俺の明日はどっちだ

50歳を迎えてなお、クルマ、映画、小説、コンサート、酒、興味は尽きない。そんな日常をほぼ日替わりで描写

「SPL / 狼よ静かに死ね」 殺破狼

2007年01月08日 23時58分29秒 | 時系列でご覧ください
一昨日の晩、観れなかったのが段々口惜しくなって来て、思わずDVDを借りてきてしまった。

原題の『殺破狼(シャ・ポー・ラン)=SPL』とは中国占星術で反乱を司る「七殺」「破軍」「貧狼」の3つの星を表すそうで、それはそのまま映画の登場人物であるマフィアのボス、ポー(サモ・ハン)、捜査官チャン(サイモン・ヤム)、そして新任捜査官マー(ドニー・イェン)という3人を象徴的に表している。
そしてこのあたりの発想というか設定が「インファナル・アフェア」みたいな香港映画らしくて、何だかよくわからないけれど結構好みだったりするのだ。



実はストーリーそのものは、数あるいわゆる「香港ノアール映画」の秀作群に較べ、いささか弱いところも無きにしも非ずだったのだけど、それを補って余りあるのが緊迫感溢れる素晴しいアクションシーンで、大袈裟に言ってしまうと、クライムアクション映画のあるべきひとつの姿を見た思いがした。

CGやワイアーに頼らない生身の人間が繰り広げるスピード感たっぷりのキレのあるアクションの数々。



そして何故か名前から“キン・ポー”がなくなっていたサモ・ハンの相変わらずのあの巨体から繰り出される想像を超えた軽快な動きもさることながら、狂気のナイフ使いウー・ジンとの戦いで本領発揮のドニー・イェンの見事な動きに久々熱いものを感じてしまった。

とにかくここでの二人のバトルは、最近の観たアクションシーンの中ではダントツのレヴェル。このシーンだけでもこの作品を観る価値大いにあるという言い方も出来るかもしれない。それほど凄まじかったです。



そして弱いと言いつつも、途中それぞれの「父の日」エピソードを挟み込みながら、幼子を可愛がる黒社会のボスと、そんな彼に対してすべてをなげうって抗する捜査官たちらがともにやがて「無間地獄」に突き進んでいくという、(確かに力づくで引っ張って行ってるのだけど)その一気呵成なストーリー展開、それはそれで充分魅力的でもあった。

加えて、思わず「因果応報」という言葉が相応しい、思いも寄らなかったエンディング。思わず「すげぇ~」。

とにかく何と言うか、極めて、とても、しょうがないほど男くさい香港映画ワールドをすっかり堪能できること請け合いの快作だ。



今日の1曲 “ China Girl ” : David Bowie

実は今日1月8日でデビッド・ボウイもなんとなんと60歳!
かつて決して長生きしそうには思えなかった「ロックスター」たちも何故か健康的になってしまい、どんどんどん赤いちゃんちゃんこ爺さん世代になってきています。ウーム。
それはさておき、今日はそんな彼の83年のヒット曲をチャイナ繋がりで。
それにしてもあの頃、未来なんてほとんど考えませんでしたが、こんな世の中になっているとは思いも寄らなかった気がします(苦笑)。

あまり可愛くない「中国女」(ゴダールかよ!)が出ている動画はこちらで





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