俺の明日はどっちだ

50歳を迎えてなお、クルマ、映画、小説、コンサート、酒、興味は尽きない。そんな日常をほぼ日替わりで描写

「デトロイト・メタル・シティ」

2008年08月27日 23時31分35秒 | 時系列でご覧ください
小沢健二やコーネリアスみたいな渋谷系ミュージシャンを夢見て大分の田舎から上京してきた純朴な青年が、自分の意図に反し何故かデスメタルバンドのボーカルとしてデビューさせられ、その上あろうことかブレイクしてしまうことによって起こる悲喜こもごもを描いた馬鹿馬鹿しさに溢れる愛すべきドタバターミュージックムービー。



正直言ってストーリーそのものは、敢えて裏目読みするほど大層なものではないし、巷間高く評価されている松山ケンイチの両極端に走ったハイテンションな演技にしてもヨハネ・クラウザーⅡ世はともかくカジヒデキもどきはいささかやりすぎの感もあってそれほど感心しなかった。

が、しかし、それを補って余りあったのが、ヘビメタバンドであるDMCのコアなファンの造形の素晴らしさ(大倉孝二をはじめとする出演陣の素晴らしい演技は涙誘ったぞ!)、そしてそして、終盤に登場してくるメタル界の王者ジャック・イル・ダークなるおっさん。



このあたり音楽を題材とした映画というよりまるでプロレス映画か?とも思えるところが何とも可笑しいし(ちなみに監督の李闘士男の前作はかの名作「お父さんのバックドロップ」だったりする)、それよりも何よりもある意味プロレス界のリック・フレアみたいな役どころで登場してきたこのおっさんが、なんとなんと、かの KISS のジーン・シモンズだとエンドロールで初めて知って、椅子からずり落ちそうになってしまったのだ。

実のところ KISS のファンでもなんでもないけれど、いくら親日家とは言えここまで演ってくれたジーン・シモンズに何だか妙に感激してしまい、気持ち良く劇場を後にすることができたのだ。



大きな声で素晴らしいと連呼するような類の映画では決してなく、タイミングが合って見てみたら思いのほか楽しめたといった、それ以上でも以下でもないながら、やはり結構好きな映画だったりするのでありました。



今日の1曲 “ Detroit Rock City ”  :  Kiss

ということで映画のタイトルとしてもバンド名としても使われている言葉の元ネタである KISS の1976年の大ヒット曲をば。
アルバム『地獄の軍団 (Destroyer) 』に収録。ちなみにこの頃やたらと“地獄”という言葉が使われていたけれど、これは限りなく超訳以外の何物でもないところが笑わせてくれます。




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3 コメント

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こんにちは♪ (ミチ)
2008-09-01 23:17:09
KISSの演奏を楽しませていただきました!
白塗りメイクをしていても、だんだん年齢は隠せなくなっていくものなのかな~なんて考えてました。
大絶賛ってことはないんですけど、評判が良かったのでたまたまレディースデーに見てみたら存外楽しめてお得感があったって感じです。
松山クンはどちらももちろん上手かったですが、両極端な人物って意外と演じやすいものなのですよね。

コアなファンって本当に何があってもいいように解釈して着いて行くんですねぇ。
ホント涙ぐましかったです。
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見てきました (JORI)
2008-09-04 08:21:47
ご無沙汰してます。
昨日見てきました。この映画。
面白かったです。
ジーンシモンズにはかつてKISSの大ファンだった私なのですが、
まさかまさか…と思いながら、自信が無かったのでエンドロール見て思わず「キャー」と叫んでしまいました。
ありえねえ…どんだけいい人なんだジーンシモンズ…


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こんばんは (nikidasu)
2008-09-06 02:10:04
◇ミチさん

そうなんですよね。
余計な予備知識を持たず、ふらっと映画館に入って見てみたら
結構面白かったやんけという、昔の映画が持っていた面白さのある
作品でした。

◇JORI ちゃん

うひょー、めちゃめちゃお久しぶりです。
そっかー、KISS の大が付くファンだったとは…!
それにしてもいくら親日家とは言え確かに
>どんだけいい人なんだ
ろうね。シモンズおじさん(笑)であります。
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