市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

タゴ事件発覚から18周年・・・地方自治体史上最高額の横領事件に安中市民はどう対処したか(会報2号)

2013-05-19 23:34:00 | 安中市土地開発公社事件クロニクル
■市政をただす安中市民の会の会報2号は、1号の1週間後の平成7年6月25日に発行されました。会報2号からは、表裏の両面印刷となりました。

安中市内にあるタゴ事件に関係した市職員OBの豪邸。事件発覚直後から、なぜ市役所職員なのにこんなすごい家が建てられるのだろうかと市民の間でいぶかられていた。

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■市政をただす安中市民の会 会報2号(上)
事務局 関口八郎(85-6338)白石一郎(81-1704) 発行日 平成7年6月25日

第2回集会開く!

6月24日(士)午後8時半から安中公民館に約70名の市民が集まり、10時半過ぎ迄、白熱した討論が繰り広げられた。第2回目集会の内容は次の通り。なお、集会に先立ち原田市議から同席依頼があったが、他の市議に対する公平性や公社理事併任という観点から断った。(注:市民の会は、市議会の皆様が誘い合って集会に同席する場合は大歓迎!)
(1)6月19日(月)に小川勝寿市長あて公開質問状提出の時の状況報告
(2)19日に広上輝男安中市議会議長あて百条委員会設置の要求書提出の時の状況報告
(3)19日に小寺弘之群馬県知事あて公文書開示請求の提出とその後の行政の反応報告
(4)19日早朝から連日市役所に抗議のデモを敢行した主婦の方の体験報告
(5)事件をめぐる市内のさまざまな勤きに関する報告
(6)市民からの情報提供と、背景や状況の分析、質疑応答
(7)今後の方針についての検討
つぎにそれぞれの報告内容を示す。

小川市長宛公開質問状について  報告者;事務局

 6月19日朝に会員4名で質問状を提出した際に、小川勝寿市長は、元職員とのゴルフ、緊急市民大会、市民への事件説明方法の3点に触れた。
 ゴルフについて市長は「質問状の中で、元職員とのゴルフについては私事なので公文書に書く内容ではない。口頭で話したい」とし、「5月18日に事件が発覚、19日に弁護士を呼び、かねてから21日に予定していた職員ゴルフコンペに参加したもの。コンペは今までも年2回やっており、今回もその一環で参加者は30人ほどだった。(容疑者)本人が、逃亡、自殺、資産隠匿のおそれがある、という弁護士の言葉をきき、そういうおそれがないように本人の監視的な目的でやむなく(ゴルフに)行ったもの」と語ったので、市民側から「その旨回答書の中で書いてほしい」と再度念を押した。
 6月10日の緊急市民大会について、「招いてもらい感謝するが、(市民から)ヤジが飛び、静かに話し合いたかったのに残念だ」という市長の感想にたいし、市民側から「やじられるのが残念におもうより、ヤジの原因がなぜかを知るべきでは」という声が出た。
 事件に関する市民への説明について、市長は「広報で説明したい。公開質問状に対しても広報で順次回答するので了解乞う」と言うので、市民側としてこれを拒否した。
 回答期限の23日(金)午後5時に会員3名が助役、収入役、総務部長と会い「まだ回答は出てない」と言われたため、「遅くとも6月30日までに回答」旨一筆取った。

広上議長宛要求書について     報告者:事務局

 市長と面談後、広上議長に要求書提出。議長曰く「(百条委は)直ちには設置しない」。
 21日午後1時半に市議会の臨時議会が開催され会員3名で傍聴。地方自治法98条による「安中市土地開発公社不祥事件調査特別委員会」設置と同会委員7名(小西勝二委員長、長沢尚副委員長、松本利一、澤博、上原信、小林孝、上原延秋の各委員)が決まった。
 特別委の次回第2回開催は6月28日(水)で、市民の傍聴許可など求めたが、非公開とされてしまった。

県知事宛公文書開示請求について 報告者:事務局

 19日に小寺知事に土地開発公社に関する事業報告書等の公文書開示請求書を郵送提出。県と市が話し合い、安中市で開示することになり、23日午前9時に会員4名で市役所へ行き、土地開発公社平成元年~6年度の監査報告書を含む事業報告書等を受領。

