気の利いた会話、鮮やかな風景描写、存在感際立つ登場人物、そして酒と女に拳銃 ------ 。矢作俊彦の「ロング・グッドバイ」は、読んでいて極めて納まりの良いあくまでもオーセンティックな日本語のハードボイルド小説だ。
タイトルはもちろんレイモンド・チャンドラーの「THE LONG GOODBYE」へのオマージュを込めつつ、「THE WRONG GOODBYE」とするあたりがいかにも著者らしい。
そしてストーリー展開も舞台を日本に移し替え、フィリップ・マーロウの代わりに、『リンゴォ・キッドの休日』(78年)、『真夜中へもう一歩』(85年)で登場していた神奈川県警の二村永爾刑事を主人公に据え、意気投合する酔っぱらいと出会う冒頭のシーンから、言葉は違えど、皮肉たっぷりのラストの文章まで、まさに『長いお別れ』に対するパスティーシュと言うべきものとなっている。
今の日本でもこういった小説がぎりぎりのところで存在しうると疑いもなく受け入れることが出来、おまけに吟味を重ねたプロットの積み重ねに対して心底わくわくした気持ちで読めたことが、素直に嬉しかった。
生き生きとした人物描写、携帯電話の巧みな用い方、簡潔でバランスの取れた文章、いろんな寄り道をしてきたけれど、やはり矢作俊彦はハードボイルドが相応しいとつくづく思い、読み終わってからもすぐ再度読みたくなるほど深い味わいを持った作品だ。
「マイク・ハマーへの伝言」から27年、自分自身のこの年月はとりあえず棚に上げて、俄然過去の著作を読みたくなってしまった。
タイトルはもちろんレイモンド・チャンドラーの「THE LONG GOODBYE」へのオマージュを込めつつ、「THE WRONG GOODBYE」とするあたりがいかにも著者らしい。
そしてストーリー展開も舞台を日本に移し替え、フィリップ・マーロウの代わりに、『リンゴォ・キッドの休日』(78年)、『真夜中へもう一歩』(85年)で登場していた神奈川県警の二村永爾刑事を主人公に据え、意気投合する酔っぱらいと出会う冒頭のシーンから、言葉は違えど、皮肉たっぷりのラストの文章まで、まさに『長いお別れ』に対するパスティーシュと言うべきものとなっている。
今の日本でもこういった小説がぎりぎりのところで存在しうると疑いもなく受け入れることが出来、おまけに吟味を重ねたプロットの積み重ねに対して心底わくわくした気持ちで読めたことが、素直に嬉しかった。
生き生きとした人物描写、携帯電話の巧みな用い方、簡潔でバランスの取れた文章、いろんな寄り道をしてきたけれど、やはり矢作俊彦はハードボイルドが相応しいとつくづく思い、読み終わってからもすぐ再度読みたくなるほど深い味わいを持った作品だ。
「マイク・ハマーへの伝言」から27年、自分自身のこの年月はとりあえず棚に上げて、俄然過去の著作を読みたくなってしまった。
奥さんは実家、猫二匹、正月だから外人の書いたのもなんだし、やっぱり布団の中で読むのはこんなのが一番です。
ただ、このコテコテのハードボイルド文体をニコニコしながら読めるのは、「ラ・ラ・ラ........」の後だからだとも思うのですが。
騙されたと思ってカール・ハイアッセンの「ロックンロール・ウイドウ」を。(文春文庫です)
この人にははまります。年とってからエヘラエヘラ、でもかっこよく生きて行くヒントがここにはあります。
今年も楽しくいきましょう。
映画「アゲイン」が当方は大好きデス。
「ごきげんよう」とは、今でもついつい使ってしまうデス。
こちらに寄らせていただくと、次々にアップしたいモノが増えて参ります、困ったな、と嬉しいツボヤキ。
随分つき通した「ピンカートン横浜支局勤務」を「あれはウソに決まっているだろー」といった辺りの痛快さにも惚れております。
初期の単行本も、「マンハッタン・オプ」「海からきたサムライ」。。。あげたらキリがないです。
ブロードウェイなら、戦車から自転車まで書いてしまう御仁ですね。気取り屋でいらっしゃるのでしょうが、そこいらを辻褄合わせるタメにも、オイラ、ストイックなナリを貫き通そうじゃねえかいって、勝海舟のイナセなトコが濱ッ子に加味されたよーな具合などと、エエな~と当方ホザキマス。