。
  1月13日:キャビテ湾カナカオ基地より台湾の東港基地に引き揚げる。
  1月15日:「夜間哨戒飛行」東港基地所在の901空と合同で作戦を開始。
  1月26日:「南号作戦/台湾南方海面索敵」「瑞雲」水爆で東港基地を発進。
  1月末迄:司令、飛行隊長、搭乗員、地上員約250名が東港基地に引上げる。
  2月 7日:「南号作戦/台湾南方海面索敵」「瑞雲」水爆で東港基地を発進。
  3月中旬:台湾北部の淡水基地と、周辺の士林に基地をもうけ移動。
  3月27日:奄美大島の古仁屋基地に前進。本隊は淡水基地、補充及び錬成は福岡県玄界基地に置く。
  3月29日:「沖縄周辺敵艦船攻撃(第一次)」
  3月31日:「沖縄周辺敵艦船攻撃」
  4月 4日:「沖縄周辺敵艦船攻撃」
  4月 5日:「沖永良部島周辺敵艦船攻撃」
  4月 7日:「沖縄周辺敵艦船攻撃」
  4月20日:「沖縄周辺敵艦船攻撃」古仁屋を発進。与論島周辺にて大型駆逐艦2隻を発見。うち1隻を攻撃、二五番爆弾1発を命中させ轟沈。
  4月28日:「沖縄周辺敵艦船攻撃」
  同日:「鍋島南岸索敵及び沖縄周辺敵艦船攻撃」
  4月30日:「沖縄周辺敵艦船攻撃」
  5月:横浜基地で錬成中の偵察第三〇二飛行隊が、第六三四海軍航空隊に編入された。
  5月 6日:「沖縄周辺敵艦船攻撃」
  5月 7日:「沖縄周辺敵艦船攻撃」
  5月10日:「沖縄周辺敵艦船攻撃」
  5月13日:「沖縄周辺敵艦船攻撃」
  5月17日:「沖縄周辺敵艦船攻撃」
  5月19日:「沖縄周辺敵艦船攻撃」
  5月20日:「沖縄周辺敵艦船攻撃」伊江島南方10浬に駆逐艦護衛の輸送船団を発見。攻撃を行い、中型輸送船1隻を轟沈。
  5月23日:「沖縄周辺敵艦船攻撃」伊江島北方海域で戦艦2隻を基幹とする10数隻の艦艇群、駆逐艦8隻護衛の輸送船団50隻を捕捉。激しい対空砲火の中を突入、駆逐艦1隻を轟沈。
  6月:第五航空艦隊に編入。
  6月11日:古仁屋基地より桜島基地に移動。
  6月26日:「沖縄周辺敵艦船攻撃」最後まで瑞雲を駆って奮戦した宮本平治郎大尉未帰還。

■先代によれば、昭和20年1月13日にキャビテ湾カナカオ基地から引き上げる際に、司令に呼ばれて言ってみると、「長い間ご苦労だった。最後の司令偵察機で台湾に向かうが、お前も一緒に乗れ」と言われたそうです。「整備担当で司令機に同乗させてもらったのは自分一人だった」そうです。

 台湾の東港基地に移動したあと、先代は2週間かけて東港から台北まで陸路で移動したそうです。その時の台湾の風景としてサトウキビ畑の話をよく語っていました。

 先代はその後、休養を兼ねて九州本土に戻り、まともな風呂に入ったり、散髪屋に行ったりして、熱帯での過酷な戦闘のアカを落としたそうです。しかしそれもつかの間、沖縄戦が始まったため、昭和20年3月27日から奄美大島での任務を命じられ、今度は沖縄戦のために夜間出撃する瑞雲の整備に連日従事することになったのでした。

 ここでも、昼間は瑞雲の機体を防空用の偽装ネットでカモフラージュしながら整備を行い、夜間出撃を見送るという毎日で、最後の6月11日には、奄美大島から桜島基地に移動し、反復攻撃に従事し、沖縄戦が終了する6月23日前後まで僅かに残った瑞雲を必死に整備をして出撃させたのでした。

 先代は、幸い整備担当でしたので、直接戦闘に巻き込まれることは有りませんでしたが、昼間の敵機による攻撃を受けることはたまにあったそうです。

■その後、終戦をどこで迎えたのかは聞きそびれましたが、終戦時には、正七位(海軍大尉)に任ぜられたことが、現存する証書で確認できます。

 終戦後は、船舶や航空機の機関技術の知識を活かそうと、小松製作所に職を求めようとしたことも有ったそうですが、結局実現せず、また、武官だったため公職追放の対象となり、最後には食糧増産の国家スローガンに沿って、実家に戻り、家業である農業や養蚕業に従事しました。