市役所入り口で果敢にデモを実行した主婦の体験報告(要旨)

 市当局に一主婦の怒りを直接ぶつけたい!と矢も盾もたまらず、19日の朝7時半に市役所玄関に行き8時40分まで市役所の玄関で抗議しました。玄関で抗議文を大書した紙を広げ、壁にも貼り紙をしました。掃除のおばさんがきたので、「はがさないでね」とお願いすると、「はがしませんよ」といってくれました。そのうちだんだん職員らが来ましたが、無言でプラカードを持って立っていました。そのうち市職員3名が来て「困るなあ。市役所の玄関でこういうことされると」と言いました。私は抗議文を指し「皆さんもそう思うでしょ」と返事すると、職員は「あなたに一応注意しましたよ」と訪って行きました。私が玄関にいたため、裏から入る職員もたくさんいました。まもなく庶務課の高橋さんがきて、「ここにビラを貼るのは困るよ。市に来た人に迷惑だから剥してくれ」と言われました。名前や目的なども聞かれましたが、知りませんと答えました。その人は「ここに立つこと自体迷惑だ。何時までいるんだ。ビラを剥すぞ」とビラを2枚剥し、証拠写真として、私がプラカ一ドを持って貼りビラの前に立っているところを何枚か撮影して行きました。その日は午後4時過ぎに再度プラカードを持って無言で抗議を続けていると、たまたま取材にきたテレビ朝日からインタビューされました。私は、この事件が理不尽で、つけが市民に押しつけられることに納得できないことを話しました。2日目からは、私を避けて裏から入る職員がぐんと増えました。また庶務課の高橋さんが来て「迷惑で困る」と言われました。午後からは、10名前後の市民がかけつけてくれて、一緒に市役所玄関で抗議に立ちました。私は、自分の意志で夢中で始めましたが、自分でやれることをやったという充実感があります。今週は23日まで続けましたが、来週も絶対やります! (談)

参加市民による自由発言と討議事項

今回も市民から事件関連の意見か怒りを込めてつぎつぎに発表された。主なものとして
*ゴルフのコンペと言うのは普通4~5組のパーティー。3人だけのゴルフもコンペか?
*容疑者が逃亡するのを監視するのと、コンペに出なければならない理由との関係は何か?
*弁護士に言われて容疑者を監視するためゴルフしたなら立派な公務だ。だったら市民にきちんと説明つくはず!
*5月21日に容疑者とゴルフして、31日に容疑者を懲戒免職にしている。既に事件が発覚していた状況下で、市長は容疑者と一緒にゴルフしながら話した話題は何だろう?
*市職員組合関係者に、年2回の親睦コンペの実態を聞けば教えてくれるのではないか?
*特別委員会は非公開と言うが、議員が認めれば公開になるはず。なぜ市民に隠れて密室会議をやるのか?
*市長は市議会の答弁で多胡容疑者は土地開発公社の主査時代に自治大学校で学ばせており、将来の幹部として「有能」ぶりを強調し長期人事配置の理由付けをしていた。自治大学校は市長の推薦がないと入れない。一方、公社組織を拡大して独立法人にする案があり、容疑者を公社の幹部に据えるべく、この4月に一旦教委に配転後、公社組織拡大後、公社専属課長にするための配慮があるらしい。これは県も承知している。
*多胡容疑者の上司が市長のことを「オヤジ」と呼ぶのを聞いた。また「おれには舎弟がいてベンツで迎えに来る。1晩に10万や20万の金は何でもないから心配するな」という話もある。5月21日に関係者でゴルフしたとなるとえらいことだ!
*5月19日に市長は多胡容疑者からはコーヒー1杯もらったことはないと明言してくれたが、容疑者とよくゴルフ帰りに一緒に国道わきのレストランで食事していたのを見たという話もある。事実確認が必要だ!
*公社の不正借入問題をめぐって、市長は事件発覚後さっそく東京の弁護士に依頼した。公社の理事に聞いたら、裁判費用は訴訟対象額の3パーセントが相場だと言う。着手金として公社から既に1000万円支払われているが、今後裁判が長期化するのは必至で、訴訟対象額も金利が加算され37億円余からどんどん膨らみ、弁護士費用も1億円はおろか下手をすると2億円になるかも! いったい市民にいくらしわ寄せがくるのやら!
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チンプンカンプン市長は辞めて責任を取れ!
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■市政をただす安中市民の会 会報2号(下)

