■会報16号は平成7年10月3日に発行されました。9月末に返済期限が到来した借入金で、いよいよ安中市と群馬銀行の間の交渉が難航し始めました。また、市議会の迷走ぶりも紹介しています。
会報16号の内容は次のとおりです。
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■市政をただす安中市民の会 会報16号(上)
連絡事務所TEL/FAX:81-0364 平成7年10月3日発行
共に公的の場で解決主張! 市と群銀、訴訟に突入か?
巨額詐欺事件に團系する約37億円も含め、公社が群銀から借り入れている約48億円の利息の返済期限が9月30日に到来する。今回群銀から支払を求められているのは、半期分(4月1日~9月末日)利息合計9366万4664円。
■9月23日付の上毛紙によれば、公社事務局は「30日が土曜日のため、実際の支払は10月初旬になるが、利息返済のための借り入れの都合もあり、早急に方向性を出したい」と言っている。
■27日の定例市議会で9月20日午後9時40分から群銀本店で群銀側(土金頭取、吉田副頭取ら)と市側(小川市長、助役、総務部長)でトップ会談が行われたことが市長から報告された。
■報告によると、会談で群銀は(37億円は)多胡ではなく公社に正規に貸したもので今後筋を通して解決したいと述べた。市長は9月22日の群銀からの利息明細案内を見て公社理事会に諮って結論を出すと言った。群銀は「解決はなるべく早くする事がよいと思うので互いに土俵に上がって、公的な立場で解決をはかりたい」とし、市もこれに同意。
■「不正借人分の利息を払わない場合、14%の損害金を請求するのか?」との市の問に対し群銀は「今まで安中市との長いつき合いであることを考えれば想像はしていただけると思う」と禅問答じみた返事。市は「想像」を善意に解釈しているというから、なんとまあオメデタイ。いずれにせよ民事訴訟に突入する可能性がいっそう強まった。10月2日に方針が判明する。
市長不信任案否決! 迷走する市議会と市長の思惑
前回8月の臨時市議会では、百条委設置を決める大事な時に市長不信任案提出の動きがあった。今回は9月27日の一般質問で、登壇した市議10名のうち9名が公社不祥事件を取り上げ、市長の政治責任を厳しく追及し、市長め進退について詰めよる場面が何度も見られた。これを踏まえて9月28日には終日議会工作が行われ、9月29日の本会議開会時刻の9時になっても議員が議場に現れず、水面下の工作がまだ終わっていないことを伺わせた。
■市長不信任案議決の瞬間を見ようと市民やマスコミが傍聴席で待機していたが、半日待ちぼうけを食わされた。午後1時にやっと始まった本会議。共産党から不信任案が出され採決となった。
■結果は賛成4名(長沢尚・原田求・柳沢吉保・澤博)だけ。不信任案は否決された。
■9月27日の一般質問であれほど事件に関する問題収をいくつも指摘し、市長の政治責任を追及した議員らがなぜ市長不信任に賛成できなかったのか。あれは単なるパフォーマンスだったのか、と市民は白けるばかり。
■百条委を市民に傍聴させる件でも、関係市議らは「市民傍聴は問題ない」と市民に言っておきながら、一夜あければ時期尚早とか会派が反対だとか言い訳して、態度を180度ひるがえすという2枚舌ぶりだった。ならばどんなに豹変しても不思議はないのかも、本会議前日に小川市長やそのシンパの幹部議員に丸め込まれたに違いない、と市民に不信の目で見られる安中市議会は再生しうるか?尚、市長が10月初旬にも進退を決するという一部情報もある。【一般質問の詳細は会報「号外」をご覧下さい】
2ケ月かけた「成果」? 9月議会での百条委報告内容
9月29日の市議会の本会議で、百粂委の中間調査報告が発表された。草津町では8月4日に百条委が設置されて以来2ヶ月にわたる調査により、流用金の流れを解明。問題点の把握をキチンと行い、28日に行われた臨時町議会で最終報告をした。ところが安中市の場合、この2ヶ月余り群銀への追及は割合熱心だったが、肝心の行政内部には未だにメスを入れずじまい。調査報告というより経過報告と改善提案に終始。最終報告はどぅなることやら。【本会議と最終報告書の詳しい内容は会報「号外」をご覧ください】
5ヶ月目にしてやっと! 公社事件に関連した人事異動
10月1日付で4人が異動した。公社事務局長の加部都市計画課長と、吉岡土地改良課長を入れ替え。公社事務局次長で多胡の直属上司の高橋都市計画課長補佐はクリーンセンター事務局に横滑り。後任に都市計画課の石井主査。また、上述のように市長の進退と助役の辞任については依然として予断を許さない。
―――――市政をただすスローガン秀作集(8)―――――
チチンプイプイ治るけど チンプンカンプン直らない 上乗せ改ざん うわの空 48億 闇の中
―――――聞かれた 見える政治を 市民の手で!―――――
群銀が被害を認めた?27日読売新聞朝刊記事の内訳
■「群銀、被害弁償受け入れ。多胡被告の資産売却で!」の見出しで読売新聞に掲載された記事。被告と公社と群銀の弁護士が協議をして10月上旬にも基本合意したあと、すぐにオークションをする方針とある。
■群銀の公社裏口座残高2億7千万と多胡名義の預金約1.億円。多胡の保有する記念硬貨400万円。これら合計約3・7億円を取りあえず元本として群銀が回収し被害額の元本を低減しようというもの。公社側としてもちょっぴり被害額が減り、多胡側としても裁判にプラスになると踏んだようだ。新聞をよく読むと、群銀が公社に歩み寄ったということではなく、今すぐ処理できる分だけを何とかしようとした事がわかる。当会が報告集会で既に指摘してきた通り、群銀の裏口座に残っていたカネは、放置しておくほど金利の逆ザヤが増えてしまうので、一刻も早い返金が望まれていたもの。新開には、今すぐオークションを開くとあるが、これは明らかに早とちり、警察の管理下にある証拠品をすぐに売り飛ばせる筈がない。
話題の人達の発言に注目! 宅建協会主催の公開座談会
