栗山求/望田潤監修「パーフェクト種牡馬辞典2024-2025」

『サラブレ』5月号「種牡馬戦国時代 新種牡馬プレビュー2020」

2020-04-13 19:04:52 | お知らせ

本日4/13発売『サラブレ』5月号、特集は「種牡馬戦国時代 新種牡馬プレビュー2020」
私は美野真一さん、名前の出せないG1馬生産者Gさん、平出貴昭さんとともに、本年から初供用の種牡馬たちと本年に初年度産駒がデビューする種牡馬たちについて、サイアーランキング予想を立てながら書いていますので、よろしければご一読ください

https://www.kadokawa.co.jp/product/322003000135

私が初めて現場で観たダービーがナリタタイシンのダービーで、勝ったのはウイニングチケットですが私は3強のなかでは圧倒的にタイシン派やったのでこう書かせてもらいますが、タイシンが3着やった93年のダービーでしたね

タイシンは皐月賞まで[2-4-0-2]となかなか勝ちきれず、なんで勝ちきれないかというとあからさまに引っかかるんですよ、それをベテラン清水英次が引っ張りたおして我慢させて差すケイバを教えてね

で、ユタカに乗り替わって後方一気にさらに磨きがかかり、2強を前に見ながら一気に差し切る皐月賞はこれがRivermanかという鮮やかさでしたが、「引っかかる馬は走る」ということを教わった馬でもあります

ダービーも同じケイバで4角14番手、こりゃ掲示板もないぞと思いながら観ていたら上がり1位の脚で3着まで追い込んできて、「ダービーポジションなんてない」と言い放った若き天才騎手



これも川上悦夫さんの傑作のひとつで、5代血統表を見ただけでHyperion愛が伝わってきますが、リヴリアはいい種牡馬でしたが早逝しました

ウイニングチケットもビワハヤヒデも健在のようで、この3強は長生きしましたなあ…

そういえばこの頃、競馬通信社でいっしょに働いてた人が川上さんや岡田総帥と懇意で、その人のセッティングで対談してもらったのを週刊誌に掲載したのを思い出しました

「川上さんのナリタタイシンも前はすごいの。でもナリタブライアンは全身運動全てが一流なの!」と、例によってアクションを交えながら熱弁をふるう総帥の隣で川上さんは途中から爆睡してしまい、後半は独演会みたいになったのを覚えてますが(^ ^;)、あれ面白い対談やったんやけど残ってないやろなあ…

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第80回桜花賞回顧~こんな桜花賞を、来年も再来年も見たいじゃないですか

2020-04-12 23:38:06 | 血統予想

阪神11R 桜花賞
◎17.レシステンシア
○9.デアリングタクト
▲18.エーポス
レシステンシアの母マラコスタムブラダはフィルベルトレレナ大賞典(亜G1・芝2200m)勝ち馬で、母系にサドラーズウェルズとダンジグとワードンが入るのはメジャーエンブレムと同じダイワメジャー黄金配合。スローの上がりのケイバだと味がないのもメジャーエンブレムと同じで、チューリップ賞は前後半47.1-46.2、JFは45.5-47.2。武豊がどんなレースをつくるかだが、逃げ宣言スマイルカナを外からつつく形でもOKで、いずれにしてもチューリップのようなスローにはならないとみて◎。日曜は雨予報だが、馬場が渋った桜花賞といえば最近ではダイワメジャー産駒レーヌミノルが先行押し切った17年が稍重だった。
デアリングタクトはスカイグルーヴと同じエピファネイア×キングカメハメハ×サンデーサイレンスで走るパターンだ。本馬は母系にダンジグが入るので、後駆がパンとして加速が俊敏なのも光る。エルフィンSの大外一気は圧巻だったが、エピファ産駒だけに馬群で揉まれ込んだときだけが心配。桜花賞の予想の最大の決め手となる「天賦の才を感じさせるハッとする脚」を見せたのはこの2頭だけだ。
エーポスはジャスタウェイにナスペリオン血脈を重ね、配合どおりの持続力あるストライドで走る。エルフィンSは馬場の悪いインを走ったのが敗因で、本来は大箱向きのマイラーだろう。Hペースならジャスタウェイの差しということでこれをヒモ穴とした。