 また、同じく海軍で主計少佐として終戦を迎えた高崎中学の同期だった中曽根康弘が戦後昭和21年に内務省を依願退職し、昭和22年に青雲塾を旗揚げして戦後の日本復興を目標に掲げて政治活動を始めることになったため、同じ海軍というよしみで協力を依頼され、先代も中曽根康弘の心情に賛同し、同年の第23回衆議院総選挙では票集めに尽力をしたそうです。

 その後、中曽根康弘は政界に強固な足場を築き、知名度を上げて行きましたが、それと並行して、当初の青雲の志が曇りがちとなってきたことから、先代は昭和30年代の初めには、次第に中曽根康弘との距離を置くようになりました。もっとも、高崎中学の同期会(35期なのでサンゴ会と称する)では、その後もたびたび歓談していたようです。

 しかし、戦時中の過酷な整備作業により、先代の健康は蝕まれていました。筆者が小学5年の頃、先代は結核を発症し、松井田の結核療養所(現・松井田病院)に入院しました。その後、筆者が高校生になるまで5年ほど療養生活をしていました。

■先代はまた、海軍の軍人として最前線で戦ってきましたが、残念ながら恩給法による最短在職期間である将校・士官の場合の13年以上には該当しない為(東京高等商船時代の5年半を含めても11年弱であるため)、終生、「恩給欠格者」として国からは何の報償も得ていません。

 結局、先代は昭和53年10月に、還暦まであと2か月余りという時に、突然脳卒中を発症して、3日間意識不明のあと死去しました。59歳でした。農業者年金を全て支払い終わったところでした。

 戦後、ずっと農業、とくに養蚕そして椎茸栽培などに従事していましたが、造船ブームだった昭和40年代後半に、石川島播磨重工業(現・IHI)から、「保証技師(新しく船を建造した際、1年間の保証期間中、造船所側から船に技術者を載せて、不具合が発生した場合に、その原因を究明し必要な対応策を運航者や造船所に伝えて迅速に問題を排除するための専門家のこと。なお、現在は通信技術が発達したのと装置類の信頼度が向上した為、保証技師はどこの造船所も乗せていない)として迎えたい」という手紙が来たとして、先代から見せてもらったことがあります。「どうするの?」と訊ねたら、先代は「家族を置いて長期間船に乗るのは、いくら収入がよくでも、自分には耐えられない」として、ずっと家業を続けていました。

■このように、お国のために全身全霊をささげて奮戦しても、国はなにもしてくれないのです。今回成立した安保法案で、自衛隊員が海外での紛争、あるいは戦争に巻き込まれて、家族にとって悲惨な結果になっても、おそらく国は、きちんと遺族には手厚く補償するから安心して紛争地、あるいは戦地に赴いてもらいたい、というのかもしれません。

 しかし、第二次大戦では、軍人も民間人も、総力戦で国の安全保障のために戦ったのに、結局国の対応は非常に冷たいものでした。「国民の安全・安心のために」安保法制が不可欠だというのであれば、国民に犠牲を強いることの無いように最優先で配慮すべきです。本日未明に成立した安全保障関連法案の今後の行方について、我々市民はこれ以上無関心ではいられないはずです。

【ひらく会事務局】

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安保法案採決直前の9月17日の国会周辺の模様

2015-09-17 23:28:00 | 国内外からのトピックス
■我が国の国家安全保障を切れ目ないものにすると言い張り、大半の国民の意見に耳を傾けないまま、とうとう安倍政権と自民・公明両党などが、憲法では許してないはずの海外での武力行使を政権の裁量だけで行える法律を可決してしまいました。この背景には、国会で圧倒的多数を占める与党の形成を、国民が選挙で許してしまったことが挙げられます。


 政治離れだとか、投票率の低下などが指摘されていますが、結果的に今後、海外で日本人が紛争に積極的に参加した場合、一番影響を蒙るのが、現地に駆り出されたり、仕事や私用で現地に渡航したりする機会が多くなる今の若い世代となるわけで、もっと自民党主体政治の危険性を知り、しかるべく投票所に足を運んでいれば、このような自民党による圧倒的多数を背景にした国会でのワンマン運営は抑止できたかもしれません。

 安倍総理をはじめ、今のほとんどの政治家は戦争体験がありません。また、安倍総理が信奉する祖父の岸信介・元首相は戦時中、戦争推進に加担していた側におり、戦争責任があるはずですが、なぜか戦犯とならず、戦後を上手に立ち回った人物です。その直系の孫が、本当の戦争の実態を知るはずが有りません。だから本当の戦争の悲惨さなど、知る由もありません。

