
先日、友達の誕生日祝いということで昨年に引き続き、1年振りに室生犀星碑近くにある 「 雅乃 」さんへ。
そして店主である下平さんのますます磨きのかかった料理の数々に、またしても言葉を失くしてしまったのでした。

先付けはお馴染みこちらでお手製の「 汲み上げ湯葉 」
湯葉のなめらかな食感とコクのあるまろやかな甘味にうっとり

吸い物には、能登で獲れたという鱧が軽く葛打ちされ、これからが旬の冬瓜とともに…
椀種それぞれの素材の美味しさはもちろん、圧倒的な出汁の旨さにまたしても絶句

今回もまた予約の際、誕生日だと伝えておいたこともあって、なんとなんと水引きとともにというスペシャルな演出で出してもらった造り

それにしても上等な甘海老も美味しかったけれど、軽く炙られた旨味たっぷりな鯛と、それに合わせて用意された特製の 「 いしる塩 」 の相性の良さに悶絶 w

そしてこれからがシーズンのねっとり甘味感じるアカイカもまた、雅乃さんらしからぬ金箔があしらわれた誕生日バージョンで…

凌ぎで供された蒸したての 「 鰻の飯蒸し 」 もまた味具合、量とも、まさにええ塩梅

こちらもまた手造りだという茶巾絞りな 「 胡麻豆腐 」 は熱々の天ぷらで…
白子のような食感にシンプルながら深みを感じさせる味わい、う、う、旨すぎます

普通の塩焼きじゃねぇ、とばかり、漬け込んだのど黒を付け焼きした 「 のど黒の幽庵焼き 」 もまた別物の美味しさ

下平さんの手にかかればこれもまた大いなるご馳走になるんだと改めて実感させてくれる 「 自家製ひろず 」

そして今回もまた個人的にこの日一番のスペシャリテだった 「 賀茂茄子の揚げ煮 」 は、蕗とかたはとともに。
素揚げされ丁寧に油を切って軽く煮込まれた茄子の旨さはもちろんだけど、蕗を1本食べただけで口の中に広がる幸せ感。
やっぱり比較対象のしようがない、別次元の味わいであり、美味しさなのであります

思わずお代りをしてしまった新生姜ご飯とシジミのみそ汁、そして自家製の味噌と酒粕で漬け込んだ漬物もまた素晴らし過ぎます

口直しには、さっぱりとした甘さのオレンジハートという名のメロンが…

そして最後は加賀丸芋を使い、滑らかで口どけの良さを感じさせてくれるお手製のよもぎの上生菓子

実は昨年このブログで
>今思い出しても 「 はぁ~ 」 とため息の出る料理の数々は供される器も含めて本当に素晴らしく、
(中略)
お店を出たあと、思わず 「 もったいなくて、しばらく日本料理は食べないでおこうという気になるわ 」 と口走ってしまうほど大満足の食事でありました。
と書いてあるのを自分で読みなおし、今回もまた全く同様に感じ入ってしまった自分に苦笑いでした。
とにかく、この街に 「 雅乃 」 さんがある幸せ、
そして近いうちの再訪を目指して、今日からまた頑張れる、そんな気にさせてくれるのであります。
どうもご馳走様でした。
御料理 雅乃
金沢市中川除町67-1
076-262-8026
昼 11:30~14:00
夜 17:30~
不定休
※席数も少なく、不定休のため、事前連絡をオススメします
美味しい料理を楽しむということは、作り手さんの人柄に触れる事なんでしょうね。
そして同行者がもらした「どの料理にも物語を感じる」といった言葉も
まさに言い得て妙でありました。