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ついにサンデーサイレンスのクロス(4×3)がクラシック競走を勝つ日がきたわけですが、私がこれまで言いつづけてきたことは

<St.SimonやDominoやNearcoやNorthern DancerやSadler's Wellsといった大種牡馬のインブリードが失敗に終わったなんてことは、サラブレッドの歴史上一度もないわけでね。もちろんサンデーサイレンスもそれに比肩する大種牡馬ですから、そろそろサンデーサイレンス4×3ぐらいがダービーやオークスを勝つ時期に差しかかっているのは間違いない>(18/3/9)

<「サンデーサイレンスのクロスって、今んとこ大物出てませんよね?」と質問されることがあるんですが、「20年前もですね~、Northern Dancerのクロスについて、同じような議論がよく持ちあがったんですよ」とお答えすることにしてます>(15/8/22)

<おそらく近いうちにサンデーサイレンスのクロスからG1馬が出てくるだろうし、十数年後にはサンデーサイレンス4×4・4みたいな馬がダービーや桜花賞を勝っているはず>(15/2/17)

<Northern Dancer3×3のフサイチコンコルドがダービーを勝ったのは1996年、ノーザンダンサーが生まれてから35年後のことでした。サンデーサイレンスは1986年生まれ、35足したら2021年ですか、その頃にはサンデーサイレンス3×4ぐらいがクラシックを勝っているでしょう>(初出はサラブレ?)

あとエピファネイアが種牡馬として有能であるだろうこと、そしてキングカメハメハ牝馬との配合で成功するだろうということも、いろんな媒体で折に触れて書いてきました(“エピカメ”を早めに流行らそうとしてました)

そうそう、こんなすごいことが書いてある本が、KADOKAWAから絶賛発売中らしいですよ(笑)






https://www.amazon.co.jp/dp/4047361429/

そんなわけでスカイグルーヴとレッドブロンクスを一口ピックで取り上げ、POGではファートゥアも取り上げ、エピカメサンデーで目についた馬はだいたい推奨してきたんですが、デアリングタクトは一口でもPOGでもピックしていないしそもそもあまり記憶にも残ってないのは、実馬を見てピンとこなかったからやと思うんですよね…(今日のパドックでもこの馬にしてはキッチリ仕上がったという印象ですが、単純比較ではレシステンシアやリアアメリアなんかのほうが馬そのものは良く見えました)

スタートしてしばらくは、周りに馬がいるから、それが怖いからやと思うんですがちょっと行きたがるそぶりを見せたデアリングタクトですが、そこを松山くんがなだめているうちに番手が下がって前後左右に馬がいないポジションにポツンとおさまり、そこからの走りは実にスムーズで、これは直線外に出したら弾けるなという手応えでした

「重の桜花賞って、キョウエイマーチ以来なんですねえ…」とちけさんが言うので「当時とはコースも違うからねえ…」という話をしていたんですが、3/4エイシンヒカリのスマイルカナの逃げ脚が衰えないのをみたユタカは早めに馬体を併せにいき、直線でこれを交わして先頭に

あそこで先頭に立ってパワーと粘りで後続を突き放しにかかるというのはまさにキョウエイマーチ的で、ああやっぱり、雨が降ったらレシステンシアがキョウエイマーチのように勝ってしまうんやなあ…と思ったところでの大外強襲でした