 安保法案、いわゆる戦争法案が明日可決された場合、今後は、戦争を知らない政治家集団である自民党とその新派らは、ますます米国の忠犬を目指すことでしょう。

■というわけで、我が国の今後にとって、重大な節目となる9月17日に、実際に法案を審議、可決していた国会の周辺では何が起きていたのかをレポートしました。

 高崎駅の新幹線待合室では、ちょうど午前8時50分に再開予定の理事会の様子を生中継していました。


 東京駅から丸の内線に乗り換えて霞ヶ関駅で降り、地上に出ると雨がかなり降っていました。歩道を、国会議事堂に向かって歩くと、前に雨合羽を着たり傘をさしたりして中年の女性グループが歩いていました。まもなく国土交通省の前の通りに出て、国会前の交差点まで来ると、警察官の姿が急に増えました。




 ここから国会正門前交差点までの広い道路の両側には、警備車の列が見え、警察車両も並び、プラカードを持って心配そうに議事堂を見つめている人たちの数が次第に増え、それとともに警察官の数も増えていきました。





 国会正門前の交差点には両側で、拡声器を使ってシュプレヒコールがひっきりなしに続いていました。








 国会正門前交差点を横断し、憲政記念館の方に向かって歩道を歩くと、ここも多くの市民が思い思いのプラカードを手に、議事堂を見つめていました。



 途中で市民と警官との間でひと悶着の現場に遭遇しました。警察が「ここで横断幕を開くな」と指示された市民らが抗議をしていました。市民らの抗議行動は、整然と行われていましたが、警察のほうはかなりピリピリしていたのが印象的でした。









 抗議のために国会周辺に集まってくる市民の特徴は、普段着のまま、仕事や家事の空き時間を調整して三々五々やってきては、抗議の声を上げて、また職場や家庭に戻っていくことです。車いすで一人でやってきた若い女性もいました。




 ときどき、前の道路を観光バスが走っていきます。バスの窓を見ると、小学生らが窓から手を振るのが見えました。また大人たちが乗ったバスも同様に、窓から手を振りながら走っていきました。小学生はどの程度、この大群衆をみて、なぜこんなに集まっているのか、その目的をどの程度理解しているのかはわかりませんが、大人たちの多くは、激励を意味している感じがしました。


■憲政記念館前の交差点を左折すると、国会の土産物やグッズなどを売っている売店がありました。その裏の駐車場には、多数の観光バスが見えました。どうやら、国会見学のための観光バスで、国会議事堂の裏で乗客を降ろした後、ここに駐車して、客の見学が終わるのをここで待機しているようです。







 駐車場の入口から議事堂を見ると、ちょうど議事堂前を横切る道路が見えました。もちろん議事堂の入口には守衛が大勢並んでいて、中に入る車を厳しくチェックしています。そうこうしている間も、歩きながら拡声器を使って、シュプレヒコールを上げながら通り過ぎていきました。



 その後、憲政記念館前の交差点に戻り、道路を渡って、今度は国会議事堂側の歩道を通って議事堂正門に向かいました。ちょうど、国会議事堂見学を終えた小学生の一団が次々に向こうから先生の誘導で歩いてきました。




 「こんにちは!」と元気に挨拶をしてくる児童もあり、ひじょうに微笑ましく感じられたので、こちらからも挨拶を返しました。そして、「たくさんの人が集まっているのを、よく覚えておいてね。今日は大切な日だから」と声をかけると、「うん」と頷いていました。







 議事堂正門前交差点に戻り、赤信号で歩道を待っていたとき、すぐ脇にいた守衛に、「きょう国会の傍聴は出来るんですか?」と尋ねてみました。守衛は首をひねりながら、「そこで記念写真をしている小学生は国会見学だが、国会の傍聴は出来ないと思う」と答えました。





 そこから、再び、国会前交差点まで歩道を歩きましたが、たくさんの市民が議事堂に向かって絶えず気勢を上げていました。







 気付かないうちに雨が激しく降っていました。昨晩、報道番組で見たときよりも、昼だったためか、あるいは雨天のせいか、人数的には少ない気がしました。しかし、そこから霞ヶ関駅まで歩く間にも、議事堂に向かって歩いてくる市民らとすれ違いました。

 昔の学園紛争の時のような激しいデモというのはありませんが、各世代のさまざまな方々が、それぞれのメッセージで議事堂に向かって抗議の声や、あるいは無言でプラカードを掲げる姿が、あたらしい市民デモの形を表しているという感じがしました。

■安倍首相が、よく使う言葉に「切れ目のない安全保障体制で国民を守る」というのがあります。また、今日の夕方、安全保障関連法案の委員会可決後に、ヒゲの隊長こと、参議院平和安全法制特別筆頭理事の佐藤正久(自民)が記者のインタビューに対して「国民の命と幸せな暮らしを守るため、絶対に必要だという思いで与党一丸となって、法案可決ということになった」と答えていました。

 しかし、70年前に経験した大戦の敗戦の責任を、我々の国はきちんと取っていたのでしょうか。我々市民は今度こそ騙されないように気を付けなければなりません。

【ひらく会事務局】
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