栗山求/望田潤監修「パーフェクト種牡馬辞典2024-2025」

日曜の重賞回顧~春競馬を締めくくるディープ×Storm Cat決戦

2015-06-14 17:20:21 | 血統予想

東京11R エプソムC
◎2.サトノアラジン
○12.ディサイファ
▲6.エイシンヒカリ
△13.フルアクセル
×4.ヒラボクディープ
×11.フルーキー
注9.フェスティヴタロー
注10.マイネルホウオウ
ユタカとエイシンヒカリのコンビは魅力十分だが、前走をみてもまだトモが非力な前輪駆動で京都の下りでスパートして押しきったという勝ち方で、やはりベストは京都コースで直線に急坂がない東京はセカンドベスト。しかもフェスティヴタローやアーデントの出方も微妙で、ここはサトノアラジンから差し馬を拾う手だろう。ラキシスの全弟で、姉ほど胴伸びのある体型ではないが、ディープ×ストームキャット×ミスプロ×ニジンスキーらしいストレッチランナー。ルメールとも手が合っているし、この頭数このメンツなら差し損ねはないとみたい。ある程度前傾ラップで流れるようなら穴はフルアクセルか。マイラーではなく中距離馬だし、母方はドイツ血統で晩成型の血統でもある。

阪神11R マーメイドS
◎1.イリュミナンス
○3.バウンスシャッセ
▲12.マリアライト
△8.リラヴァティ
×7.アースライズ
注14.カノン
イリュミナンスはフラガラッハの3/4妹で、母スキッフルはジャングルポケットと同じトニービン×ヌレイエフでハイペリオン4・6・6×5・6・6だから、持続力と粘着力と成長力を強く伝える繁殖牝馬だ。2歳の暮れに新馬勝ちしてクラシックロードに乗りかけたが、そこからは上級条件で入着を重ね、しかし前走は休み明けで+18キロも決して太くなく、肉付きがよくなって頑強さを増したように見えた。5歳になってようやく母方の濃厚なハイペリオンの血が完全に開花してきたようで、血統どおりの粘着力や持続力を期待できる体質に完成してきたとみたい。ならば阪神内回りの持続戦はむしろ歓迎で、ハンデをもらってこの鞍上なら◎で狙う。

--------

エイシンヒカリは坂の上りに差しかかったところで今日もやっぱりフワッとして外にヨレて、そこを狙いすましたかのようにサトノアラジンはインに潜り込んで並びかけたんですが、あそこで抜かれるところまでいかなかったので、坂を上がってからもうひと脚使って抜かせなかったのは見事

予想コメントにも書いたように下りで惰性をつけて転がり込める京都がベストコースで東京はセカンドベスト、秋天や宝塚を狙うにはこのトモの非力さがもう少し解消されてこないと…とは思います

さすがにマイルCSや春天はちょっと適性外やと思うので、ブログのコメントの「来年のサンタアニタのBCターフを狙ってみてはどうか」という案は面白い…ダコールと似た前輪駆動のLittle Mikeが逃げ切ったコースですからね~

サトノアラジンは1キロもらってたとはいえディサイファに先着したので毎日王冠に出てもいい競馬になりそうですが、坂でフワッとしたエイシンヒカリを差せなかったのは現状の格というべきでしょうか

終わってみればディープインパクト×Storm Catのワンツー、キズナやラキシスやアユサンやリアルスティールやヒラボクディープなどと同じ配合で、AlzaoとStorm Catを通じるNorthern DancerとSir Gaylord≒SecretariatとAttica≒First Roseの組み合わせのクロスになるので、東京外回り向きのストレッチランナーが出やすいということは何度も書いてきました

┌○┌Sir Gallahad
│└△
Attica
│┌Pharamond
└△
 └△
  └Alcibiades

 ┌Pharamond
┌○
│└Alcibiades
First Rose
│┌Sir Gallahad
└△

ちなみに3着ディサイファはAlzaoとShareef Dancerを通じるNorthern DancerとSir Ivorのクロスですから、やってることは似ていてだから適性も似てきます

