田舎に住んでる映画ヲタク

「映画大好き」の女性です。一人で見ることも多いけれど、たくさんの映画ファンと意見交換できればいいなぁと思っています。

WAVES ウェイブス(Waves)

2020年08月17日 16時08分16秒 | 日記

Waves Movie Poster – My Hot Posters

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 「イット・カムズ・アット・ナイト」のトレイ・エドワード・シュルツが監督・脚本を手がけた青春ドラマ。ある夜を境に幸せな日常を失った兄妹の姿を通し、青春の挫折、恋愛、親子問題、家族の絆といった普遍的なテーマを描く。フロリダで暮らす高校生タイラーは、成績優秀でレスリング部のスター選手、さらに美しい恋人もいる。厳格な父との間に距離を感じながらも、何不自由のない毎日を送っていた。しかし肩の負傷により大切な試合への出場を禁じられ、そこへ追い打ちをかけるように恋人の妊娠が判明。人生の歯車が狂い始めた彼は自分を見失い、やがて決定的な悲劇が起こる。1年後、心を閉ざした妹エミリーの前に、すべての事情を知りながらも彼女に好意を寄せるルークが現れる。主人公タイラーを「イット・カムズ・アット・ナイト」のケルビン・ハリソン・Jr.、ルークを「マンチェスター・バイ・ザ・シー」のルーカス・ヘッジズがそれぞれ演じる。(映画.comより)

 

 

 

 予告の時点でそうだったけれど、若者受けするPVみたいな演出。にぎやか過ぎる音楽は私のような中年には少々うるさく感じられるほどでした。でも、物語は普遍的なものでした。

 主人公の男の子は、何不自由ない暮らしにスポーツ万能。見栄えのする彼女もいる。もちろん、常識的な謙虚さはあっただろうけれど、それでも「自分に満足している」タイプだったんじゃないかな。父親は息子に期待している分、厳しく当たっています。この父親が微妙だった。どこがどうって、きちんと指摘できるわけではないんだけれど、厳しさが少しずれてる感じだった。息子のことを愛しているのは、わかる。世間に迷惑をかけないようにと厳しく躾けているのも、間違ってない。レスリングでいい結果を残している息子に、これからを期待しているのも、当然。真面目でいい人なのは間違いないんだけれど、息子からすれば「どこか、違う」。難しいね、今は自分も親となっているから、真剣に考えてしまいます。自分も同じような思いをさせているのではないかって。

 さて、実はこの主人公、肩を負傷していてレスリングを続けるのは難しいとドクターに勧告されているのです。でも、大事な試合を控えた今、父親にそんなこと切り出せません。結果、痛み止めを飲みながら臨んだ試合、派手に負けてしまいます。隠していたことが両親にもバレ、自暴自棄になったところで今度は恋人が「妊娠した」と打ち明けてきます。頭パニック。でも、僕たちは未成年(高校生)。深く考えることなく「当然おろすんだろう」と思っています。でも、女性にとってはそんな簡単なことではないですね、彼女は決心がなかなかつかず、とうとう「産みたいの」と切り出します。「えぇ~そんなバカな!」再び頭パニック。この辺になってくると、男の身勝手さが前面に出て来て、女としては腹が立ちましたね。で、あるとき取り返しのつかないことが起きてしまうのです。

 映画の後半は、この主人公の妹の話にシフトします。妹は、父親が息子に肩入れするあまり、ほったらかしにされてきた感じで、この辺は最近見た「ハチドリ」の主人公とダブる感覚でした。SNS全盛な今、事件を起こした少年の家族は非難にさらされていて、妹もいつも一人で過ごしています。そんな妹に声をかけたのが兄と同じレスリング部だった少年(ルーカス・ヘッジス)。色々言う奴らを「ほっとけ」と言ってくれます。そんな彼も、根の深い家族の問題を抱えていたのでした。そんなお話です。

 家族って、本当に難しい。心から愛していても、空回りする。若い頃は無茶もする、それで家を飛び出してしまったら、帰れない。じゃ、真面目に家にいて教育熱心だったらいいかというと、そうでもない。放任しててもいけない。でも、忙しく働かないと、生活にはお金がかかる。もう、永遠のテーマであり、永遠に解けない問題なのでしょうね。

 でも、主人公の少年がやったことは、故意ではないとしても、絶対にいけません。許されるものではないですし、取り返しのつくことではありません。だから、やっぱり人はどんなに理不尽に思えても、どこかで踏みとどまるしかないのです。そのとき理不尽極まりないと感じていても、後に納得できることだってあるのですから。

 個人的には、これだけのお話なんだから、音楽がうるさくなければもっとよかったかも、と思います。高校生なのに、あのうるさいディスコ(?)でのアホ騒ぎはなんなのでしょうね。よくわからないです。

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