ディズニーアニメ版でも広く知られるファンタジードラマの名作「美女と野獣」を、1740年に初めて書かれたビルヌーヴ夫人版の物語をもとにフランスで実写映画化。監督は「サイレントヒル」「ジェヴォーダンの獣」のクリストフ・ガンズ。野獣役に「ブラック・スワン」のバンサン・カッセル、ヒロインのベル役は「アデル、ブルーは熱い色」でカンヌ映画祭パルムドールを受賞したレア・セドゥー。バラを盗んだ父の罪を背負い、野獣の城に閉じ込められた美しい娘ベル。しかし、城の主の野獣は毎夜ディナーを共にすること以外、何も強要してこない。やがてベルは野獣の恐ろしい姿の下にある、もうひとつの姿に気付きはじめ、野獣が犯した罪や城で過去に起こった出来事の真実が解き明かされていく。(映画.comより)
「美女と野獣」は、ディズニーのアニメーションしか知らなくて、実は「ビーストーリー」も見ていません。ディズニーは、もちろんファンタジーでやや子供向けでしたが、それでも結構好きでした。
で、今回のフランス映画。実は原作はフランス文学だったと初めて知りました。1740年ってすごいですね。魅力ある物語は色褪せないんですね。
王子様はいつまでも野性味溢れるヴァンサン・カッセル。眼光鋭い表情に、なんとなく「野獣」の言葉がピッタリです。この映画はCG満載なのですが、彼の野獣顔はそのままでいけたかも(笑)。
そして真実の愛に目覚める美しい少女はレア・セドゥ。彼女は決して美人顔ではないと思うのですが、一度見ると印象に残る顔ですよね。「ミッション・イッポシブル5」(4だったかな?)や「ミッドナイト・イン・パリ」などが印象に残ってます。個人的にはミア・ワコウシカとよく混同します。
冒頭、裕福な商人だったレアの家族が落ちぶれて行く様子が描かれます。市井の人々がその様を見に来ていて、罵ったり、物を投げたりしています。貧乏な庶民の私は、「へぇ~、これだけ庶民の反感を買ってたってことは、いやみな金持ちだったんだね」と思いました。そういう時代だっただけかもしれませんが。
ともかく、贅沢癖がついた一家がその後持ち直すことはなく、再起を試みた父親の代わりに、レア演じるベルが(お金持ちの)野獣の屋敷に出向くことになります。
お父さんが来ると思っていた野獣は驚いたでしょうね。若い美人で「ラッキー!」と思ったかも。ともかく、見かけとは裏腹にベルには優しかった野獣に、ベルの警戒心も徐々に溶けて行きます。
しかし、王子様が野獣となってしまった顛末は悲しかったですね。力のある男性って、どうしてあんなに不必要な征服欲があるのでしょうね。なかなか射止められないとなるとますます燃える。そんなこと、生活や統治力になんの関係もないのに。結果、一番大切なものを失う羽目に。だから彼女は懇願したのに(ネタバレになるので詳しく書けないのが残念ですが)。
対して現代(?)の女性ベルの積極性。野獣も最初は戸惑ったでしょうね(笑)。
ともかく、悲しい悲しい過去を経て、皆が良く知るとおり、最後はハッピーエンド。映像はCGフル活用で少しおどろおどろしいところもありますし、悪者も出て来ますが、見応えのある作品に仕上がっていたと思います。レアのとっかえひっかえドレスは、観客へのサービスでしょうか。華やかでした。あんなものを引きずって、庭の階段まで掃除しちゃうのはどうかとも思いましたが(笑)。
あと、少し前にマイミクさんも書いてたのですが、グレムリンみたいなかわいい同居人が作ってくれた女の子の人形。「私なのね」って喜んでたけど、日本人にはどう見ても”藁人形”にしか見えないと思いました。あれは少し驚きましたね。今になにか刺さるのかと(笑)。
そんなこんなで、個人的には楽しめました。
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