写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

スマホ ヘルパー

2018年02月27日 | パソコン

 中学・高校と会社での先輩Yさんが、近くに住んでいる。先日、久しぶりに電話がかかってきた。「知人に勧められてガラケーを止めてスマホを買った。家の中でWiFiを飛ばすためにルーターも買わされたのだが、どうすればいいのか分からないので教えてほしい」という。

 Yさんはパソコンは持っていて、メールやネットで普通のことはできる知識はあるが、パソコンの周辺機器の接続などはやったことがない。そういう知識に関しては私と大した違いはない。「私も家でWiFiを飛ばして使っているが、ルーターのセッティングは息子がやってくれたのでお手伝いができるかどうか分からないが、お宅に行って挑戦してみましょうか」と答えておいた。

 約束をした日の午後1時、訪問した。早速、Yさんと2人でルーターのセッティングに取り掛かる。取扱説明書を逐一読みながら手順を踏んでいくが、親機のメーカーが取扱説明書のものと異なるため、何度やっても書いてある通りに次のステップに進めない。

 困り果てていた時、Yさんが「こんなやり方があると書いてある」と言いながら、梱包してあった箱の中から「QRコード」が印刷してある厚紙を取り出した。スマホでこのQRコードを読み取ると、簡単にセッティングができると書いてある。まずはQRコードを読み取るためのアプリをインストールして読み取らせると、ルーターに書いてある訳の分からない2種類の文字と数字の列をスマホで写真に撮れとの指示が出た。

 何度撮っても、少しでも写真がぼけていると正確に読み取ってはくれない。スマホをしっかりと固定して撮ると、やっと認証してくれ、セッティングが「完了」と出た。直後、スマホの画面に、WiFiと繋がったときの扇型のマークが表示された。

 思わず笑いながらYさんと固い握手をした。知識のない者同士で、2時間かけて何とかルーターのセッティングを果たすことができたが、終わってみると何ていうこともない、大した技術はいらないものであることが分かった。

 これで私が遊びで持ち歩いている名刺に「スマホヘルパー」という肩書がまた一つ増えることになりそうである。