■9月26日(火)午後2時から4時30分まで安中市商工会館3階大ホールで宅建協会胞催の「安中をおもう」と題する座談会が開かれ、当会から代表者が出席した。出席者の主な発言の要旨は次の通り。
◆小川勝寿市長:公社不祥事件については、長たる私に全ての責任がある、事件の解明は当然の事ながら、事後処理に尽くしてゆきたい。警察でも事件の解明にはたいへん時間がかかるといっている。
◆岡田義弘県議:事件で再建整備団体に転落する心配もあり、県と国の助けを借りこれを避けるよう努力したいが全容解明されておらず対策が請じられない。平成5年2月に公社理事会で私も多胡の人事異動を強硬に申入れてきた。その時に異動が円滑に行われていれば6億とか4億とかの改ざんは防げたはず。
◆早川正雄市議:不祥事件によって二次災害が生じている。金で済む問題は必ずいつかは解決するが、中傷などは人の心に残っていく。私自身厳しい状態におかれているが、あえて無言で頑張っていきたい。事後処理については、公社の不正事件であり、市は連帯保証人ではないので催告の抗弁権を持っており、公社の借金は公社で返すのが原則。このままだと世論に押されて公社自身で返すことは難しくなる。
◆伊藤成市議:赤字団体転落については、議会としてこれからどう解決していくかに精力を傾けている。早急に銀行側と和解すべきだというのに同感。銀行は信用第一だから譲れないところもあるだろう。群銀が市・公社を訴えた時は応訴する事になるが水面下では一刻も早く解決を図ってもらいたい。議会の考え方が市民に知らされないのも問題だ。百条委は逮捕も捜査もできる組織ではないので理解願いたい。
◆高橋由信市議:安中のイメージダウンは大きく事件解明に早急に取り組んでいかねばならない。当局には早期解決のため交渉のテーブルで被害額を決め解決を図ってもらいたい。
◆伊藤清市議:議会のチェック機能が果たせなかったのは残念に思う。金額の大きさに唖然とした。特別委・百条委も早期に設置し、本人が出頭する前に調べる事ができたらと悔やまれる。
◆茂木英子市議:事件を早期に解決して再建してゆかねばどうしようもなくなると心配している。
■以上が市長や議員らの注目発言。このなかには、聞く人が開いたら腰を抜かす発言も含まれている。この他、一般参加者・宅建協会会員からも次のような発言があった。
●一日も早く金銭的な解決を図り、市民にしわ寄せしないようにしなければならない。安中の市議は腰抜けばかり。もっと安中の事を慮って行動してもらいたい。
●一番大事なのは今後の都市計画だが県からこれに大きなブレーキをかけるのではないかと、心配している。
●現職市議の再選を祈っています。
●誹謗中傷の行為は安中のためにならないのでやめたほうがいい。
●財政再建団体の影響で各開発事業への補助金が出なくなるのが心配だ。
●事件の真相解明なくして財政再建計画も市民への理解も求めようがない。
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市政をただす市民の会では出席者に対して次のようにアピールした。
■みんな後始末をするようにと言っているが、そのためには真相解明をすること。再建団体に指定されて一様に市民の負担になったのでは納得できない。市や市議会は事件を防ぐことができる立場にあったわけだからその責任は大きい。市政が歪んでいて、犯人の性格と相まって犯罪が生じたと思う。ただす会の会報のノーテンキという言葉を議会は問題にしているが、安中市議会はマスコミに呆れられている。百条委は8月19日の産経新聞が「脱線・的外れ終始、委員の勉強不足露呈」という見出しで言い当てているように、情けない限りで、市民がこのことを自覚してほしい。
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◎48億円事件とそれを許した市当局や市議会に関するあらゆる情報はTEL/FAX 81-0364へ!◎
■市政をただす安中市民の会 会報16号(下)
連絡事務所TEL/FAX:81-0364 平成7年10月3日発行
各地で続行! 市民集会報告《磯部10区・水口・大竹・池田・後閑8区》
■9月20日(水)磯部10区公会堂で開いた市民報告会に地元住民16名参加。
●今日の新開に9月市議会で債務保証顎を減額することを提案とあるが、債務保証を減らすとどうなるのか?[債務保証を減らすとそれだけ公社事業も減る。もろに事件の影響を受けた形]
●このまま事件がウヤムヤになり市民が黙れば子供達への影響が心配だ![川西市では10年前にも公社で不正事件があり、その真相解明と責任追及をウヤムヤにしたため19億円もの事件が再発]
●市の業務では横の連絡が悪い。既に亡くなった人にタクシー利用券が届く家もあれば、元気なお年寄りに利用券が届かない場合もある。チェックすべきだ。
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■9月22日(金)磯部水口公会堂で市民報告会を開き市民14名参加。
●百条委調査では真相解明に欠かせぬ多くの点がうやむやにされている。ちゃんとただすようにする方法は?[草津町の百条委のように要は議員のやる気次第。安中の場合、追及が甘く空回り]
●8月17・18日の百条委を傍聴しようとしたら断られた。市民の代表の筈の議員が市民に傍聴させないのは信義を裏切る行為だ![9月7・8日の百条委では一旦拡声器放送による間接傍聴を市民に認めると約束。ところが放送設備の予算不足という屁理屈を付けて市民との約束を破った。市民がいると正直な事が言えない為という]
●議員がこういう報告集会になぜ顔を出さないのか不思議だ![広上議長などは「今の議会は全員市民の方に向かって一生懸命やっている」とヌケヌケ。現職議員の中にも今度の選挙を睨んで「我々ベテラン議員でないとこの問題処理はできない。ましてや新人候補に何かできるか」と暴言を吐く者がいる]
●資産税が上がるというが心配だ!
