スペシャルウィークに追い切りで初めて跨ったとき、「ダンスパートナーに似てるやろ」白井先生がいうと、ユタカは「ダンスインザダークに似てますね」と言ったらしい
スペシャルウィークとダンスインザダークは、サンデー×Nijinsky×Tom Fool×ハイインロー的スタミナ(Aureole,Flower Bowl)と配合のアウトラインがよく似ていて(母系にNasrullah的スピードが希薄な点も似ている)、ともにサンデー系種牡馬のなかでは長い距離を得意とするほうですが、血脈構成的には血統表の3/4以上が米血なので、米スピードが豊富な牝馬との配合だとマイラー寄りの馬を出すという傾向もみられます
母がSeattle Slew×Mr.Prospector×Secretariatのリーチザクラウンや、母父Storm CatでNijinsky≒Storm Birdを持つオースミダイドウ、Nijinsky≒The MinstrelとHalo≒Droneをクロスするジョリーダンスなどが好例でしょう
競走馬として2400mがベストだっただけに産駒の代ではある程度スピードを入れる必要はあるのですが、入れすぎると一気にマイラー化してしまうところもあるので、父の2400mベースの強さをそのまま受け継ぐためには、米スピードと欧スタミナの両方をバランス良く増幅する必要がある…というのが模範的な解答
「スペシャルウィーク産駒の場合は、女傑2頭(ブエナビスタとシーザリオ)の配合のアウトラインがよく似ている(母系にNorthern DancerとSir GaylordとHyperion的スタミナが入る)ことにまず着目したいですね。これに則した配合から中距離の大物を一本釣りしたいところです」
と、先日入稿したNETKEIBAのPOG特集「有力種牡馬クリニック」では書きました
ブエナビスタはマルゼンスキー≒Caerleonのニアリークロス(Nijinsky,Princequillo,Pharamond,La Troienneなどが共通)で両者のA級米血を増幅し、AureoleのハイインローにはSticky CaseとTudor Minstrelの「HyperionとLady Juror」や牝系の独Dark Ronald血脈が脈絡していた
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2006103319/
シーザリオはマルゼンスキーのA級米血にBold ReasonとHabitatが脈絡し、AureoleのハイインローにはForliの「HyperionとLady Juror」や牝系のHyperion+独Dark Ronaldが脈絡していた
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2002100844/
そしてどちらも母がSir Gaylordを通じるTurn-toのクロスを持っていた
何度も書いてきたことですが、ブエナビスタの何が素晴らしいかというと、長手でストライドの大きさとしなやかさで走ったスペシャルウィークと、伸びのないマイラー体型でTurn-toやLady Jurorの小脚で走ったビワハイジという、この全く異なる父母のキャラが、信じられないほど理想的に噛み合って伝わっていることです
それを噛み合わせたのは、やはり配合が優れているからでしょう
Caerleonのオークス
http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/27aaa0e61e4a315eb5dee2a19c233894
マルゼンスキー≒Caerleon3×2の持つ意味
http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/f7378d7d695aac0431354a53bfc344a4
スペシャルウィークと「ナスキロ」
http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/cfc24683bcb17b657005a0116bdc91f0
Halo≒Sir Ivor3×4とTom Fool6×5が狙い通りに伝わっていて、柔らかく無駄がなく俊敏な動きができます
ただその場合、Danzigがここに入ってる必要があったのかどうか、走るフォームにもDanzig的なところが少し出ているのが気になりました
オープン級の素材だとは思いますが、たとえばDanzigのところがミスプロだったらもっとベタボメできるのになあ…とも(サイレンススズカのようなスピードが出たかも?)