写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

感性って何

2021年02月01日 | 生活・ニュース

 散歩しているとき、名も知らぬ野の花が咲いているところを通りかかる。その時、①花が咲いていることに気がつかない人、②花が咲いていることに気がつく人、③花を見つけて、何という名前の花だろうと思う人、④家に帰ってこの花の名前を調べてみる人と、人それぞれである。

 ①は感性のない人。②はごく普通の人。③は感性がある人。④は感性の鋭い人だという。「感性」を表現する面白い例えであるが、「感性」とは一体何だろうと思って調べてみた。

 辞書を引くと、「感性」とは、「人間の持つ知覚的な能力のひとつ」と書いてある。「何かを見たり聞いたりした時に深く心に感じ取ることや、感覚的に物事に対して感じていること」ともある。

 「感性」とよく似た言葉に「感受性」というものがあるが、この違いは何か。共に外から受けた刺激を、知覚や感情に結びつけるという点ではどちらも同じである。「感性」は感情を理性に変える力のことで、「感受性」は情緒的感情を起こす力でのこと。例えると、沈む夕日を見て感じたことを詩や音楽として表現する力は「感性」で、涙ぐむのは「感受性」だという。

 感性豊かな人の特徴は、周りの人よりも多くのことを感じ取ることが出来る。想像力・創造力に溢れている。目に映らないものを感じ取れる。自分が感じた素直な気持ちを持って行動できる。集中力に長けている。目に見えることだけでなく、音や香り、感触など五感でイメージを膨らますことが出来る。

 では、どうすれば感性を磨くことが出来るのか? 旅に出るなど新鮮な環境に足を運んみる。新しい様々なことに興味を持つ。創作を始めて創造力を膨らませる。本物や一流と呼ばれるものに触れて刺激を受ける。感性が豊かな人と話をして、自分だけでは気付けなかった考え方などを学ぶ。心に余裕を持つこと。

 以上を踏まえて、私の感性を磨く努力レベルを評価してみるが、中々ハードルは高い。唯一評価されてよさそうなことと言えば、心に留まる出来事や事象を見た後、そのことをこうして文章にしていることくらいか。つまり感性とは一言でいうと、年を重ねても好奇心旺盛に、常に頭を回転させながら生きる力ということと理解した。