●市の体育館をよく利用していたが、有料になったと言われ年会費千円取られた。今迄無料だったのになぜ?[事件と無関係かもしれぬが安易に市民に転嫁する市当局の姿勢は事件の今後にも関係しそう]
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■9月25日(月)磯部大竹住民センターで市民報告会を開き、市民10名が参加。
●財政再建団体になってしまうのか?[群銀から市に請求される時期と額が不明でなんとも言えないが、絶対ならないという保証は何もない]
●再建団休にならないためにはどうすればよいのか?[水膨れした行政内部の機構改革を実施させゼイ肉を落とさないかぎり、ツケが市民に回される。予算計画や執行商でしっかりと市民が監視してゆく事が不可欠。それにはしっかりした新議員を市民の手で送り出すこと!]
●48億円は巨額。そんなふうにコツコツやっていて追いつくのか?[非常な困難が伴うと思う]
●噂が先行していろいろ耳に入る。群銀の支店長が替わったとか、群銀と市が実損を折半などという話も問いた。それでも市には負担があるわけだ。本来実施されるべき事業が削られては、市民に負担が及んだのと同じ事。そのような事がないように市民が監視をするための方法としては、いくらの税金がどのように使われて行くのか市民に見えるように情報公開が必要だ。[全くその通り。情報開示や市民オンブズマン制度を条例化して行く必要がある。今問題となっている官官接待のような税金の無駄使いもそういう制度で監視できる]
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■9月28日(木)磯部池田公会堂で開いた市民報告会に市民13名が参加。
●事件についてなぜ区長会が動かないのか?区長手当をもらっても遠慮せずに、誰がみても悪い話なのだから、ケジメをつけて市長にきちんと意見を言うべきだ!
●住民も区長に遠慮せずどんどん疑問点をきこう!
●ただす会の活動には費用もかかるだろう。会員となって協力したい!
●今回の事件は市をぐらつかせる大問題。区長会もきっと何とかしなけりゃと思っているのに、事件の座談会を設けることに反対だいう意見もある。そんなことで市を良くできっこない。ただす会には骨折りいただくが、正義が勝つという信念で頑張ってもらいたい。
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■地元からの要望により24日(日)後閑8区公会堂で急速市民報告会を開催、市民16名が参加。
●安中市には夫婦して市役所に勤務しているのは何人居るか調べたか?非常事態が起きたのだから、こういうことも考え直して改革して行くべきだ!
●多胡が横領で貫だ財産は不当利得なのだから、なるべく早く手
を打ってもらいたい![横紙金は公社のカネではないと全然動こうとしない!骨董倉庫は警察が封印しているが、その他の財産は野放し状態]
●公社の理事にはどんな責任があるのか?[個人として連帯保証していないので法的責任はない。ただし道義的責任や管哩監督責任がある]
●市役所で、勤務中に机に足を乗せて新聞を読みふける職員を見かける。余り外来の市民が行かない職場の人だが、こういう勤務態度が48億円事件の温床という気がする!
●昼休みが終わってもまだ碁を打っている光景も見かけた。
―――10月は原市地区で座談会を間いてます★毎晩午後7時半より★ぜひお出かけ下さい!―――
5日(木)郷原東部集会場
10日(火)正善集会場
12日(木)八本木公会堂
19日(木)築瀬集会場
24日(火)3区住民センター
26日(木)2区住民センター
―――次回定例集会 10月8日(日)午後7時半~ 於:安中公民館―――
Xデーはいつ? 安中市が財政再建団体に落ちぶれる日
市長は弁護士のなすがまま。48億円不祥事件で不正借入の実害が確定するのは、いつのことやら。いずれにしても民事裁判で群銀に敗訴すると、安中市はベラボーな損害を出すことになりそうだ。この損害を一般会計で処理しなければならないハメになったら、安中市はどうなるのか? 想定される深刻な事態はどんな影響を市民にもたらすのか?
