田舎に住んでる映画ヲタク

「映画大好き」の女性です。一人で見ることも多いけれど、たくさんの映画ファンと意見交換できればいいなぁと思っています。

マイネーム・イズ・ハーン(My Name Is Khan)

2014年12月17日 08時35分33秒 | 日記

 

 インド映画界のスター俳優シャー・ルク・カーン主演による感動のヒューマンドラマ。アスペルガー症候群を患うイスラム教徒の青年ハーンは、母の死後、弟が暮らすアメリカへと移住する。そこでヒンドゥー教徒のシングルマザー、マンディラと出会ったハーンは、やがて彼女と結婚し幸せな暮らしを手に入れる。ところが、9・11事件によって彼らを取り巻く状況は一変。イスラム教徒であることが原因で愛を失ったハーンは、ある決意を胸にアメリカ横断の旅に出る。(映画.comより)

 

 

 162分の大作。しかし、何が驚いたって、私、シャー・ルク・カーンの若い頃の映画だと思ってました。でもほんの2010年の作品じゃないですか!ルク・カーン、若過ぎです(笑)。

長~い作品中には、自閉症やアスペルガー症候群といった障害者の特徴や社会の様子・そして件の9・11事件、その後のアメリカ社会全体のイスラムに対するいわれのない攻撃の模様など、盛りだくさんの内容が描かれます。

少し盛りだくさん過ぎて、ステレオタイプな描写が入ってしまうのも否めないところですが、この場合はこれ以上仕方がなかったでしょうね。

映画は過去の映像と現在の様子、交互に表出させながら進んでゆきます。でも、きちんとわかるようになっているので、混乱することはありません。

冒頭から、現在のルク・カーンはなぜかバックパックを背負って、大統領に会うべく旅を続けています。空港では怪しまれて身体検査を受けたりもしますが、「自閉症カード」なるものも持ってるし、特段危険なものを持っているわけでもないので、釈放されます。飛行機に乗り損ねたルク・カーンは(補償してくれないのか!係官の間違いなのに!)「次のチケットを買うお金はないからバスで行く」とか「大統領に会うんだ」とかブツブツ言ってます。係官が「大統領に会って何するんだ」と聞くと「”私の名はハーン。テロリストじゃない”と言う」なんて言うので、彼らは失笑します。「そうか、じゃ俺からも”よろしく”と伝えてくれ」と言う係官。ルク・カーンは彼の名と伝言をきちんとメモします。これが、最後に生きて来るんですね。

さて、大統領に会うと言ったって、簡単なことではありません。いつも厳しく守られているし、追いついたと思っても、すぐに移動してしまっていたり、チャリティーには入れなかったり。万が一追いついたとしても、彼が演説する会場はどえらい人だかり。直接話しかけるのは至難の業。

同時に描かれるルク・カーンの過去。インドで生まれ、母に深く愛された彼。でも、生まれつき自閉症だったため、大きな音が苦手だったり、黄色が嫌いだったり。でも、特異な才能を発揮することもあって、時には「天才だ!」と言われることも。

優秀だった弟は後にアメリカで成功し、母亡きあとは弟に引きとられることに。慣れないアメリカ。でも、理解ある義姉の協力もあって(彼女が最初に彼は「アスペルガー症候群」であることを発見した)、弟の仕事を手伝い始めます。

嘘が言えなくて誠実な彼は、人とは違っても魅力的。そのうち美しいインド人女性マンディラと出逢い、恋に落ちます。彼女は男の子を一人連れたシングルマザー。人気のある美容師で、彼女はヒンズー教徒、彼はイスラム教徒と、信仰に違いはあっても、そんなこと大きなことじゃない。明るくて暖かい彼らの結婚生活が始まります。

と、そんな中、例の9.11事件が勃発。国中の人たちが悲しんでいる中、空気を読むことが苦手なルク・カーンは、イスラムのお経を唱えたりして目立ってしまいます。

そして、結婚と同時に姓を「ハーン」に変えた母子にも、取り返しのつかない悲しい出来事が起こってしまいます。取り乱した彼女は「あなたと結婚さえしなければ。性をハーンになんか変えなければ、息子はこうはならなかった。イスラムだなんて思われなかった。」でも、ルク・カーンにはそれが理解できません。世の中には「いい人と悪い人」の2種類がいるだけで、イスラムもヒンズーも関係ない、と母に教えられたことを信じて生きて来ただけ。

「違うって言うのなら、そう言いなさいよ。大統領にでも会って、”私の名はハーン。テロリストじゃない”って言えばいいじゃないの!」とかなんとか叫んでしまうマンディラ。

「そうか、大統領に会ってそう言えばいいのか」と理解したルク・カーンは、大統領に会うべく旅を始めます。これが物事の発端だったのです。

でも、アメリカは広い。旅しながら、いろんな人たちと出逢い、交流してゆきます。小さな村で、自転車で転んだ子供をおぶって届け、太った「ママジェニー」と仲良くなったこと。そして、その村のみんなにとても励ましてもらったこと。”修理の天才”という特技を生かしながら、彼の旅は続きます。

ラスト近くはバタバタっと話を収束してしまったような感も否めませんが、とにかく一生懸命なハーンに人々が気付き始めるのです。それは、「テロリストじゃない」などと叫んでしまったために、いったんは厳しく拘束されるという過程を経るから、というのもあるのですが。

イスラムの人たちに関しては、実際にはもっと悲惨な事件も起きたであろうことは想像に難くない。もちろん、「どっちが先か」と言うことにもなるのでしょうが、関係ない人には関係ない。世の中、争い事が多すぎる。世の母親たち(もちろん父親も)は、みんな息子たちのことを深く愛しているのに、どうしてこんなことが起きてしまうのか。

イスラムのモスクで、ルク・カーンが祈りを捧げていたとき。そこで過激派(?)の男達が「イブラヒムは息子のイスマエルを捧げものとして、迷わず神に供えた」と言って気勢を上げるのですが、「それは違うと思う」とブツブツ言い始めるところがあります。詳しいことは忘れましたが、覚えてることだけ書くと「神が子孫を殺せなんて言うわけがない」と。真理だと思いますね。

ともかく、内容はとても盛りだくさんで、少々混乱しないでもないですが、それだけ監督が言いたかったことがたくさんあった、ってことなのでしょうね。

お勧めだと思います。

 

 

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