田舎に住んでる映画ヲタク

「映画大好き」の女性です。一人で見ることも多いけれど、たくさんの映画ファンと意見交換できればいいなぁと思っています。

英国王のスピーチ

2011年03月05日 23時50分12秒 | 日記

まずはオスカー獲得、おめでとうございます。やはり、「いい作品だったなぁ」と思っていただけに、うれしかったです。

私自身はイギリス大好きだけれど、こういう国王がいらっしゃったとは知らなかったし、またそこに「王冠を捨てた恋」が絡むとは全然知りませんでした。反省です・・・。

明るく、社交的な兄の陰で、おとなしい弟は・・・と来ると、(男女の差はあれ)「ブーリン家の姉妹」を連想しますが、あの話の舞台もイギリスでしたねぇ。

社交的な兄にガイ・ピアースはピッタリ。うまく配役したものです。そして、彼の心を奪ってゆくアメリカ人の既婚女性、シンプソン夫人が、まぁ~なんとも憎たらしく描かれていましたね。何と言ってもイギリス映画ですから、良くは書けないのでしょうね。同じ話をマドンナが映画化すると聞いているのですが、果たしてどんな感じに描かれるのか、いまから楽しみです。

さて、件の主人公は家族には「バーティ」と呼ばれています。生来の吃音を治すため、ありとあらゆる先生と方法を試しますが、一向によくなりません。いくら次男坊でも皇族。大勢の前で挨拶のひとつもしなくてはならないというのに。

ヘレナ・ボナム・カーター演ずる妻は、優秀だというクチコミを信じて、医学博士でも学者でもない、言語矯正の専門家ライオネル(ジェフリー・ラッシュ)を訪ねます。

そして、皇族だろうと王だろうと、全く対等に接することを条件に、彼は治療をひきうけるのです。その治療の過程が丁寧に描かれます。映画はヒトラー率いるドイツに宣戦布告する、そしてその意義を国民に訴えるスピーチが成功するところで終わります。しかし、このライオネルは死ぬまで王に仕えたのだそうです。

献身的な妻にすぐれた先生、そしてがんばる王。これがアカデミー好みでなくてなんだというのでしょう!超正統派の名作ですね。

しかし、それにしても、バーティが幼い頃に受けた仕打ちにショックを受けてしまいました。左利きを右に矯正されたり、O脚(X脚?)を矯正されたり、というのは、まぁ一般でもあるかとも思いますが、乳母が兄を気に入っていて、弟を虐待した、というのはなんなのでしょう。

そんな幼い子を裏でこっそりつねって、泣いたら罰として食事を抜く・・・そんな虐待に両親が気づくまで3年かかったと。そして、そのせいで今でも胃腸が弱いと・・・。

皇室の乳母ともなれば、立派な家柄から雇われているはず。ましてや、相手は王の子。仕事であるはずの乳母が、自分勝手な理由で虐待など許されるはずはない。もちろん、自分の子でも虐待は許されないが、こんな思い上がりはもってのほか。あんまりだ。

悲しくて涙が出そうだった。どんな理由であれ、子供(一つの命)は祝福されて生まれてくるはず。「生まれつきの吃音はない」と言ったライオネルの言葉が心に沁み入ります。

そして病気で生まれてきた末弟は、隠されたまま13歳で亡くなったとも。皇室も・・・大変なところなのですねぇ・・・、生きるということは、本当に試練です。

そんなこんなで、見ているこちらは感情をつい高ぶらせながら、王に同調してゆくわけです。我知らず、この次男坊の王を応援しながら。

王の幸せだったところは、すばらしい妻がいたこと(3度もプロボーズしてよかったね!)、いい先生に巡り合えたこと、そして素晴らしい娘が二人もいたこと。

見応えのある作品でした。

 

 

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