1~3着馬については、例によってNETKEIBAの全頭血統解説より再掲します

デアリングタクト
母母デアリングハートはEcton Parkやピットファイターのきょうだいで、府中牝馬Sに勝ちNHKマイル2着桜花賞3着。エピファネイア×キングカメハメハ×サンデーサイレンスはスカイグルーヴと同じで走るパターンだ。本馬は母系にダンジグが入るので、後駆がパンとして加速が俊敏なのも光る。エルフィンS圧勝を見てのとおり、外マイルを59秒で追走して33秒台で爆発できる馬で、エピファ産駒だけに馬群で揉まれ込んだときだけが心配。(距離○スピード◎底力◎コース◎)



レシステンシア
ミッキーブラックの3/4妹で、母マラコスタムブラダはフィルベルトレレナ大賞典(亜G1・芝2200m)勝ち。3代母Pulmaは亜2歳女王。ダイワメジャーとデインヒルが強いマイラー体型で、母方に中距離のスタミナや底力が入るので、マイルG1をHペースでゴリ押しできるメジャー産駒だ。スローの上がりのケイバだと味がないのはメジャーエンブレムと同じで、チューリップ賞は前後半47.1-46.2、JFは45.5-47.2。武豊がどんなレースをつくるか。(距離◎スピード○底力◎コース◎)



スマイルカナ
母エーシンクールディはJRA3勝で交流重賞で活躍。叔父のエイシンヒカリとは父ディープインパクトも同じで3/4同血の間柄になる。母父Distorted Humorはフォーティナイナー系のスピード型でモーニンやサトノフェイバーの母父。この血の影響でマイラーっぽい体型だが、ディープインパクト×Storm Catらしいしなやかな走りでスピードに乗る。前走時馬体重が416キロで、420キロ以下のディープ産駒は桜花賞で[0-0-0-6]。(距離○スピード◎底力○コース○)



エピカメサンデー(エピファネイア×キングカメハメハ×サンデーサイレンス)について、またデアリングタクトの母母デアリングハートとエピファネイアの母シーザリオの因縁についても、下記エントリにて書いていますのでご覧いただければと思います
https://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/24aecc0cf152cb976b301dace0f17b34

競馬も毎週綱渡りのような無観客開催がつづき、本当に大変な時代になってしまいましたが、とにかくみんなで生き残ろうと、何とか生き残って、生き残ったみんなで次のことは考えたらええやんかと、だからまずは一人でも多く生き残ることを考えましょうと、私なんかはそんなことぐらいしか言えないです

初重賞勝ちが桜花賞ですと泣いてるノルマン民がいれば、ノルマン民ではないのにエピファの仔がG1を勝ったと泣いてるキャロ民もいて、みごとに差し切ったデアリングタクトも、惜しくも差し切られたレシステンシアも、残念ながら3着以下に負けてしまった馬たちも、いつの日か競走馬を引退して牧場に帰って母となり、仔を競馬場に送り出すのをまた楽しみに待ちつづけることができる

そんな未来をつくることができるのだと信じて、必死で生き残っていくしかないだろうと思います

来年も再来年もこんな桜花賞が見たいし、デアリングタクトの仔もレシステンシアの仔も見たいじゃないですか

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日曜のボツ予想~Ribot3本クロスが雨で浮上

2020-04-12 10:57:54 | 血統予想

忘れな草は◎リリーピュアハート
前走も◎でしたが、リリオブザヴァレーの娘だけあって燃費のいい持続力ある走りで、馬場が渋ってもOKだし、ここはそんなに手強い相手もいないので…





大阪―ハンブルクは雨で重ぐらいまで悪化すれば、Ribot3本クロスの◎ヒルノマゼランと稍重[0-4-0-1]の○シセイヒテンがひとまず浮上かと

他のレースはこれから考えますが、NETKEIBA「厳選予想 ウマい馬券」では桜花賞と春雷Sと美浦Sを予想していますので、日曜もよろしくお願いします(競馬道OnLine「今週のBLOOD穴ライズ!」は栗山さんの担当)

http://www.keibado.ne.jp/keibaguest/premiumservice/index_lp2.html
http://yoso.netkeiba.com/?pid=yosoka_profile&id=24&rf=umatop

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土曜のボツ予想~ダイワメジャー黄金配合

2020-04-11 09:30:43 | 血統予想

Pacallaさんが「売り馬特設サイト」を開設とのことで、ここでも紹介しておきます

【売り馬特設サイト開設のご報告】
この度、新型コロナウイルスの影響(行動規制など)を考慮し、特設サイトを作ることにしました。
▼詳細はこちら
https://go.aws/2y0lirS

『特設』サイトという位置づけになりますので、今後サービス化する意図もなく、この状況が収束された際はやめたいと思います。今回はPacallaだけでなく全牧場を対象とし、みんなでこの状況を乗り切れればと思っております。
(仲介手数料、掲載料はかかりません)
このサイトだけでは微力だと思いますが、現段階で私達ができることを検討した結果、こういう形にさせていただきました。また、私達だけでは力が弱く、皆様のご協力を頂きたいと思っております。お力を貸していただけますと幸いです。何卒よろしくお願い致します

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野島崎は◎メトロポール
母系にMachiavellianとTroyとSharpen UpとWordenが入り、母父Street CryがドバイワールドCに勝った一流の中距離馬というダイワメジャー黄金配合



わりと締まりの強い体質とHaloクロスらしい脚捌きで、母母父に機動力抜群のLear Fanも入って中山内1800はまさにズンドバのイメージ、小回り内回りは[2-0-1-0]で白菊賞3着もここなら威張れる内容です

他のレースはこれから考えますが、NETKEIBA「厳選予想 ウマい馬券」ではNZTと阪神牝馬Sとひめさゆり賞を予想していますので、今週もよろしくお願いします(競馬道OnLine「今週のBLOOD穴ライズ!」は栗山さんの担当)

http://www.keibado.ne.jp/keibaguest/premiumservice/index_lp2.html
http://yoso.netkeiba.com/?pid=yosoka_profile&id=24&rf=umatop

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4/4,5の血統屋コンテンツ推奨馬の結果速報

2020-04-07 11:21:15 | POG

『望田潤のPOG好配合馬リスト(2019)』で推奨したユウゲン(牡3歳)が日曜阪神3Rの未勝利戦(ダ1800m)を勝ち上がりました。

ユウゲン(牡・父ロードカナロア・母モーニングフェイス)
https://db.netkeiba.com/horse/ped/2017106038/
母モーニングフェイスは忘れな草賞勝ち。近親にショウナンマイティ、ゴーフォザサミット、女傑Balanchine(愛ダービー、英オークス)など。サートゥルナーリアとカナロア×スペシャルウィーク×Sadler's Wellsまで同じ7/8同血で、母が中距離の活躍馬なのも同じ。もちろん資質やタイプが同じということはないのだが、たしかにカナロア産駒にしては距離がもちそうなタイプに見えるので面白い。(望田)

土曜阪神11RコーラルS レッドルゼル(一口・望田&栗山)
土曜中山11Rダービー卿CT2着 ボンセルヴィーソ(POG・望田)

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ユウゲンはデビュー戦のパドックを見たらなかなかの馬っぷりやったので単勝買って観てたんですが、道中包まれたらもう挙動がおかしくて、けっきょく前の馬たちを抜こうとしないままゴールイン(^ ^;)
サートゥナーリアに似た配合やけど気性もシーザリオの仔みたいや…と頭を抱えたんですが、兄のサザンブリーズやモーニングサンも勝つときは3-2-2-1とかそんなケイバばかり