そしてこのディープインパクト×Storm Catにおいては、母母のところにWar RelicやGood Exampleの血をもってきてEight Thirtyとのニアリークロスにすることで、ちょっと緩すぎる体質にも出がちなこの配合にパワーを補強することができて効果的である、ということも何度も書いてきました

ディープ×Storm Catで、母母のところにWar Relicとその全姉のSpeed Boat(Damascusなどに入る)、もしくはGood Example(Exclusive NativeやDeputy Ministerなどに入る)を引く配合パターンには、キズナ、アユサン、エイシンヒカリ、ヒラボクディープ、ダノンブライト、アルマミーア、オールウェイズラブ、(以下中央未勝利)ダノンアマン、サトノレガシー、ヴィーヴルがおり、今でも勝ち上がり率70%、オープン率40%を誇ります

フルーキーはデインヒル系らしいパワー体質なので中山記念最強だろうと書いてきましたが、今日のゴール前の走りをみても、前3頭より捌きが硬くてストライドが伸びてないのです

関西圏の1600~1800mは京都も阪神も中京も大箱なので、パワーとピッチで加速するこの馬にはあまり合っていないというべきで、しかしこれまでの14戦のうち13戦が東京か中京か外回り、つまり小回り内回りを走ったのはたった1回だけ

500万下の特別ですからもちろん楽勝なんですが、小倉1800mのタイランドCをうなりながら差し切ってます

マーメイドは思ったより緩めのペースで流れたのですが、勝負どころからマリアライトが大外捲りで勝ちにいったので、ただでさえ内が伸びない馬場で前の組は苦しくなり、それらが一斉に止まったのでイン差しを狙ったイリュミナンスやバウンスシャッセは手応えは十分あったけどスペースがなかった

結果マリアライトを目標に追い出したシャトーブランシュとパワースポットの外持続差しが決まるという、外1800mのHペースのような結末になりましたが、この結果を見て白い暴れん坊はニヤニヤしてるんじゃないでしょうか(・∀・)

マリアライトは母父エルコンドルパサーなのでなまじ機動力もあるのが裏目に出たというか、ワンテンポ早く捲りきってしまった感もありましたが、本命馬のレースをした強い内容と讃えたい

というわけで「こっちのトニービン×Nureyevかいいいっ!」というゴール前でしたが、でもこの内容ならば、どこかの牝馬重賞でHyperion色のパンツをついに見せてくれるんじゃないかと、そんな手応えが残った6着でもありました(・∀・)

以下、NETKEIBA「重賞の見どころ」より再掲しておきます

エイシンヒカリ
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011101273/
エーシンクールデイの半弟で、Sir Beaufort(米G1サンタアニタH)の甥。ディープインパクト×Storm Cat×Caroまでがヒラボクディープと同じで(7/8同血)、ディープ×Storm Catで母がEight Thirty≒War Relicのニアリークロスを持つのはキズナやアユサンと同じ。母系の奥にKey to the Mintの重厚なスタミナも入るので、全体の配合はヒラボクディープより上だ。ややトモが非力な前輪駆動で、都大路Sでは坂の下りから後続を突き放しにかかったように京都がベストコース。東京はゴール前に急坂がないのでセカンドベストなコースといえる。

サトノアラジン
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011104063/
ラキシスの全弟で、ディープインパクト×Storm Catはキズナ、アユサン、アルスティール、ヒラボクディープ、エイシンヒカリなどと同じ。この組み合わせはNorthern DancerとSir Gaylord≒Secretariatのクロスになるので柔らかな体質になりがちで、全芝47勝うち31勝を東京と外回りであげている。本馬は姉ほど胴伸びのある体型ではないが、脚長でストライドで走るのでやはり内回りより外回りがベターには違いなく、モンゴル大統領賞の豪脚をみても東京と外回りの1800mが一番斬れる条件とみていいだろう。ルメールもすっかり手の内に入れているだけに、ここは重賞初制覇のチャンスだ。

