田舎に住んでる映画ヲタク

「映画大好き」の女性です。一人で見ることも多いけれど、たくさんの映画ファンと意見交換できればいいなぁと思っています。

PLAN 75

2022年10月05日 14時36分09秒 | 日記

PLAN75 の映画情報 - Yahoo!映画

映画『PLAN 75』オフィシャルサイト 2022年6/17公開

楢山節考』パルム・ドール受賞から40年、『PLAN 75』は現代版「姥捨て山」!? | ORICON NEWS

 これが長編デビュー作となる早川千絵監督が、是枝裕和監督が総合監修を務めたオムニバス映画「十年 Ten Years Japan」の一編として発表した短編「PLAN75」を自ら長編化。75歳以上が自ら生死を選択できる制度が施行された近未来の日本を舞台に、その制度に翻弄される人々の行く末を描く。少子高齢化が一層進んだ近い将来の日本。満75歳から生死の選択権を与える制度「プラン75」が国会で可決・施行され、当初は様々な議論を呼んだものの、超高齢化社会の問題解決策として世間に受け入れられた。夫と死別し、ひとり静かに暮らす78歳の角谷ミチは、ホテルの客室清掃員として働いていたが、ある日突然、高齢を理由に解雇されてしまう。住む場所も失いそうになった彼女は、「プラン75」の申請を検討し始める。一方、市役所の「プラン75」申請窓口で働くヒロムや、死を選んだお年寄りにその日が来るまでサポートするコールセンタースタッフの瑶子らは、「プラン75」という制度の在り方に疑問を抱くようになる。年齢による命の線引きというセンセーショナルな題材を細やかな演出とともに描き、初長編監督作にして第75回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に出品。初長編作品に与えられるカメラドールのスペシャルメンション(次点)に選ばれた。ミチ役で倍賞千恵子が主演。磯村勇斗、たかお鷹、河合優実らが共演する。(映画.comより)

 

 

<2022年10月2日 劇場鑑賞>

 「PLAN75」。話題になった割にはあんまり公開されてなくて、当時は和歌山県北部でも1館で回数も限られた上映でした。すぐに終わったし。後でwowowででも見ようと思っていたら、違う映画館の「名画座」作品として登場しました。

 冒頭からいきなりエグい場面。ちょうどお昼だったので、何かを口に入れようとしていた私は、思わず手を止めたのでした。内容は深刻とはいえお年寄りが出て来る映画だから、と暢気に構えていた私は、いきなり頭をドツかれたような衝撃を覚えました。思わず「こんな場面があるのなら、先に言って」と思ってしまいました。

 そして、場面は変わって主演の倍賞千恵子さん。いろいろあって、今は一人暮らし。同じような年代の友人たち(全員女性)と同じ職場で働きながら(シルバーの派遣かな)、よくつるんで遊んでいます。それはそれで、派手さはないにしても楽しそうです。しかし、ある日、仲間の一人が仕事中に倒れたことから、4人同時に退職となります。表向きは「お年寄りを働かせたらかわいそう」という投書があった、ということになっていますが、真相はわかりません。ともかく、職と収入を失うわけです。賠償さん、78歳という設定。新たな職なんて、そうそう見つかりません。彼女、年金はなかったのかな。年金の話が一度も出て来なかったので、そう思いました。払ってなかったのかな。でも、払ってなくてももらってる人、いるけど。そこ、説明ないのでわからなかったのですが、手続きしなかったのかもしれませんね。あるいは、未来の話だから、今と年金事情が違うのか。ともかく、彼女は生活保護(そんな制度なくなってるのかもしれんけど)をもらって生き延びるよりは、PLAN75で静かに死んでゆくことを選ぶのです。

 このプランを選ぶと、死ぬまでに好きなことができるようにと10万円の支給があります。使い道は問われません。そして、死後のお葬式など”後処理”はすべて無料です。もちろん、眠るように自然に死ねます。痛いことなどはありません。しかも、死ぬまでの間、電話で定期的に15分のカウンセリング(多分精神科医?倍賞さんは「先生」と呼んでいました。立場上そう呼んだだけかもしれませんが)が受けられます。調子よくお話していても、15分で音楽が鳴るので切らなければなりません。原則的に、カウンセラーと会うことは許されません。なお、カウンセラーを含め役所の担当者は、PLAN75に関して懇切丁寧に指導してくれます。どんな疑問にも、とても丁寧に答えてくれます。

 さて、倍賞さんの話と並行して、ある年輩の男性も描かれます。兄弟にも不義理をし、許してくれることもなかろうと、天涯孤独で生きて来た男。彼はPLAN75の申し込み所で、担当の役人が甥(兄の子)であることを知るのです。これは、まったくの偶然だったのですが、兄がすでに亡き今、葬式にも行かなかった自分がここで甥に会うとは・・・。甥は、担当を外してもらいながらも淡々と仕事をこなし、叔父にも事情があったんだろうということを次第に理解し、いろいろと考え込むようになっていきます。

 もちろん、選択した以上、倍賞さんもおじさんも、その日は皆「死に場」に向かうわけですが・・・。

 それまでのドラマチックな展開に比して、ラストはわりとあっさりしていたように思いますが、それでも、深く考えてしまいました。しかし、映画ではみんな意識がはっきりしているからいいけど、75歳より前に寝たきりとか、認知とかになった場合は、どう選択するんでしょうね。今ふと思ったんですけど。

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