■48億円ともいわれる実害が安中市に出た場合、その影響は群銀がどのような形で、犯人が不正借り入れした金の返済を安中市に迫るかで、だいぶ変わってくる。巨額な実害がいっぺんに市にふりかかれば当然市の財政は破綻する。他方、犯人が群銀から不正借入れした金の返済期限がくる毎に裁判をして、長い時間をかけて実害が確定した都度支払うとなると、分割返済の形になり、見かけ上、単年度あたりの市財政への影響は小さくなるようにみえる。ところが返済期間は長引くため膨大な金利負担が生じる。「どっちにしても事件のしわ寄せは回避できまい、そのときは市民に負担してもらおう」というのが市当局の思惑だとすれば問題だ!すでに-一部議員や市当局からは再建整備団体とか、財政調整基金取り崩しなどの発言が飛び出している。
■不正借入れ分の元利返済期限は必ずやってくる。その手始めが10月2日。これを市当局はどうしのぐつもりなのか?市民の不安は膨らむばかりだ。最悪のケースを想定して、安中市の財政がどうなるかを大胆に予測してみた。
悪夢のシミュレーション! 48億円に沈む安中市
■実害を被った場合、川西市の例からすれば、安中市もおそらく公社の準備金(現在約3億円)を取り崩して返済に充てようと考えるのだろうか、9月末の返済分くらいは間にあうだろう。しかし今年度末に期限がくる分はどうするつもりか。公社にはもう金がないので債務保証している市としては顛の痛いところ。市のホンネは市税を上げることだが、議会の議決が必要なため、おいそれとはできまい。
■そこで市は既に「留保財源」を頭に浮かべているかもしれぬ。通常、年度当初子貳計画をたてる際、収入見通し(100)に対して予算規模を少な目(90)に見積もる。景気動向など親収予測に狂いが生じた場合に備えるためで、年度後半には補正予算として実勢に合わす。平成7年度は何%の留保財源を見込んでいるのか判らぬが、標準財政90億円の4%だとすると4億円弱ということになる、市民の知らないうちに留保財源を48億円の尻拭いに使われてはかなわない、
■別の手として、市は年度末の実害を埋め合わせるために、次年度の税収を前借りするかもしれない。これは「繰上げ充用」といって、次年度5月末日までの税収を前年度支出として振向けるもの。しかし、これをやると次年度がそのぶん苦しくなるので、毎年この手は使えない。
■さて、平成7年度と8年度前半くらいまでは、留保財源や繰上げ充用でやりくりしても、半期毎に市にのしかかり続けるであろう実害は、ジワジワと市財政を圧迫する。
■そこで、トラの子の「財政調整基金」に手をつけざるを得なくなる。この基金は、非常時に備えて積み立てておく市の貯金で、群馬県では一番積立額の少ない自治体でも年間予算の10%程度あるのに対し、わが安中市は5%弱しかない(あんなか広報6月号3ページ参照)。ということは約8億円。本来なら、災害復旧対策など緊即時に市民のために使われるべき大切な基金だが、これさえも48億円の尻拭いに充てるとなると安中市も臨終状態。(或いは市側はいきなりこの基金に手をつけるのかもしれない)
■群銀への債務はまだまだ続く。となると、いよいよ安中市の実質収支がマイナス、即ち赤字に陥る。いわゆる赤字団体への転落である。県の地方課によれば過去30年間、県内の自治体で赤字団体になったところはひとつもない。
■実質収支を、経常的に入ってくる一般財源の標準額(標準財政規模)で割った百分率を実質収支比率というが、もし安中市がこの比率でマイナス20%を超えてしまうと財政再建団体に落ちぶれる。財政再建団体になると、自治大臣の許可を得た財政再建計画を策定しない限り起債ができなくなる。さらに、自治省から強力に歳入確保策と歳出削減策を実行することを求められる。民既企業でいうと倒産して管財人の管理を受けるのと同じような状態に陥るわけだ。
■92年度末、赤字団体は全国で10市町村。現在財政再建団体は九州に1自治体ある。
・これらの自治体は、バブル経済の崩壊の影響でやりくりがつかなくなったものだが、一職員の使い込みで赤字団体はおろか財政再建団体になりさがったとなると、おそらく前代未聞、史上空前のことであり、またもや安中市が日本中、いや世界中の笑いものになるわけだ。
■市民税や固定資産税、都市計画税などの税率カ湖限税率ぎりぎりまで上げられ、一方で行政サービス水準はどんどん切下げられる。地方債の起債も制限され、安中市の公共事業は大幅に停滞し、福祉・教育・文化行政分野に大きなしわ寄せがくる。そういう事態になれば、安中の将来はどうなるのか?次代を背負う子供たちに、この巨額な不洋事件のツケをまわしたりすれば、私たちは子供たちに顔向けできなくなる。そのためにも、事件の真相をきっちりと解明し、責任の所在を明らかにし、今のナアナア市政をあらためなければならない。この難局を乗り切れるかどうか。私たち市民一人一人。真剣な自覚と対応が求められている。
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◎会報14号で紹介の市民団体「シンコーボールド」は「シンコーモールド」の誤りです。ここに訂正します◎
◎この会報に対する賛否のご意見は、実名でお限励せください、紙面上の匿名は希望に応じます◎
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【ひらく会情報部・タゴ51億円事件18周年記念調査班】
会報16号の内容は次のとおりです。
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■市政をただす安中市民の会 会報16号(上)
連絡事務所TEL/FAX:81-0364 平成7年10月3日発行
共に公的の場で解決主張! 市と群銀、訴訟に突入か?
