阪神11R エリザベス女王杯
◎17.エスポワール
○4.ソフトフルート
▲13.サラキア
△11.ラヴズオンリーユー
×6.ノームコア
×8.センテリュオ
×12.ウインマリリン
×18.ラッキーライラック
阪神2200は4角奥のポケットからのスタートで、1角までが京都2200よりも長い。だからスタートダッシュが速くない馬でも、リスグラやゴルシのように長いホームストレッチで押し上げてポジションをとることは可能だ。阪神芝が日曜もこのまま高速インベタだと、ルメールやユタカや武史などは枠ナりに外を回らされるよりは1角までに前目につけてしまうかもしれないし、ミルコがスワーヴリチャードのような向正一気をやるかもしれない。いずれにしても、無敗の三冠馬やアーモンドのような存在はいないから、みんなG1取りのチャンスを虎視眈々と狙っているだろうから、意外に緩まず流れて、持続力や底力も問われるレースになるほうに張ってみたくなった。
エスポワールはアドミラブルの半妹で、リンカーンやヴィクトリーの姪で、アリストテレスのイトコで、オルフェーヴル×シンボリクリスエス×サドラーズウェルズはオーソリティと酷似した配合。血統的にみてもマイルより中距離だし、京都外より阪神内というタイプだ。絶好調ユタカがこの伏兵をこの外枠でどう乗ってくるか。確証はないけれど、馬券的にもレース観戦的にも楽しめる◎だと思う。
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例によって1~3着馬の血統解説とリード文をNETKEIBAより再掲
<今年は阪神芝内2200での施行なので、Nureyev≒Sadler's Wellsの血に注目>
今年は阪神芝内2200で行われるエリザベス女王杯。同距離でも京都外回りと阪神内回りでは求められる能力や適性はかなり異なる。
阪神内2200で行われる重賞は宝塚記念だけだが、近年の宝塚記念で連対した牝馬をあげると、クロノジェネシス、リスグラシュー、マリアライト、デニムアンドルビーの4頭。この4頭に共通するのはSadler's Wells≒Nureyevの血をもつことで、もともと宝塚記念はヌレサドの血が強いレースでもある。
取り上げた馬では、ウラヌスチャーム、エスポワール、サトノガーネット、ミスニューヨーク、ラッキーライラック、ラヴズオンリーユー、リュヌルージュ、ロサグラウカがヌレサド(Fairy King)の血を引く。
ラッキーライラック
母ライラックスアンドレースはアシュランドS(米G1・AF8.5F)勝ち馬で、ミッキーアイルやアエロリットも同牝系。母父Flower Alley(トラヴァーズS)はトーセンラーやスピルバーグの半兄でアイルハヴアナザーの父。母父フォーティナイナー系はエポカドーロと同じ。オルフェ産駒らしく古馬になってもうひと皮むけ、エリザベス女王杯と大阪杯を制覇。札幌記念から上積みもありそうで、4つ目のG1タイトルを視野に。(距離○スピード○底力◎コース◎)
サラキア
サリオスの3/4姉で、サンタフェチーフの姪。母サロミナは独オークス(独G1・芝2200m)勝ち馬。母父Lomitasは独年度代表馬で独リーディングサイアー。母方が強い体型体質でディープ産駒にしては斬れ味は並だが、ますますHyperion的に粘り強い脚質になってきた。気難しいAureoleの血を引くので馬群を嫌がる面はまだあり、ハナを切るか一番外から差すかが好走パターン。ここは多頭数がネックかも。(距離◎スピード○底力◎コース○)
ラヴズオンリーユー
リアルスティール、ラングレー、プロディガルサンの全妹で、欧2歳女王Rumplestiltskinの姪で、仏ダービー馬Study of Manとも7/8同血。母母MonevassiaはKingmamboの全妹。ディープ×Storm Catはキズナやエイシンヒカリなど活躍馬多数の黄金配合。力強く差し切ったオークスを見てのとおり、リアルスティールよりも長手で大箱向きの斬れがある。阪神内回りだと鳴尾記念のような差しになるだろう。(距離◎スピード○底力◎コース○)
今年のエリザベス女王杯は高速馬場の阪神芝内2200で行われ、おまけに確たる逃げ馬不在で、いったいどれがハナを切るのか、1角までの長いホームストレッチでポジションを取りにいく馬はいるのか、あるいは向正でスワーヴリチャードばりの進出があるのか、展開やペースが非常に読みにくくてそんな話ばかりしてました
押し出されるようにハナに立ったノームコアは、正攻法だとこの距離は少し長かったという大負けでしたが、59.3-12.0-59.0という平均ペースの逃げ
ちょっと馬が行きたがったのもあったものの、俺が逃げるんだからおかしなペースにはしないよというノリの逃げで、各馬途中で動きたくなるような緩みや淀みはなく、強い3頭が外を回って脚力の違いを見せつけて1~3着、終わってみれば非常に真っ当な結末でした
これでラッキーライラックは4つ目のG1タイトルを手中にしたわけですが、阪神JF(2歳)、エリザベス女王杯(4歳)、大阪杯(5歳)、エリザベス女王杯(5歳)、早期から素質を見せながらも最も活躍したのが5歳というのは父オルフェーヴルの成長曲線そのもの
何度か書いていますが、まだ未完成なまま春二冠をぶっこ抜き、夏休みを挟んで出てきた神戸新聞杯で腰やお尻がプリッとして顕著な成長を見せ、引退レースの5歳有馬が8馬身ぶっちぎりで最強だった…というのが名馬オルフェーヴルの最も凄みあるプロフィールなわけでね
