前作「しゃべれども しゃべれども」で二ツ目の落語家を主人公に下町情緒を織り交ぜながらほのぼのと人間模様を描いていた平山秀幸監督の新作。
そして今回もまた落語ものとして、お馴染み弥次喜多コンビに足抜けした花魁が加わっての珍道中にさまざまな落語ネタを散りばめて繰り広げる時代劇コメディーとなっているはずだった。
そう、そうなるはずだと少なからず期待していたのだ。
ところがどっこい、実際のところ何とも魅力的で多彩なキャスティングを擁していたにも拘らず、どうしたことか、まっこと残念ながら思っていたほど心弾まなかったのだ。
冒頭、笑福亭松之助(82歳!)と淡路恵子(74歳!)お二人の大時代的な心中芝居から柄本明が怪演ぶりを見せてくれる首吊りシーンあたりまでは、結構期待感募らせる快調な出足であったのに、そのあとがいけねぇ。
落語には必ずある「落ち」が映画として効果的には描かれていないストーリー展開、リズム感のない平板な演出、そして言っては失礼だけど稚拙な演技。美術はかなり頑張っているだけに、何とももったいない仕上がりに残念至極。
確かに情にとんと弱い早合点の江戸っ子である弥次に扮する勘三郎の芝居は、まさに水を得た魚のごとく観ていて楽しいけれど、ある意味そんな彼の普通の演技が突出してみえてしまうほど全体的なレヴェルはそれほど高くなかったのだ。
世の中的に評判が高い(らしい)小泉今日子の演技にしても、彼女のポテンシャルを引き出しきっていないのかどうかはさておき、「女郎ってなぁ、騙しますって看板上げて商売してんでぇ!」と威勢良く啖呵をきる、その姿は古くからのキョンキョンファンとしてはかなりハラハラもので、正直言って彼女には荷が重く、若い頃の太地喜和子あたりが持っていた色香や気風のよさを併せ持った女優が演じてしかるべきだったのではと強く思ってしまった。
ただそんな女優が今の日本映画にいるかどうかは大きな問題だったりもするのだけどね。
ともあれ、話そのものも徐々に尻すぼみになってしまっていて、今の笑いもなく、かといって邦画各社かつてが作り上げていた時代劇喜劇の持っていたそれとも違いう中途半端な笑いどころも含めてついついもどかしさを感じてしまったのでありました。ウーム。
今日の1曲 “ Rhapsody in Blue ” : The Paul Whiteman Orchestra
タイトルクレジットのバックに流れるのが何故かガーシュインの三味線まじりの「ラプソディ・イン・ブルー」。
ということで Rhapsody in Blue で検索して見つけたのがポール・ホワイトマンとその楽団を中心に作ったレビュー形式の2原色(笑)カラー作品『 King of Jazz 』。
20年代の音楽シーンがしっかり記録されているという'30年制作のユニバーサルスタジオ作品であるこの映画、YouTube で見る限りカルトっぽいとても好ましい映画のように思え、大きなスクリーンで是非とも観たいものだと思ってしまいました。
そんな映像はコチラから
そして今回もまた落語ものとして、お馴染み弥次喜多コンビに足抜けした花魁が加わっての珍道中にさまざまな落語ネタを散りばめて繰り広げる時代劇コメディーとなっているはずだった。
そう、そうなるはずだと少なからず期待していたのだ。
ところがどっこい、実際のところ何とも魅力的で多彩なキャスティングを擁していたにも拘らず、どうしたことか、まっこと残念ながら思っていたほど心弾まなかったのだ。
冒頭、笑福亭松之助(82歳!)と淡路恵子(74歳!)お二人の大時代的な心中芝居から柄本明が怪演ぶりを見せてくれる首吊りシーンあたりまでは、結構期待感募らせる快調な出足であったのに、そのあとがいけねぇ。
落語には必ずある「落ち」が映画として効果的には描かれていないストーリー展開、リズム感のない平板な演出、そして言っては失礼だけど稚拙な演技。美術はかなり頑張っているだけに、何とももったいない仕上がりに残念至極。
確かに情にとんと弱い早合点の江戸っ子である弥次に扮する勘三郎の芝居は、まさに水を得た魚のごとく観ていて楽しいけれど、ある意味そんな彼の普通の演技が突出してみえてしまうほど全体的なレヴェルはそれほど高くなかったのだ。
世の中的に評判が高い(らしい)小泉今日子の演技にしても、彼女のポテンシャルを引き出しきっていないのかどうかはさておき、「女郎ってなぁ、騙しますって看板上げて商売してんでぇ!」と威勢良く啖呵をきる、その姿は古くからのキョンキョンファンとしてはかなりハラハラもので、正直言って彼女には荷が重く、若い頃の太地喜和子あたりが持っていた色香や気風のよさを併せ持った女優が演じてしかるべきだったのではと強く思ってしまった。
ただそんな女優が今の日本映画にいるかどうかは大きな問題だったりもするのだけどね。
ともあれ、話そのものも徐々に尻すぼみになってしまっていて、今の笑いもなく、かといって邦画各社かつてが作り上げていた時代劇喜劇の持っていたそれとも違いう中途半端な笑いどころも含めてついついもどかしさを感じてしまったのでありました。ウーム。
今日の1曲 “ Rhapsody in Blue ” : The Paul Whiteman Orchestra
タイトルクレジットのバックに流れるのが何故かガーシュインの三味線まじりの「ラプソディ・イン・ブルー」。
ということで Rhapsody in Blue で検索して見つけたのがポール・ホワイトマンとその楽団を中心に作ったレビュー形式の2原色(笑)カラー作品『 King of Jazz 』。
20年代の音楽シーンがしっかり記録されているという'30年制作のユニバーサルスタジオ作品であるこの映画、YouTube で見る限りカルトっぽいとても好ましい映画のように思え、大きなスクリーンで是非とも観たいものだと思ってしまいました。
そんな映像はコチラから
昨夜はYou Tubeで落語見てました。
いや~古今亭志ん生、志ん朝、西の桂枝雀…見ながら
笑い転げ、ふむふむと。やっぱりエライなぁ~
で、この映画じゃとてもとても…
太刀打ち、できるどころか残念ながら足元にも
及ばないじゃござんせんか。
悔しいねぇ~藤山直美姐さんだったら
もっと転がって、カミさん演っても
勘三郎の涙も生きるってもんですよね。
最後で今日子ちゃん出しちゃ~イケマセン!
キョンキョンは魅力のアゴが日本髪にとっても合っていたけど、残念ながら「トウのたった」という表現もしっくりくるくすんだ感じで、島崎の花魁の気風は感じられませんでした…。
自分の感想記事では面白いともなんとも言わず、人様のブログで毒を吐いちゃってすいません…。
基本的に否定的なことは極力書かないように心がけているつもりです。
もちろんこの作品にしても、評価されるべきところもいくつかあって
そうしたことを中心に書こうと思ったのですが、駄目でした(苦笑)。
う~ん、もう少し何とかならなかったものかと残念至極であります。
時代劇ってわりと好きなんですよね。
この作品もちょっと期待していたのですが、それほど爆笑ということもなくオチもなく終わってしまったような。
役者が登場しただけで笑えるというような笑いもいいですが、やはりエピソードや筋立てでもうちょっと笑わせてほしかったな~って。
勘三郎さんは本当に達者な方ですよね。
普通の髪型よりも月代の方が似合ってる気がします。
勘三郎のべらんめえ調のしゃべりには胸躍りました。
そしてこの映画に関わった多くの人が目指したという昔々一度観た
川島雄三の「幕末太陽伝」を改めて観たくなりました。