まあダート替わりもよかったんでしょうが、カナロア産駒らしいしなやかさはあるので、馬群に入らなければ芝1800あたりでも面白い馬ではないかと思ってます
スペシャルウィーク肌といえばブエナビスタの仔も勝つときはだいたい3-2-2-1やし、ヴェンジェンスの勝ちパターンは大外に持ち出しての捲り一択、ディアンドルちゃんが最近大敗つづきなのも揉まれ込むケイバがつづいているからじゃないかと
エピファ産駒にしてもそういう気性は大きな弱点ではあるんですが、そういう気性だから型にハマったら大爆発できるという側面もあると思うのでね、単に臆病なだけやったらAureoleの血はとっくの昔に淘汰されていたと思うのでね

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第64回大阪杯回顧~充実の牝馬、桜舞うなか

2020-04-06 11:59:33 | 血統予想
阪神11R 大阪杯
◎1.ロードマイウェイ
○12.クロノジェネシス
ダノンキングリーはディープ×ストームキャット×リローンチの黄金配合だが、ずっと東京1800最強と書いてきたし、阪神内2000ならば“しなやかホエールキャプチャ”クロノジェネシスの充実をとりたいというのが筆者の考え。とはいえ大阪杯はハッキリ前有利内有利のレースで、土曜の競馬もそんな傾向は見てとれた。馬券的な妙味は、ユタカでスタートが決まればハナまであるロードマイウェイだろう。ジャスタウェイ×ジャングルポケットでトニービン4×3、ハイペリオン血脈の凝縮を両親から受け継ぎ、成長力と持続力に富む中距離血統。金鯱賞もチャレンジCも上がり3Fは同じ33.8で、前で受けて粘着力を活かすケイバならもっとやれる馬だ。

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予想コメントではこのように書いたのですが、日曜も10R難波はセラピアが番手押し切りで直後のポッケリーニが2着に流れ込み、9R千種川はコウエイダリアとトンボイの絵にかいたような行った行った

土曜以上に高速でイン有利バイアスになっている感もあって、逃げ馬不在といわれるなかでいったい何が逃げるのか、その逃げ馬の直後のインというベスポジをとるのはどれなのか、私のTLではそんな話題ばかりでした

ロードマイウェイはゲートの中でやっぱりジッとしてないし、出たときの体勢もよくなくて横に滑るような感じで脚を取られて後退、予想コメントにも書いたようにHyperion的な持続力粘着力で走る中距離馬なので、この悪癖を克服しないといろいろ難しいですね…

最もスタートが良かったのはラッキーライラックで、ミルコは直後のワグネリアン福永を牽制しながらラチ沿いへ、2番目にスタートが良かったダノンキングリー横山典は外のジナンボー藤岡祐介をチラ見しながら「俺が行くしかないか…」という感じでフワリとハナへ



1角の入りのパトロールですが、この時点でダノンキングリーが早々と失速しない限りは、ラッキーライラックの好走の確率がマックスまで高まったといえます

ノリとしてはもっとドスローに落としたかったのかもですが、ジナンボーが微妙につついてくるので中盤も緩むことはなく、前後半でいうと60.4-58.0

これが18年のように向正面でもっとペースダウンすれば、スワーヴリチャードのようにそこで一気に先頭に立つ術もあるんですが、そのスキもないぐらいの絶妙なスローで、ラチ沿いを走った前の組にしかチャンスはないレースになったといえるでしょう

これは4角手前の映像ですが、クロノジェネシスの外を回った5頭は全滅で、最後方から上がり1位で4着に追い込んだカデナはここからラチ沿いに突っ込みます



そんなわけでラッキーライラックにとっては理想的なレースになったといえるし、その外を回りつづけたクロノジェネシスも非常に強い2着だったといえるかと

秋華賞で+20キロで復帰して以降、フォトパドックや追い切りを見るたびに「前走より更にいい!」と毎回言いつづけているほどで、小さなBlushing GroomがHyperion的なスタミナに支えられて古馬になってブリブリ成長して頂点にまでのぼりつめるというのはマヤノトップガンの頃はよく見たシーンですが、バゴやNashwanがこういう成長曲線に乗ったら恐るべしです