*県から開示された公社の事業報告書等は、現在金融関係に詳しい市民に内容を見てもらっている。とりあえず、この事業報告書を一覧してみたが、これには実際に融資した額は載っておらず真相解明には不十分。銀行は水増しした金額に対して融資しているわけだから、この融資残高がいったいいくらになっているのか、銀行に融資残高証明もきちんと出してもらい、両方を突き合わしてみる必要がある。
*私は、3~4日おきに秘書課長あてに電話して、市長はいつ責任を取って辞めるつもりなのかと問いただしている。既に助役、収入役は辞めてもよいと発言しており、市長もその方向でただちに決意すべきだ。
*うちも税務課に電話して「税金を払いたくない!」と言ったことがある。納税は市民の義務だが、市民の税金を有益に使う義務を有する市がこのザマでは、本当にくやしい!
*市長の説明では、群銀の残高47億6千万円のうち10億円は正規の残高で残り37億円余が不正融資額とされている。市民の立場からも銀行から融資残高証明を取り数字的な検討をしてゆくことが必要だ!
*市民の不安と怒りは、事件の不正借入金の弁済はどういう財源からまかなわれるのか?それは結局市民に転嫁されるのではないか!ということに尽きる。市長は、「ハコモノ」(何とかセンターのような公共建築事業)でなく文化福祉事業を削る腹づもり。市民が黙っていると勝手に弱者ばかりにツケ払いさせられる。市民にはプラカードを持ってどしどし市役所に押しかけるなど、粘り強いアピールが求められている!
*安中市民は日本中の笑いものになり、レベルが低いと嘲笑されているが、声には出さなくとも、今回の事件で市民はみな問題意識を持っている。安中市民はけっして馬鹿ではない。そのためにもこういう運動は広く市民を巻き込んで展開していきたい!
*6月10日の市役所前の緊急市民大会のビデオを編集したので、これを活用して、各地域毎に公民館で説明を開催してはどうか。小川市長と係わり深い市民の間には、今回の事件に対してけじめを付けるべきだ、と訪う声が大きい。広くたくさんの人に問題提起を図ってゆきたい!
*各地区の区長会にも事件の重大性を説明し、市長の責任を追求すべきだ。そのために区長会にも働きかけ、回覧板で会報を地域にどんどんまわして市民の関心を盛り上げよう!
以上のとおり、たくさんの市民から出された意見をもとに、次の問題点が明らかになり、今後この点について真剣に取り組むことが合意された。

元職員とのゴルフに関する疑惑について

市長が本件について19日に市民に対して説明した内容で、次の点が重要ポイント。
◆ゴルフは年2回の恒例のコンペで、そのうちの1回であること
◆ゴルフはかねてから計画していた職員コンペであること
◆コンペには30名くらい職員が参加したこと。これが事実がどうかを確認する必要があるので、市の職員に次の点を確認してゆく。
●職場コンペの幹事役やコンペ参加者にコンペの模様をたずねる。
●職場コンペの案内状、会費、参加者などがどうだったのか関係者からヒヤリング確認。
●職場コンペの場合、組合などから補助金など福利厚生措置などがあったのかどうか。

市議会特別委員会の設置と非公開について

●今回地方自治法98条による特別委員会の設置が決まったが、98条は「検閲および検査、監査の請求」を定めただけのもので、日本全国に名を轟かした37億事件の対応にしては余りにも原因解明への取り組み姿勢に欠ける。市議会の弱腰とノーテンキぶりがここにも現れてる。従って、市議会により強い権限を持だした同法100条による委員会の設置を強く求めてゆく。
●98条の特別委員会は次回6月28日開催が非公開とされたので、議長に対して市民への公開を要求する。