マリアライト
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011103832/
フォルトファーレンの全妹で、クリソライトの3/4妹、リアファルの3/4姉。母クリソプレーズはアロンダイト(JCダート)の全妹にあたる。ダート中距離のパワーとスタミナに秀でた牝系といえるが、本馬は父がディープインパクトでしかも牝馬なので、母系のRivermanの斬れ味も受け継いで芝中距離で4勝をあげている。Rivermanはウオッカやエリモエクセルやミッキークイーンなどの母系に入るが、牝馬には斬れ味をよく伝える血だ。一方エルコンドルパサーは母父に入ると、アイムユアーズやオメガハートランドやトーセンアルニカやラブフールなど牝馬には主に機動力や粘着力を伝え、本馬も潮来特別で一息に捲りきったように内回り向きの機動力も兼備している。ここは重賞初挑戦となるが楽しみのほうが大きい。

コメント (16)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日曜のボツ予想~ディープらしくないディープで

2015-06-14 08:49:30 | 血統予想

多摩川は東京マイルに先行馬が揃って緩みないペースを想定すれば、ダイシンサンダーやマーブルカテドラルでは少し末脚が軽やかすぎる気がするし、ダンスアミーガとトーキングドラムは1400m寄りのマイラー、フロアクラフトも東京で淀みないペースだと根は内回り向きリッチダンサー、となるとバロンドゥフォールやオツウの1800m寄りの差しでもいいんですが、◎はタイセイドリームとしました
前走よりも前々走が強い内容で、先行馬総崩れの中58.1-35.5で粘りに粘って3着、Giant's Causewayをナスキロ柔くしたような体型体質で、左回りが合うというよりは広いコースで瞬発力勝負にならなければしぶとい
ディープ産駒のくせにスローで上がりが速いと苦しく、一方で東京外回りの1800m前後で上がりがかかればほとんど凡走したことがなく、ここも緩みなく流れて上がりがかかったほうが、緩慢なストライドでダラダラ流れ込めるイメージです
そうか母母父Seattle Slewやから、このイメージはタイキブリザードやリーチザクラウンにも近いかな、Giant's Causewayとリーチザクラウンが東京1800mをワンペースで押しきるイメージですね

三田は◎イサベル
これもディープ×シンボリクリスエスですからナスキロ柔いストレッチランナーのイメージも、母はヴィクトリーやサトノネプチューンと父系母系が同じでRobertoとSadler's Wellsを通じるHail to ReasonとNashua≒Nantallahのクロスで、明らかにこのパワーが表現された体質走り
だからディープ産駒でもそんなに京都外1800mで鋭く斬れるタイプには見えないのですが、それでも最速上がりで差し切ってしまうのはモノが違うからで、さすがにオープンまでいくとどっちつかずな玉虫脚質になりそうな予感もありますが、阪神内回りでミルコが動かすべきところで動かしてくれば、おそらくここ2走よりパフォーマンスは更に上がるはず
○カラフルブラッサムも▲シホウも☆マイネグレヴィルも急坂内回り>平坦外回りのパワー型で、だから京都外で斬れ勝負になると4着になってしまうんですが、ベスト条件ではなくとも差し切ってしまうぶん◎のモノが上ではないか、という予想

阪神8はノボリレジェンドは東京1400mでは常に◎で狙ってますがファイングレインやアサクサティアラの下だけに急坂で甘さを増す心配大、エイシンキサナドゥも母がStorm CatとCozzeneを通じるSecretariat≒Sir Gaylordのクロスでストライドで走る1400m型、ならば◎メラグラーナの芝替わりを狙ってみたい
前走は内枠で砂をかぶったせいかサッパリでしたが、距離はもう1F延びたほうがよさそうだし、JC3着Shaftesbury Avenueの近親でオセアニア産の遅生まれ、父がデインヒル産駒でNorthern Dancer3×4、母父がSeeking the Gold産駒でBroadway3×4、母母はオセアニア土着血統でHyperionやTourbillonが強く、豪州の短距離重賞でリアルインパクトやハナズゴールと走ってそうなエエ血統です(・∀・)

新馬戦は東京マイルならばノーザンテースト≒Vice Regentのダイワメジャーよりも、キンカメ×サンデー×Storm Catのサトノベリーニ(全兄も東京外回りでナスキロ柔く斬れた)ではないかと思いますが、まあパドックを見てからですね~

「No.1予想」ではマーメイドSを、「馬券総合倶楽部」ではエプソムCとマーメイドSを予想していますので、日曜もよろしくお願いします

コメント (90)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする