俺の明日はどっちだ

50歳を迎えてなお、クルマ、映画、小説、コンサート、酒、興味は尽きない。そんな日常をほぼ日替わりで描写

幸せすぎるひとときを過ごした夜 @ 金沢 香林坊 「 ゴロゼット / Golosetto 」

2016年03月02日 22時08分17秒 | 時系列でご覧ください

それは突然の奇跡のような出来事だった。
前回お邪魔し、すぐに再訪を望んだものの、ちょうど定休日だったり、満席だったりして、なかなか行けなかった「ゴロゼット」に昨日ようやく行ったところ、店内に入った時点では、あろうことかまるでどこかの大富豪あたりがやりかねないまさかまさかの貸し切り状態で、すっかり驚いてしまったのでありました。

こんな幸運は、帝国ホテルがオーバーブッキングしたおかげでコーナースイートに泊まった時や、あるいはフィンランドエアでベルリンに旅した時にエコノミーからビジネスクラスにアップグレードしてもらって以来ではないかと思うくらい、そこには幸せな時間が待っていたのでした。



というわけで、昨日は大まかな希望は伝えたものの、料理もワインもほぼおまかせだったのですが、ソアヴェで何かをとリクエストして最初に出してもらった黄金色に輝く 「 ソアヴェ クラッシコ 2012 ジーニ 」 の美味しいこと!
あまり冷やしていない程よい温度加減も絶妙で、思わずお代わりしてしまいました。



そしてそれに合わせるがごとく綺麗なガラスの器に盛られた美しいカルパッチョ。
今が旬のサヨリに、北陸ならではのガス海老、シロエビ、それに前回も美味しかったキンパチにウニと、いずれも文句なしの旨さであることはもちろん、さりげなく添えられたキャビアっぽい姿のシェリービネガーもまた愉しなのであります。



続いて、これもまた美しい盛り付けの 「 水ダコとホタテの燻製 空豆とボッタルガ風味 」 も、浅めの燻製が美味しいのはもちろんなのに加え、それをサポートする今年初めて食べる空豆とイタリアのカラスミであるボッタルガにすっかりやられてしまい、



ビストロユイガの Kiyomi さんが好きそうなエチケットのトスカーナの白ワイン 「 ネモリーノ トスカーノ ビアンコ イ ジュスティ エ ザンツァ 」 を松岡シェフが体験したさまざまなイタリア話を聞きながら飲むと、味わいもまた格別なのであります。



そしてまるでハマグリみたいに大きなアサリを使った 「 大アサリとバジリコの手打ちパスタ 」 もまた普段食べ慣れているものとはいささか違った味わいで、ジャガイモがアクセントなり美味しいったらありゃしない。


おまけに普段はメニューにはなく、たまたまあったバジルの葉を形どったパスタのキュートさもまた愉しなのです。



そして珍しくさらに白ワインへと突き進んでの 「 ピガート リヴィエラ・リグーネ・ディ・ポネンテ 2013 デペリ 」 もまた、そんなパスタとの相性も良く、



そこから牡蠣を食べたいというリクエストに応えてもらった 「 能登牡蠣と縮緬キャベツの蝶ネクタイパスタことファルファッレのクリームソース 」 も色味が同じですいませんと言われつつも見た目以上に牡蠣をはじめとする素材が見事に仕上がっていて


ついこんな写真を撮ってしまうほど(笑)



それにしてもカウンターで料理の一部始終を眺めるのもご馳走のひとつだけど、ちゃんと火をおこすところから始まりこんな風に炭火でファイヤーしているところに遭遇させてもらえるのも有り難い話なわけで、



そうした過程を見たのちに、安寧芋、赤茄子、聖護院カブとともにブラッドオレンジのソースをまとった 「 ガチョウの炭火焼き 」 が登場。
最初ガチョウをダチョウと聞き間違えていったいどんな味するんだろうと戦々恐々ならぬ興味津々だったけれど、食べてみてはじめてダッグだと知り、ひと安心だったのでありました。



そしてそんな料理にはやっぱり赤でしょということで、出してもらった 「 ヴァルポリチェッラ・クラッシコ・サセティ 2014 モンテ・ダッローラ 」
アルコール度数が 11.5度しかなく軽めだけど、アマローネとも相通じる旨さがありこれも大いに気に入ってしまいました。



というわけで、シェフと奥さんをほぼ独占状態で料理やワインを楽しみ、さらにあれこれと会話にも花が咲き、とにもかくにも 「 僥倖 」 なる二文字が思い浮かぶほど、それはそれは幸せな時間だったのでありました。
本当にご馳走様でした。

そして絶妙なライナップのおかげで今さらながらイタリアのワインの美味しさに改めて感動した夜でもありました。
ということで、この春はいろんなイタリアものを飲んでみたいと思ってしまう単純親父なのであります、ウヒッ!






今日の1曲   “ Coyote ”  :   Joni Mitchell






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