オールド・パンカー、チャールズ・ブコウスキーの自伝的小説「勝手に生きろ!」を「キッチン・ストーリー」のノルウェーのベント・ハーメルが監督・脚本化した作品。
売れない詩や小説を送り続けながら、その場しのぎの仕事を渡り歩く男、ヘンリー・チナスキーの暮らしぶりを見ていると、気分はまるでロードムービー。
そしてバーで出会ったジャンという女(リリ・テイラー)と暮らし始めても、酒とセックスばかりのグダグダしたその日暮らしの毎日。
だけど、そのまま酒におぼれてジャンキーとなるわけでもなく、ましてやアルコールからさらなるハードドラッグに進むわけでもなく、そうした閉塞感のある毎日の暮らし中でも自分を信じ、心の中に沸き上がる言葉を持つことによって、どこか一本筋が通っている生きかたを営み、ブコウスキー本人の現実はどうだったか知らないけれど、さほど破滅的に思えないところがサクセス大好きのアメリカらしいというか、逆に少し物足りなくもあった。
とは言え、「クラッシュ」に続いて圧倒的に存在感を増すマット・ディロンのなり切った演技はやはり特筆もの。
特にありきたりの酒と煙草とセックスいった自堕落シチュエーションより、ケジラミを移され薬を付けて悶絶する姿での可笑しさやジャンがヒールを履いて足が痛くなったとき、自分の靴を貸して裸足で歩く優しさなど、無骨な中にあるどこか憎めないチナスキーのユーモラスな人間性をうまく演じていた。
そして Kirstin Asbjornsen のヴォーカルをフューチャーした雰囲気たっぷりの音楽、さらには「 FACTOTUM = 雑役人」という味も素っ気もない原題をうまく改題した邦題にも久々に納得。
ともあれ、いささか綺麗にまとめ過ぎた感はあるにせよ、見応え充分の快作であります。
今日の1曲 “ Downtown Train ” : Tom Waits
こんなテイストの映画に一番似合っている音楽といえば、ベタながらやはりトム・ウエイツしかいないでしょう。
ということでそんな彼の曲の中から昨日に引き続きこれまたロッド・ステュアートのカヴァーで大ヒットしたこの曲を。
(それにしてもロッドはカヴァーの王者ですね)
個人的には Everything But The Girl のカヴァーもオススメだったりします。
“酔いどれ詩人”時代だったアサイラムから移籍した'85年リリースのアルバム『 Rain Dogs 』に収録。
PV動画はこちらから
売れない詩や小説を送り続けながら、その場しのぎの仕事を渡り歩く男、ヘンリー・チナスキーの暮らしぶりを見ていると、気分はまるでロードムービー。
そしてバーで出会ったジャンという女(リリ・テイラー)と暮らし始めても、酒とセックスばかりのグダグダしたその日暮らしの毎日。
だけど、そのまま酒におぼれてジャンキーとなるわけでもなく、ましてやアルコールからさらなるハードドラッグに進むわけでもなく、そうした閉塞感のある毎日の暮らし中でも自分を信じ、心の中に沸き上がる言葉を持つことによって、どこか一本筋が通っている生きかたを営み、ブコウスキー本人の現実はどうだったか知らないけれど、さほど破滅的に思えないところがサクセス大好きのアメリカらしいというか、逆に少し物足りなくもあった。
とは言え、「クラッシュ」に続いて圧倒的に存在感を増すマット・ディロンのなり切った演技はやはり特筆もの。
特にありきたりの酒と煙草とセックスいった自堕落シチュエーションより、ケジラミを移され薬を付けて悶絶する姿での可笑しさやジャンがヒールを履いて足が痛くなったとき、自分の靴を貸して裸足で歩く優しさなど、無骨な中にあるどこか憎めないチナスキーのユーモラスな人間性をうまく演じていた。
そして Kirstin Asbjornsen のヴォーカルをフューチャーした雰囲気たっぷりの音楽、さらには「 FACTOTUM = 雑役人」という味も素っ気もない原題をうまく改題した邦題にも久々に納得。
ともあれ、いささか綺麗にまとめ過ぎた感はあるにせよ、見応え充分の快作であります。
今日の1曲 “ Downtown Train ” : Tom Waits
こんなテイストの映画に一番似合っている音楽といえば、ベタながらやはりトム・ウエイツしかいないでしょう。
ということでそんな彼の曲の中から昨日に引き続きこれまたロッド・ステュアートのカヴァーで大ヒットしたこの曲を。
(それにしてもロッドはカヴァーの王者ですね)
個人的には Everything But The Girl のカヴァーもオススメだったりします。
“酔いどれ詩人”時代だったアサイラムから移籍した'85年リリースのアルバム『 Rain Dogs 』に収録。
PV動画はこちらから
ツボヤキさんに褒められてしまった。エヘヘヘ。
ありがとうございます。
やっぱりトムさんですよね。
大正解ッです!(拍手)