俺の明日はどっちだ

50歳を迎えてなお、クルマ、映画、小説、コンサート、酒、興味は尽きない。そんな日常をほぼ日替わりで描写

「ゲットスマート」 Get Smart

2008年10月14日 18時00分42秒 | 時系列でご覧ください
今から遡ること40年ほど前、「0011 ナポレオン・ソロ」という人気TV番組があって、主役のロバート・ボーンよりマッシュルームカットのイリヤ・クリヤキンが日本では人気が出て、不二家のルックチョコレートで大きなポスタープレゼントなんていう時代があった。

そしてそんな頃にこの番組同様「007」シリーズをパクッたり、パロッたりしつつ、ドン・アダムス扮する勇敢だけどドジで間抜けな秘密情報員マックス・スマートが、国際的スパイ組織ケイオス相手に大奮闘するどたばたスパイ・コメディとして人気を博していたTV番組、それが「それ行けスマート」だった。

放映当時は当然のことながら知る由もなかったけれど、今にして思うにメル・ブルックスらしいドタバタコメディで、数あるスパイ番組の中でも異彩を放ち、藤村有弘による吹き替えを含めて幼心( ← なのか!)にもとても印象深い番組だったことを覚えている。



そしてそんな「それ行けスマート」がまさに納得のキャスティングであるスティーブ・カレル主演で映画化されると知って大いに期待したのだけど、その予想以上にたっぷりな予算で作られたガチなアクション映画ぶりに、ちょっと勝手が違ったのだ。

とにかくスティーヴ・カレル扮する今回のマックスウェル・スマートは、お前はダニエル・クレイグ演じるジェームス・ボンドか? あるいはマット・デイモン扮するジェイソン・ボーンか! ちゅうくらいちゃんと身のこなしも軽くて格闘も強くてダンスも上手で、おまけに分析能力も高くてと、往年のスマートとはえらく違ったスーパーエージェントぶりで、もちろんところどころでドジなところは披露してくれるものの、ある意味どこかもっとメル・ブルックス的なものやオースティン・パワーズ的な笑いを期待していたものにとっては物足りなさを感じたりもしたのだ。



ただお茶目な秘密兵器をはじめとする各種アイテムの数々、あるいはお色気や友情、裏切り、そしてラブロマンスといったスパイものの定番はきっちり押さえているし、終盤のセスナと車とのチェイスシーンでのハラハラドキドキシーンなどアクション演出にも手抜かりがなく、さらに加えるならアン・ハサウェイも可愛かったし、スパイアクション映画として良くまとまった作品だとも言えるだろうし、

テレビ時代にスマートが乗っていたサンビームタイガーが何故かスミソニアン博物館に展示されていて、それを乗りこなすシーンだとか、往年同様の電話ボックスのエレベーターやご存知「靴電話」などなど、過去の遺産の取り入れ方もなかなか巧みで、それなりに感心させられもした。



ただ、だけど、しかしながら、往年のとぼけたアナログ的可笑しさが後退したのはやはり返す返すも残念無念。
とにかく何だかなあ、やはりスティーヴ・カレルが思いのほか格好良すぎました(苦笑)。
スマートがスマート過ぎると、往年のスマートファンとしては困ってしまうのだよ。ムムム。

ともあれ、お気軽娯楽アクションムービーとして見る分には全然問題ないと思うので、デートムービーとして無難な選択としてはオススメであります。

<オマケ>
昔テレビで放映されていた頃のオープニングシーンがあったので、とくとご覧あれ。

Get Smart - First Season Theme - 1965


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2 コメント

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オープニングは、 (KGR)
2008-10-16 09:04:54
大変興味深く見せていただきました。

映画が、これをきちんと踏襲していることがよくわかりました。

TVの電話ボックスはお金を入れていること、
ダイヤルが回転式であること、
そして多分落ちてないで座っているだろうところは、
映画と違いますが。

車も展示されていたのと同じものですよね。
いろいろな意味でこだわりを感じます。
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◇ KGR さん (nikidasu)
2008-10-17 14:07:39
クルマや小道具とか全体的にオリジナルに対するちゃんとした
畏敬の念を持っているところは本当に感心したのですが、
ただ、デジタルっぽいあまりのスーパーエージェントぶりは、
やはりそぐわなかったと思うのですが…。
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