オーストラリア競馬最高の栄誉とされるメルボルンカップで女性騎手として初めての栄冠を手にしたミシェル・ペインの半生を映画化。10人きょうだいの末娘として生まれたミシェル・ペインは、生後間もないころに交通事故で母が他界したが、父や多くの兄たちに囲まれて健やかに成長する。ペイン家は調教師の父をはじめ、兄たちのほとんどが騎手という競馬一家で、ミシェルも思春期にあたる頃には騎手になることを願うようになる。やがて華々しいデビューを飾るミシェルだったが、落馬によって騎手生命を左右するような大ケガを負う。それでもミシェルは、亡き母と家族の思いを胸に、女性騎手では勝てないとされてきた競馬界の「聖杯」に挑む。ミシェル役は「きみがくれた物語」「ハクソー・リッジ」などで活躍するテリーサ・パーマー。父親役に「ピアノ・レッスン」「ジェラシック・パーク」で知られるベテラン俳優サム・ニール。「ほんとうのジャクリーヌ・デュプレ」でアカデミー助演女優賞にノミネートされ、「ハクソー・リッジ」などにも出演した女優レイチェル・グリフィスが長編映画初メガホンをとった。(映画.comより)
最近実話ベースのものが多いですね。この映画もしかり。ちょっと独立系が田舎で上映されてると、見なきゃ損だと思ってつい行ってしまうのですが、この作品は普通によくできた映画でした。レイチェル・グリフィスが監督だったなんて!知らなかった。どうりでオーストラリアが舞台なわけだ。テリーサ・パーマーもオーストラリアの女優さんだったのね。「アイ・アム・ナンバー4」が記憶に残っています。レイチェル・グリフィスは、一杯作品を見たけれど、何と言っても「ミュリエルの結婚」でしょうね!もちろん、上に挙げられている「ほんとうのジャクリーヌ・デュ・プレ」も名作でしたけど。
で、典型的な男社会だった「騎手」の世界に、実力とガッツ、果敢なチャレンジ精神で女性にも門戸を開いていった先陣者を描く物語です。色んな偏見や差別に遭うのは、どんな世界でも、そして今でも、女性なら皆多かれ少なかれ経験があるもの。それにうまく乗ってしまうという選択もアリだとは思うけど、彼女は常にアグレッシブでした。彼女は男女ひっくるめて10人兄弟の末っ子。しかし、いくら土地が広いからって、10人兄弟ってすごいよな。妻に早々に先立たれたサム・ニールは大変だっただろうなぁ。子供たちが言い争いを始めると、イヤホン付けてたもんな(笑)。
この10人の中に、ダウン症の男の子がいます。馬の扱いも上手だし、知能に問題はありませんが、小さい頃から「ダウン症だから」と言ってお風呂当番や食器洗いを免除されたり、わりと兄弟に特別扱いされたおかげで、抵抗なく「大丈夫だよ。僕、ダウン症だから」と言えて得してる場面があったりして、ウケました。この子(兄さんですね)と二人三脚でテリーサは成功してゆくのです。
話は普通と言ってしまえば普通な話です。でもそれだけに、安心して見てられる作品で、サム・ニールの名演と相まって、心があったかくなる映画に仕上がっています。冒険したくないときにどうぞ。
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