市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

世界は今・・・地球温暖化の象徴とされた島国ツバルからのレポート(4)

2009-08-30 23:25:00 | 国内外からのトピックス
■面積が全部合わせても26平方キロしかなく、そこに1万人近い人が住んでいるため、人口密度は平均1平方キロあたり約400人となります。特に、ツバルで唯一の空港のあるフナフチ環礁のファンガファレ島は、近年、人口が急速に増えています。離島から、親せきなどを頼って、引っ越してくる島民が後を絶ちません。

 そのため、彼らはもともと窪地で、湿地帯だった場所に住まざるを得なくなりました。滑走路は、第2次大戦中に米軍が作ったのですが、その土木工事のため、滑走路の北の両脇や、島の北部から大量の土砂を採取したため、あちこちに窪地(ボロービット)ができていたからです。ファンガファレ島の地図を見ると滑走路の東側や北側に池があるのが分かります。


フナフチ環礁のファンガファレ島の中心部の地図。


■こうして、今は、滑走路のすぐ西側まで、びっしりと家が立ち並んでいます。3月の大潮の際に水浸しになった集会所の映像がテレビで世界に報道され、地球温暖化による海面上昇の典型的なケースとして、ツバルは「沈みゆく国」という代名詞で呼ばれるようになりました。


ほぼ住居で埋め尽くされているツバルの現状。右下に池が見える。

 しかし、実際には、滑走路のすぐ脇にある湿地帯では、これまでにも、大潮のときには水が湧き出しており、その原因は、米軍の土木工事だったのです。それをマスコミは地球温暖化現象の象徴として囃したて、日本からもTVクルーや有名人が来て、好んでその場面を取材するようになりました。こうして他国の学者先生も含めて、地球温暖化現象を声高に言い続けられると、ツバルの人も、次第に「そうなのかなあ」と信じ込まされてきます。


米軍が戦時中、滑走路を造るために土砂を採取したあとのボロービットと呼ばれる窪みには水がたまり池になっている。そこにも島民が住んでいるが、付近はゴミ溜めと化している。こうしたところが島の北側には道路わきにたくさん見られる。

 人口増を抱えるツバル政府としても、援助を受けたり、他国に移住する場合にも、先進国が「地球温暖化」や「海面上昇」と騒いでくれることについては、特段の支障はありません。両者の利害が一致して、ツバルはいまや地球温暖化の象徴的な国となり、多くの人にその名前を知られるようになりました。

【この項「その5」に続く】

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