栗山求/望田潤監修「パーフェクト種牡馬辞典2024-2025」

砂の隠れ名繁殖が持つ2×2のニアリークロス

2015-06-15 13:59:35 | 配合論

日曜の三宮特別で3勝目をあげたテイクファイアの母テイクザケイクは、自身もダートで4勝をあげた活躍馬で、これまで中央に出走した産駒はテイクエイム4勝(父プリサイスエンド)、テイクアベット6勝(サクラバクシンオー)、エスケイティアラ3勝(スズカマンボ)、テイクファイア3勝(父サウスヴィグラス)、そして今週のユニコーンに登録があるカフジテイク2勝(プリサイスエンド)と全て勝ちあがっており、しかもこの18勝は全てダートという砂の隠れ名繁殖牝馬でもあります

テイクザケイクの父スキャンはジェイドロバリーと同じMr.Prospector×Nijinskyでダート巧者を量産しましたが、その母VideoはCaerleonの全妹にあたり、テイクザケイクはこの血を増幅しているというか、以下のようにザックリいうとVideo≒ラシアンルーブルのニアリークロス2×2で、何を付けてもダート上級を出す自己主張の強さは、Caerleonというよりラシアンルーブルの力馬っぽさでしょう
http://db.netkeiba.com/horse/ped/1999105801/

┌Nijinsky
Video
│ ┌Princequillo
│┌○
└△
 └△
  └△
   └△┌Black Toney
    └Big Hurry
     └La Troienne
┌Nijinsky
ラシアンルーブル
│┌○
└△└△┌Blue Larkspur
 │ └Businesslike
 │  └La Troienne
 │┌Princequillo
 └△

テイクザケイクの仔はダート向きとはいってもPOG期間内に2勝は計算できるだけに、現2歳のカネヒキリも狙って面白いのではないかと(ちなみにカネヒキリはフジキセキ産駒だけに、キンシャサノキセキ同様クロスのうるさい牝馬との配合に向く)

カフジテイクは血統体型戦績からベストは1400mでしょうが、1400m型が意外に頑張るのがユニコーンSというレースでもあります

本日18時更新NETKEIBA「重賞の見どころ」ではユニコーンSと函館スプリントSの人気上位馬の血統解説を書いていますので、今週もよろしくお願いします

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6/13,14の血統屋コンテンツ推奨馬の結果速報

2015-06-15 10:56:43 | POG

■『ディープインパクト好配合馬リスト(2013)』で望田潤が推奨したエイシンヒカリ(牡4歳)が日曜東京11RエプソムC(G3・芝1800m)を勝ちました。

◎エイシンヒカリ(牡、母キャタリナ)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011101273/
エーシンクールデイの半弟で、Sir Beaufort(米G1サンタアニタH)の甥。ディープ×Storm Cat×Caroまでがヒラボクディープと同じで7/8同血の間柄になる。母系の奥にKey to the Mintのパワーとスタミナが入るので、配合はヒラボクよりも上の評価ができる。

■土曜阪神9R香住特別 ウェーブゴールド(POG・望田)

■土曜東京12R500万下 エルゴレア(POG・望田)

■日曜東京8R500万下 レアリスタ(POG・望田)
■日曜東京11RエプソムC2着 サトノアラジン(ディープ・栗山)
■日曜東京11RエプソムC3着 ディサイファ(ディープ・望田)
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春のG1、ディープとキンカメの復習

2015-06-15 10:36:52 | 配合論

〈これまでディープインパクト産駒はダービーに17頭が出走して[2.0.1.14]という成績ですが、勝ったディープブリランテとキズナには「Burghclereのニアリークロスを持つ」という配合的共通点があるのです

Burghclereはディープインパクトの母母で、Busted~Donatello、Hypericum~Hyperion、Court Martial~Fair Trialといった重厚な欧スタミナ血脈ばかりで構成されており、ここがディープインパクトのスタミナ源と言ってしまっていいほどです

そしてディープブリランテはBustedやAuroraやCourt Martialなどを使って、キズナはDonatelloやAuroraなどを使って、このBurghclereのスタミナをニアリークロスしており、これが2400mに延びても踏ん張りがきいた大きな要因と考えられるのです

Burghclereの血をニアリークロスすることがスタミナ獲得に有効なのは、ディープ産駒で最も長距離を得意とするファタモルガーナ(ステイヤーズSとダイヤモンドSで2着)や中山大障害に勝ったレッドキングダムが、ともにBurghclereの血を色濃くニアリークロスしていることからも明らかでしょう

ただ不思議なことに牝駒の場合は、ジェンティルドンナもデニムアンドルビーも、長距離をこなすのにBurghclereのニアリークロスは持っておらず、このニアリークロスは牡のほうがスタミナとして伝わりやすいのかもしれません

というわけで、Burghclereのニアリークロスを持たないディープ産駒はダービーに9頭が出走し[0.0.1.8]という成績、掲示板に載ったのはトーセンホマレボシだけで、人気を着順が上回ったのも3頭だけ

リアルスティールもBurghclereのニアリークロスを持っていないので、2400mを克服できるかどうかは微妙と言うべきですが、トップスピードに乗る速さは世代屈指で、ジェンティルドンナに近い脚質という私のイメージが正しければ、スローの上がりだけの競馬になったほうがチャンスはあるでしょう〉
(『UMAJIN』5月号「血統と馬券 ここだけの話」ダービー展望部分より抜粋)

リアルスティールの骨折の影響がどれぐらいあったのかは微妙で、厳密な距離適性の問題は秋に持ち越しになりましたが、2着サトノラーゼンの母系に入るIron Dukeは母父がAureole、つまりサトノラーゼンはBurghclere≒Aureoleのニアリークロス3×6を持つのです

下記エントリで「東京の大レースで好走するキンカメ産駒はみんなナスキロのクロスを持っていて、持ってなかったのはHornbeam≒パロクサイドのナタのストライドで走るルーラーシップだけ」と書いて、だからダービーではコディーノもトゥザワールドも軽視したのですが、今春の東京G1で好走したキンカメ産駒は、ルーラーシップと3/4同血のドゥラメンテと、母系にA.P.IndyとHabitatを引くケイアイエレガントと、母父フレンチデピュティのミュゼスルタンで、今年もナスキロクロスとHornbeam≒パロクサイドしかきませんでした

Burghclereのニアリークロスを持たないリアルスティールがBurghclere≒Aureole3×6のサトノラーゼンを差せず、ナスキロのクロスを持たないトゥザワールドがMill Reef5×5のタガノグランパを差せなかったというのは、東京2400mという舞台においては順当な結果といえるのかもしれません

配合に素直な前チャンピオンサイアー(3)~東京G1で好走したキンカメ産駒は、みなナスキロのクロスだった
http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/b2b7f4870cd1ed736f6dc4df4481abf3

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