写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

観天望気(紹介)

2016年08月23日 | 季節・自然・植物

 台風9号は関東・北海道で局所的な大雨を降らせて大きな被害を出した。最新技術をもってしても局所的な大雨は、ピンポイントで予測することは困難のようであるが、その日雨が降るかどうかくらいは、近年割と正確に知ることが出来るようになっている。

 その昔、子どものころは、前日の夕方や当日の朝の空模様や、ツバメやハエが飛ぶ様子を見て、各人が天気の予報を下してその日の行動を決めていた。このように自然現象や生物の行動の様子などから天気の変化を予測することを「観天望気(かんてんぼうき)」というが、今では自らが観察して得た情報で行動することは非常に少なくなっている。

 こと天気に関してだけは必要な情報を、テレビやラジオのニュースで聞き、毎日を難なく生きている。自らが観天望気して、その日の天気を予測したのは遥か昔のこと。遠足の前夜、「明日は晴れるだろうか」と思いながら休んだ子どものころが懐かしい。

 この観天望気、天気予報の的中率は高くはないようだが、海上においては今でも重要視されているという。世界で通用する観天望気には以下のようなものがあるが、みなさんはどんなことで観天望気していますか。 

 ・「夕焼けの翌日は晴れ」 ;天気は西から東へ移動するため
 ・「太陽や月に輪がかかると雨か曇り」 ;温暖前線の接近に伴う巻層雲のため
 ・「ハチが低く飛ぶと雷雨」 ;湿度が高いと、昆虫が低く飛ぶため
 ・「ツバメが低く飛ぶと雨」 ;湿度が高いと、えさとなる昆虫が低く飛ぶため
 ・「ネコが顔を洗うと雨」 ;湿度が高いとき、顔や髭に水滴がつきやすくなり猫が拭うため
 ・「クモが糸を張ると明日は天気が良い」
 ・「うろこ雲は天気変化の兆候」
 ・「山に笠雲がかかると雨や風」 ;低気圧や前線に伴う風により、湿度の高い空気が山の斜面を上って水蒸気が凝縮するため
 ・「上り雲(北に向かう雲)は雨、下り雲(南に向かう雲)は晴れ」 ;低気圧の前面は南寄り、後面は北寄りの風となるため
 ・「飛行機雲がすぐに消えると晴れ」 ;上空の湿度が低いため
 ・「飛行機雲が広がると悪天の前兆」
 ・「朝虹は雨、夕虹は晴れ」朝虹は東からの太陽によって西に見える。虹が見える=湿度が高い。やがて西から東へ来るので雨。
 ・「朝焼けは雨」
 ・「(鐘の)音が遠くまで響けば雨・嵐」 ;前線などで上空に暖かい空気が入り逆転層ができると、音波の伝播方向に影響を与えるため