ラッキーライラックも牝馬クラシックはアーモンドの露払いみたいな役回りも、そこから地道に着実に成長しつづけ、エリ女でインを切り裂いて勝ったのはスミヨンマジックという印象も強かったんですが、今日の直線でもダノンとジナンボーの間をこじ開けるように割って出て、あんなケイバは若いころはできませんでしたからね



さっさんの最後の予想は、G1に昇格する前年の16年大阪杯、◎はショウナンパンドラで、根拠は「Burghclereとディクタスを通じるBusted≒Doronic4×4の本格化」

2日後の4月5日に突然逝ってしまいましたが、2020年4月5日に行われたG1大阪杯は、充実期を迎えたオルフェーヴル産駒と上がりに上がるバゴ産駒の叩き合いとなり、まあいつも言うように全馬に公平なレースなんてないので、ここは牝馬2頭の成長をほめたたえ充実に脱帽して終わりにしたいと思います…さっさんお化けもそれで成仏するでしょう

1~3着馬についてはNETKEIBAの全頭血統解説より再掲します

ラッキーライラック
母ライラックスアンドレースはアシュランドS(米G1・AF8.5F)勝ち。母父Flower Alley(トラヴァーズS)はトーセンラーやスピルバーグの半兄でアイルハヴアナザーの父。母父フォーティナイナー系はエポカドーロと同じ。ミッキーアイルやアエロリットと同じ北米牝系だが、母系のSeattle Slewの影響でオルフェ産駒にしては伸びのある体型。今は大箱2000がベストコースか。ここも中山記念ぐらいは。(距離◎スピード○底力○コース○)



クロノジェネシス
母クロノロジストはビーチサンバと同血(父が同じで母が全姉妹)の間柄で、本馬の他にもノームコアやハピネスダンサーなどを産んだ名繁殖。母母インディスユニゾンはフサイチエアデールの全妹にあたる。秋華賞は+20キロ、京都記念は+12キロと馬体は充実一途。Blushing Groom系らしいオールラウンダーでHalo5×4らしい機動力も持ち合わせており、馬場も不問で死角の少なさではここでも最右翼の存在。(距離○スピード○底力◎コース◎)



ダノンキングリー
ダノンレジェンドやダノングッドの半弟で、トラヴァーズS勝ちウエストコーストの甥。母母Caressingは北米2歳女王。ディープ×Storm CatにIn RealityやCequilloが入る黄金配合で、性能の高さはサートゥルナーリアにもヒケをとらない。Relaunchの血が入るので本来はフワッと流れ込む脚質で、ずっと東京1800最強説できたが、阪神内2000だとスローを先行流れ込みが理想。(距離○スピード◎底力◎コース○)



ラッキーライラックの配合そのものはデビュー時から絶賛してきたのであんまり書くこともないですが、「3/4Northern Dancerクロス」をエレクトロアート≒Sadler's Wellsのニアリークロスで締めるというのはオルフェ産駒としては最高得点がつけられるものです

あとオルフェ産駒は母や母父にマイラーっぽいスピードを入れて先行力や機動力を増す配合にしたほうが大きいところを勝ちやすく、重賞勝ち馬の母は

ラッキーライラック…母ライラックアンドレースはアシュランドS(米G1・AF8.5F)勝ち
エポカドーロ…母ダイワパッションはフィリーズレビュー勝ち
サラス…母ララアはハリウッドスターレットS(米G1・AW8.5F)勝ち
シャインガーネット…母ベルベットローブはGone West産駒でJRA3勝(ダ1400~1800)
ロックディスタウン…母ストレイキャットはStorm Cat産駒でワンブレスアウェイやキャットコインの母

いずれもミスプロやStorm Catなどのスピード系でマイラーなんですよね

たとえばシンボリクリスエスやキングカメハメハやブライアンズタイムの肌とも相性は良くて勝ち馬率なんかは高いんですが、母中距離型のオルフェ産駒は軽快に先行できないことが多いので、重賞を勝ちきるとこまではなかなかいかないんですよね…エスポワールとかオーソリティとかタガノディアマンテとかね