この成長力の根源が4×3でクロスするノーザンテーストの血、ノーザンテーストが3×2でクロスするLady Angela(父Hyperion)の血であることは今さら言うまでもなく、ノーザンテースト産駒も「三度変わる」とよく言われたもんです
「これ○○の1歳です」
「お~これまた○○の仔らしくなってきましたね(・∀・)」
「なんで中距離のスラッとした種つけても、コロンとして短足になっちゃうんでしょ(^ ^;)」
「○○の母母父ノーザンテーストが代を経ても威張ってるからですよ。短足で伸びのない体型で、持続力と我慢強さと成長力に富むのがHyperionです」
「なるほど…まさにテーストの特徴そのものですね」
「Hyperionは体高152cmぐらいだったそうですよ」
先日生産者とこんな話をしていたんですが、代表牡駒のエポカドーロこそ脚部不安から立ち直れないまま引退したものの、ラッキーライラックは5歳の今がまさに充実期、ジャスティンは4歳の今年交流重賞を3勝する大活躍、マルシュロレーヌは4歳秋にダートで覚醒し来年は牝馬交流路線の主役を張りそうだし、バイオスパークは5歳の今年ついにオープン入りし福島記念でついに重賞に手が届いた
春クラシック照準のノーザン帝国には未だにウケは良くないのかもしれませんが(^ ^;)、オルフェーヴルこそが今日本で最もノーザンテースト的な、Hyperion的な種牡馬なのです
「ダービーや桜花賞はノーザンに対抗するのはなかなか難しいけど、古馬になって成長が追いつけばオラんちのオルフェだって…」
今春日高からの種付が殺到した理由は、比較的リーズナブルな種付料だけではないでしょう
以下はMahmoudさんの個別ラップ(後半1000m)
ラッキーライラック 57.1-11.7-11.5-11.2-11.1-11.6
サラキア 57.0-11.8-11.5-11.4-11.2-11.1
内回りの3~4角を11.2-11.1で捲り上げるのがラッキーライラックの真骨頂で、上がり11.7-11.3-11.2-11.7の大阪杯で最内をすくうのも真骨頂といえますが、このコーナリング性能や内回りでのフケのよさはまさにアメリカン、フォーティナイナー×ステラマドリッドのライラックスアンドレースの真骨頂ともいえます
このアメリカン・オルフェで京都外2200や沙田2400をフレンチに差してしまうスミヨンがヘンタイなのであって、ルメールやミルコはノーマルプレイでラッキーライラックの持ち味を十分に引き出したといえ、昨年スミヨンが神ヘンタイ騎乗で勝たせてるだけに、連覇を期待されたルメールとしては内心期すものがあったんじゃないかと(・∀・)
ラッキーライラックの配合についてはデビュー時からずっとほめてきたのでもう詳しくは書きませんが
・母がフォーティナイナー系のマイラー(中距離×マイラー)
・母母にだけNorthern Dancerが入らない「3/4Northern Dancerクロス」
・エレクロトアート≒Sadler's Wellsのニアリークロス(そこにMr.Prospectorのクロスを重ねNantallah≒Nashua的パワー増幅)
・Flower Alleyの母プリンセスオリビアがハイハット≒Aureole4×5で、これがノーザンテーストのLady Angelaと呼応(Hyperion+Swynford+Pretty Polly)
ひとまずオルフェーヴル産駒として考えられるベストな配合で、教科書とすべき配合やと思います
サラキアはいつも書くように母母父Tiger Hillに入るAureoleの血の影響で馬群がダメで、一番外から差すか逃げたときは距離馬場コース不問でオール好走
Aureole魂百まで、もう来年は6歳ですからもうこの気性はなおらんでしょうが、北村友はこの馬に乗ったら必ず一番外から差すのでそれだけでも正しい(3歳夏の青島でも外捲りで勝ってます)
ラヴズオンリーユーは矢作師が言うように、満点のオークスまではいかなくても今年ベストの出来で、全兄リアルスティールより脚長でディープ×Storm Catらしいストライドで差す馬ですから、この出来で京都外だったらもっと肉薄できただろうし交せたかもしれません
日高目線で考えれば今のままの値段で据え置きなら、値段が上がったキズナあたりから頭数まわってきそうだけども
リーディング上位のなかでは最もノーザンテースト的Hyperion的な成長力を伝えている種牡馬やと言ってるだけです私は(・∀・)
ノーザンテーストと言えば、私が競馬を本格的に見始めた時の大種牡馬。当時はトウショウボーイのライバルと思って、敵視していましたね。
そして、早熟であり晩成であり、距離馬場不問で未勝利も大レースも強い万能さがとても怖かった(笑)
牝系の影響だけが語られますが、後継馬も大事に育てていれば繁栄したのではないかと。
柔軟なサンデーサイレンスとは対照的な体質ですが、ノーザンテーストの影響がサンデー系のオルフェーブルに顕著に伝わっていると思うと、嬉しい気持ちになりましたね。
もうしばらくお待ちくださいm(_ _)m
その後、牧雄氏のところからメロディーレーンが出てきたのを見て競馬って本当に面白いなって思いました
「本当に競走馬としては凄い良い馬だと思うんですよ。背中強くて手先に力あるから歩かせても歩様が速いし、全身バネだから、身体の割に滞空時間が長くて大きい完歩に見えるんですよね。凄い強靭な筋肉の持ち主なんですよ。どうしてこれが種馬として大成功しないのか私にはちょっと不思議なんですけど、産駒がまだまだ出てくるんで、これからとんでもない大物が出せるんだろうなとは思っています。ただ、小さい産駒が多いのがネックなのかなという気はしますね」