巨額詐欺事件に團系する約37億円も含め、公社が群銀から借り入れている約48億円の利息の返済期限が9月30日に到来する。今回群銀から支払を求められているのは、半期分(4月1日~9月末日)利息合計9366万4664円。
■9月23日付の上毛紙によれば、公社事務局は「30日が土曜日のため、実際の支払は10月初旬になるが、利息返済のための借り入れの都合もあり、早急に方向性を出したい」と言っている。
■27日の定例市議会で9月20日午後9時40分から群銀本店で群銀側(土金頭取、吉田副頭取ら)と市側(小川市長、助役、総務部長)でトップ会談が行われたことが市長から報告された。
■報告によると、会談で群銀は(37億円は)多胡ではなく公社に正規に貸したもので今後筋を通して解決したいと述べた。市長は9月22日の群銀からの利息明細案内を見て公社理事会に諮って結論を出すと言った。群銀は「解決はなるべく早くする事がよいと思うので互いに土俵に上がって、公的な立場で解決をはかりたい」とし、市もこれに同意。
■「不正借人分の利息を払わない場合、14%の損害金を請求するのか?」との市の問に対し群銀は「今まで安中市との長いつき合いであることを考えれば想像はしていただけると思う」と禅問答じみた返事。市は「想像」を善意に解釈しているというから、なんとまあオメデタイ。いずれにせよ民事訴訟に突入する可能性がいっそう強まった。10月2日に方針が判明する。
市長不信任案否決! 迷走する市議会と市長の思惑
前回8月の臨時市議会では、百条委設置を決める大事な時に市長不信任案提出の動きがあった。今回は9月27日の一般質問で、登壇した市議10名のうち9名が公社不祥事件を取り上げ、市長の政治責任を厳しく追及し、市長め進退について詰めよる場面が何度も見られた。これを踏まえて9月28日には終日議会工作が行われ、9月29日の本会議開会時刻の9時になっても議員が議場に現れず、水面下の工作がまだ終わっていないことを伺わせた。
■市長不信任案議決の瞬間を見ようと市民やマスコミが傍聴席で待機していたが、半日待ちぼうけを食わされた。午後1時にやっと始まった本会議。共産党から不信任案が出され採決となった。
■結果は賛成4名(長沢尚・原田求・柳沢吉保・澤博)だけ。不信任案は否決された。
■9月27日の一般質問であれほど事件に関する問題収をいくつも指摘し、市長の政治責任を追及した議員らがなぜ市長不信任に賛成できなかったのか。あれは単なるパフォーマンスだったのか、と市民は白けるばかり。
■百条委を市民に傍聴させる件でも、関係市議らは「市民傍聴は問題ない」と市民に言っておきながら、一夜あければ時期尚早とか会派が反対だとか言い訳して、態度を180度ひるがえすという2枚舌ぶりだった。ならばどんなに豹変しても不思議はないのかも、本会議前日に小川市長やそのシンパの幹部議員に丸め込まれたに違いない、と市民に不信の目で見られる安中市議会は再生しうるか?尚、市長が10月初旬にも進退を決するという一部情報もある。【一般質問の詳細は会報「号外」をご覧下さい】
2ケ月かけた「成果」? 9月議会での百条委報告内容
9月29日の市議会の本会議で、百粂委の中間調査報告が発表された。草津町では8月4日に百条委が設置されて以来2ヶ月にわたる調査により、流用金の流れを解明。問題点の把握をキチンと行い、28日に行われた臨時町議会で最終報告をした。ところが安中市の場合、この2ヶ月余り群銀への追及は割合熱心だったが、肝心の行政内部には未だにメスを入れずじまい。調査報告というより経過報告と改善提案に終始。最終報告はどぅなることやら。【本会議と最終報告書の詳しい内容は会報「号外」をご覧ください】
5ヶ月目にしてやっと! 公社事件に関連した人事異動
10月1日付で4人が異動した。公社事務局長の加部都市計画課長と、吉岡土地改良課長を入れ替え。公社事務局次長で多胡の直属上司の高橋都市計画課長補佐はクリーンセンター事務局に横滑り。後任に都市計画課の石井主査。また、上述のように市長の進退と助役の辞任については依然として予断を許さない。
―――――市政をただすスローガン秀作集(8)―――――
チチンプイプイ治るけど チンプンカンプン直らない 上乗せ改ざん うわの空 48億 闇の中
―――――聞かれた 見える政治を 市民の手で!―――――
群銀が被害を認めた?27日読売新聞朝刊記事の内訳
■「群銀、被害弁償受け入れ。多胡被告の資産売却で!」の見出しで読売新聞に掲載された記事。被告と公社と群銀の弁護士が協議をして10月上旬にも基本合意したあと、すぐにオークションをする方針とある。
■群銀の公社裏口座残高2億7千万と多胡名義の預金約1.億円。多胡の保有する記念硬貨400万円。これら合計約3・7億円を取りあえず元本として群銀が回収し被害額の元本を低減しようというもの。公社側としてもちょっぴり被害額が減り、多胡側としても裁判にプラスになると踏んだようだ。新聞をよく読むと、群銀が公社に歩み寄ったということではなく、今すぐ処理できる分だけを何とかしようとした事がわかる。当会が報告集会で既に指摘してきた通り、群銀の裏口座に残っていたカネは、放置しておくほど金利の逆ザヤが増えてしまうので、一刻も早い返金が望まれていたもの。新開には、今すぐオークションを開くとあるが、これは明らかに早とちり、警察の管理下にある証拠品をすぐに売り飛ばせる筈がない。
話題の人達の発言に注目! 宅建協会主催の公開座談会
■9月26日(火)午後2時から4時30分まで安中市商工会館3階大ホールで宅建協会胞催の「安中をおもう」と題する座談会が開かれ、当会から代表者が出席した。出席者の主な発言の要旨は次の通り。