YN市議の吉田洋氏自殺発言について

●本件についてYN市議から事務局に対して文書で「N議員と、(自殺)はありえないという話をした」との釈明がありました(6.22付け)。この件については6月14日の市議会一般質問の休憩中にトイレで、同氏が他議員と会話中で吉田洋氏の死去に触れて「(吉田氏は)自殺したんじゃねえかね。わははは」という発言が確認されており、事実と相違するため今後さらにYN市議に真実をただしてゆく必要がある。

公社の業務報告書の内容について

●内容は現在、金融関係に詳しい市民にチェックを依頼している。これだけみても不正借り入れ部分は分からない訳だが、内容を一覧してみたところ、特に監査報告について、例えば平成5年の決算報告で監事の意見として「公社においては、さざんかタウン鷲宮住宅団地の一般分譲が好評完売となった。良質な宅地なら分譲希望者が多数潜在していると考えられる。公社では平成6年度にも、住宅団地の分譲を計画しているが、安中市の都市計画や住宅施策との整合性を図りながら事業を推進し、平成5年度において発生した利益は元より、今までの準備金等も有効に活用して、適正な価格で、良質な宅地の供給を図るよう、尚一層の努力をされたい」とある。
●一方、平成6年度の監事の意見は「公社では、さざんかタウン下磯部住宅団地が1・4倍以上の希望者を集め・・・、低金利時代の今日、住宅金融公庫から借り入れる好機会で良質な宅地であれば、分譲希望者が多数潜在している等が考えられる。公社では平成7年度にも、板鼻地区に住宅団地の分譲を計画しているが、安中市将来人口6万人を目標に事業を推進し、平成6年度において発生した利益は元より、今までの準備金等も有効に活用して、適正な価格で、良質な宅地の供給を図るよう、尚一層の努力をされたい」。
●これを見ると、監事の意見記述がワンパターンで数字的なことは全く触れず、とうていまともに監査しているふうには見えない。「今までの準備金なども有効に活用して」というくだりは今となってはお笑い草だ。

最後に今後の課題と方針について議論された。
■市当局から6月30日迄に出すと言ってきた公開質問状の市長回答について、連絡あり次第対応。もしぐずぐず回答遅れたら6月30日(金)朝9時半に市長室に集合し直談判。
■市議会議長あてに特別委員会を市民に公開する要求書提出(6月27日頃予定)
■市長ら市当局の責任をただす市民大集会の開催について(公開質問状に対する市長の回答結果を踏まえて方針策定)
■市政をただす安中市民の会としての組織充実(規約のたたき台を次回会合までに作成)
■市民ネットワークづくりの素案策定(参加市民の名簿作成中)
■市議会に対する情報開示条例の要求について(次回までに要求書案を作成)
■市議への緊急アンケートのたたき台の検討(次回会合までに作成)
■市役所玄関での抗議アピール実施方法について(継続して実施)
■群馬銀行に対して、融資残高証明の開示を求めてゆく(詳細別途検討)
備考:第2回会合でカンパを募ったところ約5万円集まりました。ご協力深謝いたします。

<事件に関するマスコミ報道内容>
*今回の事件やそれを許したノーテンキの市政や市議会に関する情報を集めています。どんなことでも遠慮なく事務局へ!
★「隠すつもりはいっさいありません」。市議会での市長の答弁は全く空々しいものだった。被害金額30数値円という報道に対しても「推測で記事を書いている」と言う。「推測で間違いなら名誉棄損で訴えては?」と開けば「推測なら構わない」あぜんとする答の連続。「再発防止に努める」そういう市の対応に誠実さは感じられない。37値円のつけが市民にまわるかも知れないの・・・(朝日新聞6月24日「支局24時」から)

〔次回会合予定日 7月1日(土)午後8時半~  於:安中公民館〕

この会報に対する賛否のご意見は実名でお知らせ下さい。紙面上の匿名は希望に応じます。

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【ひらく会情報部・タゴ51億円事件18周年記念調査班】

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