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俺の明日はどっちだ

50歳を迎えてなお、クルマ、映画、小説、コンサート、酒、興味は尽きない。そんな日常をほぼ日替わりで描写

「シルヴィア」 ( Silvia )

2005年03月12日 15時18分19秒 | 時系列でご覧ください
アメリカでは知らない人はいない( ホンマか? )というシルヴィア・プラス( 自慢じゃないけど、彼女の著作どころかその存在すら知らなかった )。彼女の作品は、年とともに愛読者を増やし、没後29年を経て栄誉あるピュリッツアー賞を受賞。唯一の長編小説「ベル・ジャー」は、没後30年以上を経た今も、「ライ麦畑でつかまえて」の女の子版として、全世界で読み継がれている。なーんて聞かされ、予告編にも何となくある種「予感」めいたものもあったにもかかわらず、この前観たそんな彼女の半生を描いた映画「シルヴィア」は思っていた以上に通俗的な仕上がりで、意外な感じがした。

詩人としての才能を持ちアメリカからイギリスにやってきて同じ詩人の夫と結婚。夫の成功を望みつつ、実際に夫が成功を収めるに連れ、自分自身を自分で勝手に追い込んでいってどんどん心が壊れていく主人公・シルヴィア。
ただ、そこに見えるのが詩人としての葛藤というより、一人の女性としての被害妄想的な嫉妬でしかないところがつらい。

だから劇中、夫を失わないために、あるいは自分の自信のなさの裏返しとして、彼の浮気を疑い始め、そんなことされたら夫のほうもたまらんわなと思わせるほどその疑心難儀ぶりは徐々に常軌を逸し始め、ついには本当に夫が他の女のところに走ってしまったことを知って、「彼女の存在は、私の想像力が生み出したものだ」といったような言葉を発したとき、やはりすべては現実ではなく、妄想だったと思って観ていたので、それなりに納得していたところ、結局のところ実は現実だったというのは・・・、ウーム。

それが実話だからと言われればそれまでだけど、二人の関係性もはっきりしないし、詩人という設定がありながら内面性の追及みたいなところもさほどなされていなくて、全体的に描写がいささか表層的で、物足りなかったというのが、正直なところだ。

ただ、久々に見たケンブリッジの風景には、大学に通っていたなんてことは決してないけれど、何度か訪れたことがあったので、いろんな懐かしさがこみ上げて来て、スコーンが食べたくなった。



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