◆小川勝寿市長:公社不祥事件については、長たる私に全ての責任がある、事件の解明は当然の事ながら、事後処理に尽くしてゆきたい。警察でも事件の解明にはたいへん時間がかかるといっている。
◆岡田義弘県議:事件で再建整備団体に転落する心配もあり、県と国の助けを借りこれを避けるよう努力したいが全容解明されておらず対策が請じられない。平成5年2月に公社理事会で私も多胡の人事異動を強硬に申入れてきた。その時に異動が円滑に行われていれば6億とか4億とかの改ざんは防げたはず。
◆早川正雄市議:不祥事件によって二次災害が生じている。金で済む問題は必ずいつかは解決するが、中傷などは人の心に残っていく。私自身厳しい状態におかれているが、あえて無言で頑張っていきたい。事後処理については、公社の不正事件であり、市は連帯保証人ではないので催告の抗弁権を持っており、公社の借金は公社で返すのが原則。このままだと世論に押されて公社自身で返すことは難しくなる。
◆伊藤成市議:赤字団体転落については、議会としてこれからどう解決していくかに精力を傾けている。早急に銀行側と和解すべきだというのに同感。銀行は信用第一だから譲れないところもあるだろう。群銀が市・公社を訴えた時は応訴する事になるが水面下では一刻も早く解決を図ってもらいたい。議会の考え方が市民に知らされないのも問題だ。百条委は逮捕も捜査もできる組織ではないので理解願いたい。
◆高橋由信市議:安中のイメージダウンは大きく事件解明に早急に取り組んでいかねばならない。当局には早期解決のため交渉のテーブルで被害額を決め解決を図ってもらいたい。
◆伊藤清市議:議会のチェック機能が果たせなかったのは残念に思う。金額の大きさに唖然とした。特別委・百条委も早期に設置し、本人が出頭する前に調べる事ができたらと悔やまれる。
◆茂木英子市議:事件を早期に解決して再建してゆかねばどうしようもなくなると心配している。
■以上が市長や議員らの注目発言。このなかには、聞く人が開いたら腰を抜かす発言も含まれている。この他、一般参加者・宅建協会会員からも次のような発言があった。
●一日も早く金銭的な解決を図り、市民にしわ寄せしないようにしなければならない。安中の市議は腰抜けばかり。もっと安中の事を慮って行動してもらいたい。
●一番大事なのは今後の都市計画だが県からこれに大きなブレーキをかけるのではないかと、心配している。
●現職市議の再選を祈っています。
●誹謗中傷の行為は安中のためにならないのでやめたほうがいい。
●財政再建団体の影響で各開発事業への補助金が出なくなるのが心配だ。
●事件の真相解明なくして財政再建計画も市民への理解も求めようがない。
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市政をただす市民の会では出席者に対して次のようにアピールした。
■みんな後始末をするようにと言っているが、そのためには真相解明をすること。再建団体に指定されて一様に市民の負担になったのでは納得できない。市や市議会は事件を防ぐことができる立場にあったわけだからその責任は大きい。市政が歪んでいて、犯人の性格と相まって犯罪が生じたと思う。ただす会の会報のノーテンキという言葉を議会は問題にしているが、安中市議会はマスコミに呆れられている。百条委は8月19日の産経新聞が「脱線・的外れ終始、委員の勉強不足露呈」という見出しで言い当てているように、情けない限りで、市民がこのことを自覚してほしい。
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◎48億円事件とそれを許した市当局や市議会に関するあらゆる情報はTEL/FAX 81-0364へ!◎
■市政をただす安中市民の会 会報16号(下)
連絡事務所TEL/FAX:81-0364 平成7年10月3日発行
各地で続行! 市民集会報告《磯部10区・水口・大竹・池田・後閑8区》
■9月20日(水)磯部10区公会堂で開いた市民報告会に地元住民16名参加。
●今日の新開に9月市議会で債務保証顎を減額することを提案とあるが、債務保証を減らすとどうなるのか?[債務保証を減らすとそれだけ公社事業も減る。もろに事件の影響を受けた形]
●このまま事件がウヤムヤになり市民が黙れば子供達への影響が心配だ![川西市では10年前にも公社で不正事件があり、その真相解明と責任追及をウヤムヤにしたため19億円もの事件が再発]
●市の業務では横の連絡が悪い。既に亡くなった人にタクシー利用券が届く家もあれば、元気なお年寄りに利用券が届かない場合もある。チェックすべきだ。
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■9月22日(金)磯部水口公会堂で市民報告会を開き市民14名参加。
●百条委調査では真相解明に欠かせぬ多くの点がうやむやにされている。ちゃんとただすようにする方法は?[草津町の百条委のように要は議員のやる気次第。安中の場合、追及が甘く空回り]
●8月17・18日の百条委を傍聴しようとしたら断られた。市民の代表の筈の議員が市民に傍聴させないのは信義を裏切る行為だ![9月7・8日の百条委では一旦拡声器放送による間接傍聴を市民に認めると約束。ところが放送設備の予算不足という屁理屈を付けて市民との約束を破った。市民がいると正直な事が言えない為という]
●議員がこういう報告集会になぜ顔を出さないのか不思議だ![広上議長などは「今の議会は全員市民の方に向かって一生懸命やっている」とヌケヌケ。現職議員の中にも今度の選挙を睨んで「我々ベテラン議員でないとこの問題処理はできない。ましてや新人候補に何かできるか」と暴言を吐く者がいる]
●資産税が上がるというが心配だ!
