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オーケストラ・アンサンブル金沢でも指揮を執っている井上道義さんが指揮および総監督をし、劇作家・演出家であるあの野田秀樹氏が演出するという、聞いただけでわくわくする顔合わせによるモーツァルトの名作オペラ「フィガロの結婚」が昨日の夜、全国に先駆けて金沢歌劇座で初演され、その新鮮な舞台にすっかり魅せられたのでありました。
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主人公二人の名前がそれぞれ、フィガロならぬ「フィガ郎」、スザンヌならぬ「スザン女」と当て字されている通り舞台は日本に移され、 ~庭師は見た!~ という副題のごとく、広川三憲扮する庭師アントニ男が狂言回し的に要所要所に現れ、庭師視点からの男と女の愛憎渦巻く恋愛模様を観客もともに眺めることとなると言った趣向ながら、
日本のようで日本ではない無国籍感が漂い、外国人キャストは朗々とイタリア語で歌い上げるかと思えば、日本側キャストは台詞回しを日本語で話しつつ、ときにイタリア語でともに歌うといった具合に、マルチタスク的に進行していくのだけど、それが何ら違和感なく伝わってくる野田演出マジック!
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とにかく、もともと喜劇オペラが持つ楽しみを、良い意味で遊び心たっぷりな字幕での言葉遊びや、国籍を超えた男女が入り乱れて軽妙に演じる野田芝居らしい演出によって、ここまで楽しませてくれるとは!
終演後、年配のご夫婦が「想像しとったより面白かった」といみじくも話していた通り、驚きと喜びを多くの人が共有し、10分近く? に及ぶスタンディングオベーションは、まさにそこにいた人たちの偽らざる気持ちだったんだと思う。
正直言って、最後のいささか安易な大団円ぶりには少し物足りなさを感じないこともなかったけれど、ボンソワ実香ちゃんがこの作品にぴったりだと言っていたオーケストラ・アンサンブル金沢の演奏、これぞオペラと圧倒された伯爵夫人役のテオドラ・ゲオルギューのアリアをはじめとする、出演者たちの確かな力量に裏打ちされた舞台は、決して単なるスラップスティックものになることなく、ちゃんと筋の通った楽しさ溢れる作品となっていて、大いに楽しむことが出来たのであります。
今日の1曲 “ The Marriage of Figaro Overture ”
フィガロの結婚と言えば、やっぱりこの序曲ですね。
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ちなみに、見終わった後、飲みに出た2軒目に寄った「いたる本店」でメンバーと遭遇し、調子に乗ってOEKのチェリスト大澤さんにスザ女役の小林沙羅嬢とのツーショットまで撮ってもらい、何とも楽しい夜だったのでした。
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