週末までに皐月賞の全頭解説をすすめなければならないんですが、ヴェルトライゼンデはPOGで推奨したように大好きな馬でまだまだ奥があると思ういっぽうで、ドリームジャーニー×マンデラ(Acatenango)で良の皐月賞を勝ち切る絶対スピードがあるのかどうかというね、そのあたりももう一度思案してみたいです
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日曜のボツ予想~ストライド差しで振り回したい

2020-04-05 10:37:01 | 血統予想

昨秋復帰後のクロノジェネシスは、直前追い切りを見るたびに「前走より良い動きやな!」と言ってる気がしますが、馬体も張りが良くなってるのにしなやかさも増してるんですよね…もりもり成長するNashwanしゅごい

難波は△セラピアはこれぐらいの距離のほうがよさそうですが、最近のミルコは押さえきれない感じで行かせてしまうので、1400のHペースを逃げ切った後だけに気合いよく行きすぎてしまうのではないかと
☆ゴータイミングはDarshaanの斬れで差すので大箱1800がベストですが、斬れに特化しすぎててどちらかというとスロー専な差しで(Darshaanあるある)、スロー専なくせに引っかかるというのがサラフィナのややこしいところでユタカが苦労するところ



となると、ストライドで差す◎シャンティローザ○ルナステラ▲サトノケンシロウで振り回したいところですが、まあパドック見てから買い方組み方などは考えます

NETKEIBA「厳選予想 ウマい馬券」と競馬道OnLine「今週のBLOOD穴ライズ!」では大阪杯と山吹賞と浅草特別を予想していますので、日曜もよろしくお願いします

http://www.keibado.ne.jp/keibaguest/premiumservice/index_lp2.html
http://yoso.netkeiba.com/?pid=yosoka_profile&id=24&rf=umatop

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クロドナペリオン

2020-04-02 00:48:19 | 配合論

Deputy Minister的なエッセンスを増幅したフレンチデピュティとNasrullah的な血を凝縮したブルーアヴェニュー(Nasrullah≒Royal Charger≒Oil Capitol≒Furrokh Siyar≒Nizami4・5・6×5・5・6・6)との間に生まれたクロフネは、NHKマイルを勝ったあとは武蔵野SとJCダートをぶっこ抜いて伝説の最強ダート馬として名を遺しました



種牡馬としてはダートのパワーはもちろん、芝大レースを勝つようなストライドも伝え、馬格があってオールラウンドで、今のところ有力な後継が出ていないのが非常に残念というべきでしょう

改めてクロフネの血統表を眺めていると、やっぱりこの血統表に唯一足りないものは、秋天とか菊花賞を勝つような底力のある血やと思うんですよね、BurghclereとかVaguely NobleとかMonsunとか、トニービンとかディクタスとかリマンドとかね



これはクロフネの血を引く最近の活躍馬で、相変わらず牝に大物が出るのはそのあたりもあるんでしょうが、クロフネを父や母父に持ち芝の大レースを勝つような馬は、前記したような血を他の部分から補っていることが多いことに改めて気づきます

たとえばの話、もしアエロリットの母父がネオユニヴァースではなくサンデーサイレンスだったら、あんなHペースでガリガリ逃げて二枚腰を使うような底力を発揮したかどうか、やっぱりそこはポインテッドパスに入るBarley CornやCrepelloやWordenなんかが効いていると私は思うのですよ

ネオユニヴァースの母ポインテッドパス




この組み合わせ血統表を見てのとおりで、クロノジェネシスについては“鯨のミスプロ炒め”と評してきましたが、最近の立ち姿なんかみてもほんとにホエールキャプチャを脚長にしたようなイメージになってきたと思います