●市の体育館をよく利用していたが、有料になったと言われ年会費千円取られた。今迄無料だったのになぜ?[事件と無関係かもしれぬが安易に市民に転嫁する市当局の姿勢は事件の今後にも関係しそう]
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■9月25日(月)磯部大竹住民センターで市民報告会を開き、市民10名が参加。
●財政再建団体になってしまうのか?[群銀から市に請求される時期と額が不明でなんとも言えないが、絶対ならないという保証は何もない]
●再建団休にならないためにはどうすればよいのか?[水膨れした行政内部の機構改革を実施させゼイ肉を落とさないかぎり、ツケが市民に回される。予算計画や執行商でしっかりと市民が監視してゆく事が不可欠。それにはしっかりした新議員を市民の手で送り出すこと!]
●48億円は巨額。そんなふうにコツコツやっていて追いつくのか?[非常な困難が伴うと思う]
●噂が先行していろいろ耳に入る。群銀の支店長が替わったとか、群銀と市が実損を折半などという話も問いた。それでも市には負担があるわけだ。本来実施されるべき事業が削られては、市民に負担が及んだのと同じ事。そのような事がないように市民が監視をするための方法としては、いくらの税金がどのように使われて行くのか市民に見えるように情報公開が必要だ。[全くその通り。情報開示や市民オンブズマン制度を条例化して行く必要がある。今問題となっている官官接待のような税金の無駄使いもそういう制度で監視できる]
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■9月28日(木)磯部池田公会堂で開いた市民報告会に市民13名が参加。
●事件についてなぜ区長会が動かないのか?区長手当をもらっても遠慮せずに、誰がみても悪い話なのだから、ケジメをつけて市長にきちんと意見を言うべきだ!
●住民も区長に遠慮せずどんどん疑問点をきこう!
●ただす会の活動には費用もかかるだろう。会員となって協力したい!
●今回の事件は市をぐらつかせる大問題。区長会もきっと何とかしなけりゃと思っているのに、事件の座談会を設けることに反対だいう意見もある。そんなことで市を良くできっこない。ただす会には骨折りいただくが、正義が勝つという信念で頑張ってもらいたい。
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■地元からの要望により24日(日)後閑8区公会堂で急速市民報告会を開催、市民16名が参加。
●安中市には夫婦して市役所に勤務しているのは何人居るか調べたか?非常事態が起きたのだから、こういうことも考え直して改革して行くべきだ!
●多胡が横領で貫だ財産は不当利得なのだから、なるべく早く手
を打ってもらいたい![横紙金は公社のカネではないと全然動こうとしない!骨董倉庫は警察が封印しているが、その他の財産は野放し状態]
●公社の理事にはどんな責任があるのか?[個人として連帯保証していないので法的責任はない。ただし道義的責任や管哩監督責任がある]
●市役所で、勤務中に机に足を乗せて新聞を読みふける職員を見かける。余り外来の市民が行かない職場の人だが、こういう勤務態度が48億円事件の温床という気がする!
●昼休みが終わってもまだ碁を打っている光景も見かけた。
―――10月は原市地区で座談会を間いてます★毎晩午後7時半より★ぜひお出かけ下さい!―――
5日(木)郷原東部集会場
10日(火)正善集会場
12日(木)八本木公会堂
19日(木)築瀬集会場
24日(火)3区住民センター
26日(木)2区住民センター
―――次回定例集会 10月8日(日)午後7時半~ 於:安中公民館―――
Xデーはいつ? 安中市が財政再建団体に落ちぶれる日
市長は弁護士のなすがまま。48億円不祥事件で不正借入の実害が確定するのは、いつのことやら。いずれにしても民事裁判で群銀に敗訴すると、安中市はベラボーな損害を出すことになりそうだ。この損害を一般会計で処理しなければならないハメになったら、安中市はどうなるのか? 想定される深刻な事態はどんな影響を市民にもたらすのか?
