田舎に住んでる映画ヲタク

「映画大好き」の女性です。一人で見ることも多いけれど、たくさんの映画ファンと意見交換できればいいなぁと思っています。

家なき子 希望の歌声(Remi sans famille)

2020年12月13日 15時21分36秒 | 日記

Rémi sans famille - Le film - Cinéma

Critique de Rémi sans famille (Film, 2018) - CinéSéries

Rémi sans famille de Antoine Blossier (2017) - UniFrance

 日本でも3度アニメ化されたフランスの名作児童文学「家なき子」を実写映画化。南フランスの農村で暮らす11歳の少年レミは、優しい母と貧しいながらも幸せな毎日を送っていた。そんなある日、長い間パリへ出稼ぎに出ていた義父により、レミは旅芸人の親方ヴィタリスに売り飛ばされてしまう。情の深い親方に歌の才能を見いだされたレミは、犬のカピや猿のジョリクールと親交を深めながら、ひたむきに旅を続けていく。オーディションで選出されたマロム・パキンが主人公レミを演じ、美しい歌声も披露。「隠された記憶」のダニエル・オートゥイユ、「8人の女たち」のリュディビーヌ・サニエ、「ニュー・シネマ・パラダイス」のジャック・ペランが脇を固める。(映画.comより)

 

 

 

 <2020年12月13日鑑賞>

 ふいに田舎に降りて来て公開。予告すら入ってなかったのに。スケジュール、常にチェックしてないと、こういうことがあるんだよな・・・。しかしラッキーだった!往年の映画ファンにはうれしいキャスト。まずは情け深い親方役でデニエル・オートゥイユ。懐かしい!!その昔、惚れた女に裏切られても裏切られても愛し抜く男を演じた「フランスの女」や、ダウン症の男性を主演にした「八日目」、パトリス・ルコント監督作品で後にジョニデの連れ合いとなる美女ヴァネッサ・パラディと共演した「橋の上の娘」など、たくさんたくさん見ました。エマニュエル・ベアールとの共演作もいくつかあったように思います。ハンサムってわけではないのに、独特の存在感があり、人気がありましたね。そんな彼ももう70歳くらい。今回は若い頃よりハンサムになって(笑)、渋い外見とにじみ出る情の深さで魅せます。他にも「そっか、母親役をするようになったのか」と思ってしまったリュディヴィーヌ・サニエや子役だったような気がする奥様ヴィルジニー・ルドワイヤンなども出てました。

 誰もが一度は耳にしたことがあるタイトル「家なき子」。私も子供の頃、家に「若草物語」や「あゝ無情」などと一緒に”子供名作シリーズ”みたいな本の中にありました。また、アニメが放映されていたのも知っています。でも、実は本当の物語は全然把握していなくて、”聞いたことあり過ぎて知っているつもりになっていた作品”の一つだったのです。そういうことを自覚してから見れてよかった。ダニエルの味のある演技とも相まって、しっかり内容を把握できました。

 レミは父親が出稼ぎに行っている数年間、愛情深い母親と二人、貧しいながらも幸せな生活を送っていました。ところが、父親がケガを負い、働けなくなった上に弁護士費用など、お金が必要になったのです。しかし、貯えなんてありません。怒りに任せて父親が「こいつにお金を使っていたのか!自分たちの子じゃないのに」と罵ります。大切なたった一頭の牛まで売って工面したというのに。「パリにいた時に拾った子だ」と。「高級な産着にくるまれていたから、やがて親が迎えに来た時に大金が見込めると思っていたのにもう11歳なら見込みもない」と。

 子供に嘘をついて孤児院に入れようとしていた父親。レミは、レミを牛小屋で見知っていた旅芸人の親方に見込まれ、買われてゆきます。最初は反発していたレミも、親方の優しさに触れるにつけ、だんだん馴染んでゆきます。また、芸団の犬カピが最初からレミになついていて、不安なレミをペロペロ攻撃で慰めたのです。おさるのジョリクールも賢くひょうきんです。

 この映画では、原作にない色付け、すなわちレミは天使の声を持つ、という設定が加えられてあります。レミが草原に向かって歌声を披露する場面は圧巻でした。ただ欲を言えば、もっと聞きたかった。せっかく原作にはないアレンジを加えたのだから、もっと魅せてもよかったと思う。

 また、冒頭に年老いたレミが登場するので、物語を知らなくても、またレミがどんなに苦難に遭っても「レミは必ず生きている」という確信を持って見ることができます。ここは名作を鑑賞に来ている身からすれば大きな安心ポイントだったかも。

 とにかく、そうやってみなしごレミは、数々の苦難を乗り越えながら、最終的に幸せへとたどり着くのです。よかった!たとえ夢物語でも、映画ですから素敵な夢が見たいです。しかし、子役たち。いくら児童向けフランス映画だと言っても、可愛らしすぎる(笑)。レミ役の男の子もとてもかわいかったけれど、レミが途中で出会う裕福な女の子リーズ(足が不自由)の可愛らしかったことったら!!パーティだからか、頭や腕にお花の飾りをつけて、小さいのにアイラインしっかり入った薄化粧で、童話でもこれだけの描写はないかと思うくらい可愛らしい女の子だった。ちょっと非現実的なくらい。わざとかな。この美少女リーズの名を覚えておいてください。最後の最後に、一度だけ名前が呼ばれます。

 名作です。おすすめ。

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