田舎に住んでる映画ヲタク

「映画大好き」の女性です。一人で見ることも多いけれど、たくさんの映画ファンと意見交換できればいいなぁと思っています。

ボンベイ(BOMBAY)

2024年05月03日 15時42分11秒 | 日記

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Bombay (1995) movie posters

Bombay (1995) - IMDb 

 16世紀に建てられたイスラムモスクを数十万人のヒンドゥー教至上主義の暴徒が破壊した宗教暴動アヨディヤ事件を背景に、ムスリム(イスラム教徒)の娘とヒンドゥー教徒の青年の恋を描く社会派の問題作。監督・脚本はインド映画界きってのスター監督と呼ばれるマニラトナムで、本作が監督第13作目となる。製作はS・シュリーラーム。撮影はラージーヴ・メーナン。音楽は「ムトゥ 踊るマハラジャ」のA・R・ラフマーン。本作からは3曲がインド国内チャートのナンバーワンに輝いており、インストゥルメンタルのテーマ曲はイギリスのコンピレーション・アルバムに収録された。作詞はシュリー・ヴァイラムットゥ。音楽録音はジョージ・ハリスンのアルバムも手掛けるH・シュリーダルと、S・シヴァクマール。録音はV・シュリーニヴァース・ムールティとラクシュミ・ナーラーヤナン。美術はトーッター・タラニ。編集はスレーシュ・アルス。衣裳はマーリニ・シュリーラーム。振付はラージュ・スンダラム。出演は「インディラ」のアラヴィンドスワーミ、『1942-A Love Story』(日本未公開)のマニーシャー・コイララほか。(映画.comより)

 

 

<2024年3月2日 DVD鑑賞> 

 人々が幸せになるために存在するはずの宗教。なのに争いの元にばかりなる現実って、何?どこの教主が「隣人を殺めなさい」と言ってるというのでしょうか。誰も言ってないはずです。どうしてそこに気付かないのですか。

 この映画の主人公は、同じインドに住みながら(しかもご近所さん)イスラム教徒とヒンズー教徒のおうちに生まれた、と言うだけの男女。普通の恋愛を経て結婚を望みますが、双方の両親が許しません。お互い、ご近所ですから、例えば女性の方(イスラム教徒)のおうちは瓦屋なのですが、お父さんは頼んだ仕事はきちんとこなす人だと男性側(ヒンズー教徒)の父親もわかっているのです。また、瓦屋さんも、男性側の父親は地元の名士で、立派な人だとわかっているのです。何もなければお互いに一目置いててそれで済んだことです。それがいざ結婚となると、目くじら立てて争うようになるのです。なんででしょうね。信心が大事なのはわかりますが、急にお互いを罵らなければならないほどのことなのでしょうか。誰がなにか悪いことをしたわけでもないのに。

 しかし、生活というか人生の根本の価値観が宗教なんでしょうね、かの国では。それで、主人公たちは駆け落ちします。そして都会のボンベイに新居を構え、双子の息子も生まれ、夫の仕事も順調でなんの瑕疵もなく生活しています。ただ、実家に帰れないだけです。

 そんな中、ボンベイに昔からあるイスラムのモスクが、ヒンズー至上主義者によって火をつけられる事件が発生。これは上にもある通り、アヨディヤ事件(1992年)と言って実際にあった事件を元にしています。モスクが燃えてしまって、もちろん報復合戦が始まります。あちこちで暴動が繰り返され、道行く人に「おまえの名は」と問い、名が敵対するほうの民族の名だと即殺害、みたいな場面が続きます。実は主人公の二人は、双子の男の子に、一人ずつイスラムの名とヒンズーの名をつけてありました。暴動の中、手をつないで逃げ回る男の子二人は、一つずつ双方の名だったために詰問する側もひるむ、そんな場面もあります。主人公たちの両親が、6年だったか7年だったかの時を経て、やっと孫の顔を見に来れて、愛する子供たちと孫たちのため、和解したそのすぐ後の出来事でした。各家庭にはもちろんガスボンベもあります。暴動の火は爆発も誘発し、たくさんの人々が亡くなります。主人公の両親たちも犠牲になってしまいました。

 都会だったはずのボンベイがボロボロに。人々は疲弊しはじめます。争いを何とか止めたい夫は、双方の暴徒たちに問いかけます。「そちらの経典には、隣人を殺せと書いてあるのか?」「みなで争えと?」

 そのうち、繰り返されるあまりに血なまぐさい犠牲の連続に「もうたくさんだ」「うんざりだ」と言う声が上がり始めます。そうです。だれもこんな惨劇を望んでいるはずはありません。平穏に暮らせればそれでいいはずです。こんなことしたら、町の再建にも多大な資金が必要になってしまいます。誰が払うと言うのですか。やがて争いはフェイドアウトしてゆきます。

 現在のインドは、2014年にヒンズー至上主義のモディ首相が就任してから、イスラム教徒は住みにくくなっているようですね。「イヤならパキスタンへ行け」という考えなんだそうです。まぁ確かにそのために国を分けたのかもしれませんが、でも今住んでるのにそんなこと言われてもね。新たに土地なんて取得するにはお金もかかるし。日本は無宗教の人が多いから、こんな争いってあんまり見たことないけど、信心で不幸になるって、絶対間違ってると思います。

 

 

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