この2頭にしても、Nashwanの母Height of FashionがBurghclereと3/4同血で、Hyperion3×2にBustedとFeolaですからね





一口に“クロペリオン”と言ってもペリオンの中身も大事で、「HyperionとDonatelloとSon-in-Law」という英国ステイヤー御用達のスタミナの組み合わせだから、そういう底力を補うから大物が出るのだというね

牡の芝の活躍馬をみても、パクスアメリカーナはホエールの全弟(Height of Fashionとリマンド)、ステファノスとシャイニングレイとベストアクターは父ディープインパクト(Burghclere)、リオンリオンはエアグルーヴ(トニービン)とフェアリードール(Sharpen Up)ですから、Nashwanやポインテッドパスと同じく「HyperionとDonatelloとSon-in-Law」を補強しているのは同じ



クロノジェネシスの姉ノームコアについても触れなければならないですね、これは父がハービンジャーで、ハービンジャーはハイハット≒Aureole5×6とCrepello7×5です

クロノロジストはJRA出走産駒8頭中7頭が勝ち馬で計22勝をあげているという名繁殖ですが、父から「HyperionとDonatelloとSon-in-Law」を補強したクロノジェネシスとノームコアだけがG1まで到達したというのは、クロフネ目線からみても偶然ではないと思えてきますよね

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3/28,29,31の血統屋コンテンツ推奨馬の結果速報

2020-04-01 10:53:48 | 共有クラブ

『一口馬主好配合馬ピックアップ(2018)』で望田潤が推奨したピュアブレンド(牝3歳)が日曜中山1Rの未勝利戦(ダ1800m)を勝ち上がりました。

★シルクホースクラブ
父ヴィクトワールピサ
母ウルトラブレンド(Richly Blended)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2017105225/
牝 募集価格:1500万円
ベアインマインドの3/4妹で、母ウルトラブレンドはクレメントLハーシュS(米G1・AW8.5F)勝ち馬。Mr.Prospector4×5とGold Digger≒Fleet Nasrullahのニアリークロス5×5・6を持ち、歩きにナスフリート的柔さを感じる大型のヴィクトワールピサ牝駒。パールコードなどと近いイメージで、スイートピーSや紫苑Sで権利を取って本番へ...というローテ像が容易に描ける中距離馬です。この募集価格はお買い得感ありますね。(望田)

日曜阪神11R六甲S ウーリリ(ディープ・望田&栗山)
日曜中京11R高松宮記念2着 グランアレグリア(ディープ・栗山)
日曜阪神12R1000万下 レッドシルヴァーナ(一口・栗山)



ピュアブレンドはツアーで実馬を見てもいかにも走りそうなヴィクトワールピサ牝駒で、お値打ち価格やったこともあってなかなか大人気でしたね
ヴィクトワールピサはミスプロ的柔らかさ、ナスフリート(NasrullahとCount Fleetの組み合わせ)的柔らかさを増す配合が成功しやすく、スカーレットカラーもヴィクトーリアもブレイキングドーンもミッシングリンクもMr.Prospectorのクロスだし、パールコードはGold Digger≒Fleet Nasrullah5×5で、コウソクストレートも母系にナスフリートのCozzeneが入ります





ツアー当日に兄のベアインマインドがメイン佐渡Sで9人気2着と激走し、私あの馬券とったんですが理由はシンプルで、ガンバコ見たら10頭立て9番枠やったのでアフリートが揉まれず気分よく先行したら面白いということで、グローリーヴェイズと1点だけ買ってたのでレイクヴィラの人に自慢しまくりました(・∀・)
ピュアブレンドもスタート後はちょっと厳しいかなという追走でしたが、3角すぎて一番外に出してからは持ったままで進出、妹もやっぱりマイルドなアフリート魂を感じました(^ ^;)配合どおりの柔さがあるのでダートなら馬場が軽いほうがいいし、芝もいけるいい走りやと思います

コメント (2)
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