俺の明日はどっちだ

50歳を迎えてなお、クルマ、映画、小説、コンサート、酒、興味は尽きない。そんな日常をほぼ日替わりで描写

「やわらかい手」  Irina Palm

2008年03月24日 23時59分33秒 | 時系列でご覧ください
かつてミック・ジャガーと浮名を流していたマリアンヌ・フェイスフルの「あの胸にもういちど: The Girl on a Motorcycle 」以来40年ぶり(うひょー!)の主演作。

話そのものは病気の孫を救うためロンドンのオックスフォードサーカス近くのとある店で知られざる“才能”を開花させて窮地を脱するという、とてもわかりやすいものながら、とにもかくにも孫の身を案じる中年おばさんを演じるマリアンヌ・フェイスフルの素晴しいこと!



最初は夫に先立たれ息子の嫁ともギクシャクしているぱっとしない典型的な郊外に住む中年おばさんでありながら、徐々に本領を発揮とでも言おうか、映画「グロリア」でのジーナ・ローランズをすら想起させるほど格好良くなり、特に終盤での近所の馬鹿タレおばはんへのキツイひと言にはまさに溜飲の下がる思い。パチパチパチ。
見抜いた嫁も良かったしね。



加えてそんな彼女にやがて恋してしまうクラブオーナー(ミキ・マノロヴィッチ、めちゃ好演!)を始め、彼女に仕事の手ほどきをしてくれる女手ひとつで子供を育てている移民の女の子、ワーキングクラスでつつましく暮らす息子夫婦といった社会の底辺にいる人たちへの優しい眼差しに溢れ、何だろう、見下すわけでも過度に持ち上げるわけでもなく、そのナチュラルな視線にとても温かい気持ちにさせられるものがあったのだ。



多分これまた劇場公開は全国的に終わりに近づいているけれど、DVDででも是非。
良い意味でイギリス映画らしくキュートなユーモアもあり、とにかくとてもとても愛すべき作品であります。おすすめ!



今日の1曲 “ As Tears Go By ” :  Marianne Faithfull

若くてアイドル声だった頃のマリアンヌ・フェイスフルの代表的な曲と言えば、やはり'64年(東京オリンピックの年!)ストーンズの曲をカヴァーしたこの歌でしょう。
今とは全く別人の趣きではありますが、逆に言えば、今の姿はこれはこれで良くぞ天晴れ!とつい思ってしまったりもします(笑)。
ポール・アンカ&ブライアン・エプスタインも登場してくる動画はコチラから


最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんばんは♪ (ミチ)
2008-03-29 00:24:22
うわ~、マリアンヌ・フェイスフルの若かりし頃のお顔がカワイイ!!
目がとっても魅力的な人ですね~。

風俗店に興味津々だったのは事実ですけど、それ以上に中年オバちゃんの凛とした強さがとても魅力的でした。
スーパーマリオをやってるミキも渋くてツボでした。
返信する
Unknown (Substitute)
2008-03-25 01:45:00
仰るとおり、終盤での、別に上流階級でもないのにそれらしい振る舞いをする近所のオバさんたちに、F××Kな態度を取るところは、彼女の波乱万丈の人生を考えると、とても印象的です。
年末に、コレと、Motorcycleを連ちゃんで見ました。時間は残酷也。
そのときの記事をトラバさせてください。
返信する

コメントを投稿