田舎に住んでる映画ヲタク

「映画大好き」の女性です。一人で見ることも多いけれど、たくさんの映画ファンと意見交換できればいいなぁと思っています。

魂のゆくえ(First Reformed)

2024年05月14日 16時49分53秒 | 日記

First Reformed (2018) - Posters — The Movie Database (TMDB)

'First Reformed' starring Ethan Hawke secures international ...

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 「タクシードライバー」「レイジング・ブル」といった名作映画の脚本家として知られ、監督としても「アメリカン・ジゴロ」などを手がけてきた名匠ポール・シュレイダーが、「6才のボクが、大人になるまで。」のイーサン・ホークを主演に迎えて描いた人間ドラマ。戦争で息子を失い、罪悪感を背負って生きる牧師が、教会の抱える問題を知ったことから信仰心が揺らいでいく姿を描いた。ニューヨーク州北部の小さな教会「ファースト・リフォームド」の牧師トラーは、ミサにやってきた女性メアリーから、環境活動家である夫のマイケルの悩みを聞いてほしいと頼まれ、彼女の家を訪れる。そこでマイケルが地球の未来を憂うあまり、メアリーのお腹の中にいる子を産むことに反対しているという話を聞かされる。また、トラーは自身が所属する教会が環境汚染の原因を作っている企業から巨額の支援を受けていることを知り……。メアリー役に「マンマ・ミーア!」「レ・ミゼラブル」のアマンダ・セイフライド。(映画.comより)

 

 

<2024年4月12日 録画鑑賞>

 すごい映画でしたね。2018年の映画。教会の牧師(イーサン・ホーク)が、その信任の厚さから、地元民の悩みを背負い込んでしまう様子が描かれます。それにしても、教会の名前”ファースト・リフォームド”って、変な名前。

 イーサンは真面目で物静か。温厚な彼は地元民や上司の信頼も厚く、日々敬虔に過ごしています。そんな時、近所の主婦アマンダ・セルフライドから相談を持ち掛けられます。彼女は今妊娠中なのですが、環境破壊など地球の未来、自分たちの将来を悲観している夫から、産むことに反対されているというのです。彼は夫に会うことにします。

 夫も話してみると、大人しくていい人なんです。でも、やっぱり未来を悲観しているようで「子供のないあなたにはわからない」と言われ、仕方なくイーサンは、イラク戦争で息子を失ったこと、息子は正義感に燃えて志願したこと、妻とも別れてしまったことなどを伝えます。「育てた息子を失う喪失感は、また違う」と。ややショックを受ける夫。

 

 

<ここからネタバレ>

 その場は収めて帰ったイーサンですが、アマンダからは再三連絡が入ります。そのたびに真摯に対応するイーサン。しかし、この辺はどうなんだろうと思いました。いくら信任厚い牧師でも、夜中に対応するとか、すぐに来て欲しいと言われて行くと自爆装置があった、とか、見ていてちょっと「そこまでする必要は・・・」と思うこともありました。そして、田舎だからあり得るのかもしれませんが、警察に連絡せずに牧師がその自爆装置を預かっておくのです。これは危険だし、絶対プロに任せるべき案件ですよね?しかも、牧師は体がかなり悪いと言う設定。尿が朱色だったりするのです。上司もわかっていて「ちゃんと病院へ行け」と言うのですが、いや行くのですが、どうしても男の一人暮らし、それ以上のことはせずに悪化の一途をたどっています。酒も結構飲んでるし。

 そしてついに夫は牧師を呼び出しておいて自殺。知らずにそこに行ったイーサンは、拳銃自殺した遺体を発見することになってしまいます。こういう仕打ちってどう、と思いました。その後、アマンダはイーサン宛の夫の遺書を発見。それに沿ったお葬式を少人数で執り行いました。

 で、アマンダの要請に真摯に応じているうちに、自分も危険思想に染められてゆく(本当に環境は破壊されているのだろうけれど)、そして教会が悪徳企業から多額の献金を受け取っていること(そしてその企業の”クリーンイメージ”に教会が一役買っていること)を知るにつけ、イーサンの決心は決定的なものとなり、教会の周年を祝う行事のさなかに自爆ベルトを身に着け、決行しようとするのです。

 しかし、いざやろうと思った時に、あれだけ「来るな」と諭したはずのアマンダがやって来るのが見えたのです。彼女を犠牲にしたくない。慌てて自爆ベルトを脱ぐイーサン。

 多分現実はそこまでです。その後、閉めてあったはずの部屋にアマンダが現れたり、その後二人で口づけをしたりするので、その辺はイーサンの幻視なんでしょうね。多分、長くないのでしょう。

<ネタバレ終わり>

 

 しかし、月並みな意見で恥ずかしいのですが、夫が死んで一人になった女性のところに、いくら牧師でもそんなに再三訪ねていたら、みんなが噂しないのかな、と思いました。夜中なこともあったし。逆に女性が教会(というか彼の部屋)を訪ねることもあったし(体を重ねて一緒に空を飛ぶ白昼夢を見たりする。危なすぎる・笑)。今回は人々に噂されるシーンはなかったけれど、やっぱりわきまえは必要かと。それにしても、牧師さんって、子供たちの社会見学や外国人観光者にも対応してるし、ありとあらゆることをしているんだなぁ、職業マルチだな、と思いました。

 

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