■48億円ともいわれる実害が安中市に出た場合、その影響は群銀がどのような形で、犯人が不正借り入れした金の返済を安中市に迫るかで、だいぶ変わってくる。巨額な実害がいっぺんに市にふりかかれば当然市の財政は破綻する。他方、犯人が群銀から不正借入れした金の返済期限がくる毎に裁判をして、長い時間をかけて実害が確定した都度支払うとなると、分割返済の形になり、見かけ上、単年度あたりの市財政への影響は小さくなるようにみえる。ところが返済期間は長引くため膨大な金利負担が生じる。「どっちにしても事件のしわ寄せは回避できまい、そのときは市民に負担してもらおう」というのが市当局の思惑だとすれば問題だ!すでに-一部議員や市当局からは再建整備団体とか、財政調整基金取り崩しなどの発言が飛び出している。
■不正借入れ分の元利返済期限は必ずやってくる。その手始めが10月2日。これを市当局はどうしのぐつもりなのか?市民の不安は膨らむばかりだ。最悪のケースを想定して、安中市の財政がどうなるかを大胆に予測してみた。
悪夢のシミュレーション! 48億円に沈む安中市
■実害を被った場合、川西市の例からすれば、安中市もおそらく公社の準備金(現在約3億円)を取り崩して返済に充てようと考えるのだろうか、9月末の返済分くらいは間にあうだろう。しかし今年度末に期限がくる分はどうするつもりか。公社にはもう金がないので債務保証している市としては顛の痛いところ。市のホンネは市税を上げることだが、議会の議決が必要なため、おいそれとはできまい。
■そこで市は既に「留保財源」を頭に浮かべているかもしれぬ。通常、年度当初子貳計画をたてる際、収入見通し(100)に対して予算規模を少な目(90)に見積もる。景気動向など親収予測に狂いが生じた場合に備えるためで、年度後半には補正予算として実勢に合わす。平成7年度は何%の留保財源を見込んでいるのか判らぬが、標準財政90億円の4%だとすると4億円弱ということになる、市民の知らないうちに留保財源を48億円の尻拭いに使われてはかなわない、
■別の手として、市は年度末の実害を埋め合わせるために、次年度の税収を前借りするかもしれない。これは「繰上げ充用」といって、次年度5月末日までの税収を前年度支出として振向けるもの。しかし、これをやると次年度がそのぶん苦しくなるので、毎年この手は使えない。
■さて、平成7年度と8年度前半くらいまでは、留保財源や繰上げ充用でやりくりしても、半期毎に市にのしかかり続けるであろう実害は、ジワジワと市財政を圧迫する。
■そこで、トラの子の「財政調整基金」に手をつけざるを得なくなる。この基金は、非常時に備えて積み立てておく市の貯金で、群馬県では一番積立額の少ない自治体でも年間予算の10%程度あるのに対し、わが安中市は5%弱しかない(あんなか広報6月号3ページ参照)。ということは約8億円。本来なら、災害復旧対策など緊即時に市民のために使われるべき大切な基金だが、これさえも48億円の尻拭いに充てるとなると安中市も臨終状態。(或いは市側はいきなりこの基金に手をつけるのかもしれない)
■群銀への債務はまだまだ続く。となると、いよいよ安中市の実質収支がマイナス、即ち赤字に陥る。いわゆる赤字団体への転落である。県の地方課によれば過去30年間、県内の自治体で赤字団体になったところはひとつもない。
■実質収支を、経常的に入ってくる一般財源の標準額(標準財政規模)で割った百分率を実質収支比率というが、もし安中市がこの比率でマイナス20%を超えてしまうと財政再建団体に落ちぶれる。財政再建団体になると、自治大臣の許可を得た財政再建計画を策定しない限り起債ができなくなる。さらに、自治省から強力に歳入確保策と歳出削減策を実行することを求められる。民既企業でいうと倒産して管財人の管理を受けるのと同じような状態に陥るわけだ。
■92年度末、赤字団体は全国で10市町村。現在財政再建団体は九州に1自治体ある。
・これらの自治体は、バブル経済の崩壊の影響でやりくりがつかなくなったものだが、一職員の使い込みで赤字団体はおろか財政再建団体になりさがったとなると、おそらく前代未聞、史上空前のことであり、またもや安中市が日本中、いや世界中の笑いものになるわけだ。
■市民税や固定資産税、都市計画税などの税率カ湖限税率ぎりぎりまで上げられ、一方で行政サービス水準はどんどん切下げられる。地方債の起債も制限され、安中市の公共事業は大幅に停滞し、福祉・教育・文化行政分野に大きなしわ寄せがくる。そういう事態になれば、安中の将来はどうなるのか?次代を背負う子供たちに、この巨額な不洋事件のツケをまわしたりすれば、私たちは子供たちに顔向けできなくなる。そのためにも、事件の真相をきっちりと解明し、責任の所在を明らかにし、今のナアナア市政をあらためなければならない。この難局を乗り切れるかどうか。私たち市民一人一人。真剣な自覚と対応が求められている。
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◎会報14号で紹介の市民団体「シンコーボールド」は「シンコーモールド」の誤りです。ここに訂正します◎
◎この会報に対する賛否のご意見は、実名でお限励せください、紙面上の匿名は希望に応じます◎
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【ひらく会情報部・タゴ51億円事件18周年記念調査班】
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