栗山求/望田潤監修「パーフェクト種牡馬辞典2024-2025」

先週の雑感・小倉編~ビートブラック臭漂う前受け

2013-09-03 17:25:21 | 血統予想

先ほど「望田潤の2歳勝ち馬評価」先週ぶんを5頭更新しました~

競馬ブック誌の小島友美さんの「エクイターフの歴史と現状」はいつもながら読み応えのある記事で、しかしこれを読むとどこの競馬場でもラチ沿いからエクイに張り替えていくので(たとえば今開催の中山は直線は内側から13メートルにエクイが入っているとのこと)、各場でインベタ現象が多発しているように感じるのはそういうこともあるのかと

最近のユタカは老獪な先行はもちろん、全盛期を思い起こさせる測ったような差し切りも多く、北九州のサイレントソニックも小憎たらしいハナ差差し切り、この馬平坦芝1400m以下は①④②②①で、先週のトーホウアマポーラもですがやっぱりUnbridled's Song肌は平坦ベターやなと
特に阪神芝は[1.0.2.25]となかなか酷い成績で、ちなみにこの1着はエーシントップの新馬です(^ ^;)

日曜に新馬を勝ったシャンパーニュはKaldoun3×4、Fabulous Dancer4×3という大胆なクロスですが、チチカステナンゴは配合が難しいのでこういう強力な相似配合にするのも一つの手でしょう
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011104477/
ザックリいうとGrey Sovereign系とハイインローを増幅した配合ですからトニービン的な持続斬れのイメージ、一方でFabulous Dancer4×3ということはBelladonna≒Aureole7・7×5でもありますから、もしかするとAureole魂の逃げ馬かも

日曜最終のプランスペスカは4代母のVery CharmingがDahliaの全妹でハイインローのクロス、母母ダナグルームはLyphard3×3にWild Risk3×4、母ダンシングドミニアはブライアンズタイム×Blushing GroomでクロスがFlower Bowl≒Honeys Alibi≒Aureoleとマヤノトップガンばり、そこにブラックタイドが配されたプランスペスカはLyphard4×5・5にBurghclere≒Aureole3×7にWild Risk7×6・7
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2010105143/
このレースは単勝だけ買って観てましたが、Lyphardの3本クロスとAureoleのニアリークロスを持つなんて知らないだろうユタカが、テン乗りでちゃんと前で受けてくれたのがまず嬉しかった
ブック誌の短評には「ひょっとしたら菊に間に合うかも」とありますが、たしかにビートブラック臭がほのかに漂ってきましたよ~(・∀・)

コメント (3)
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先週の雑感・新潟編~ネオユニのWorden≒Le Fabuleux、キンカメのHornbeam≒パロクサイド

2013-09-03 10:35:41 | 血統予想

土曜新潟7Rで豪快に外マイルを差し切ったロングシャドウはネオユニ産駒らしからぬ斬れ味でしたが、これは多分にWorden≒Le Fabuleux6×4の影響でしょう
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2010103873/

母系にLe Fabuleuxを引くネオユニ産駒にはメイショウゾウセン、ホットチリペッパー、ネオポラリスなどがおり、やはり外回りOKな資質と同時にWild Risk的激気性も伝わっております(^ ^;)

札幌2歳に出ていたピオネロもネオユニ産駒にしては大跳びで新馬勝ちの斬れ味には驚かされましたが、これも母父がBlushing Groom系なのでWild Riskのクロスなんですね~

ネオユニ産駒は父からパワーと粘りを受け継ぐので全体の傾向としては内回り>外回り、中山>東京なのですが、もちろん全ての産駒が父に似るわけではなく母方の血やクロスする血によって脚質や体質や性格は大なり小なり変化していくわけで、「重が下手な産駒の中に重の鬼が生まれることはよくあることだ。そんなことでいちいち悩んでいたら、ダーレーアラビアンが重が下手だったら今の世界中のサラブレッドはほとんどが重が下手でなければならなくなる」(笠シショー)

だからピオネロはネオユニ産駒でも今の函館向きかというとちょっと微妙やないかと思ってたんですが、見せ場をつくっての4着は評価していいし、次走外1800~2000mならばデビュー戦のようにズバッと斬れるでしょう

プリンスダムが日曜新潟に新馬勝ちしたので、これで「キングカメハメハ×パロクサイド牝系」はルーラーシップ、アドマイヤセプター、キングスビレッジ、スマートフォーカス、グルーヴィクイーン、カールファターレ、パブリックアフェア、レネットグルーヴ、プリンスダム、ホープマイスター★、グルトップ★と11頭中9頭が勝ち馬で(★が未勝利)、未勝利2頭のうちグルトップは3戦目にクビ差2着がありその後順調に使えぬまま抹消、つまり能力的に勝ち上がれなかったといえるのはホープマイスターだけで(今は佐賀に転入して頑張ってるようです)、この馬の場合は母父タニノギムレットがちょっと拙かったんじゃないかと
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009106096/

いつも書くようにキングカメハメハは配合やクロスに正直な種牡馬で、だからダイナカール牝系との配合ではHornbeam≒パロクサイドの「HyperionとNasrullah」的なナタの斬れがONになりやすいわけですが、一方でRoberto持ち牝馬との配合ではGold Digger≒BramaleaとNasrullah≒NashuaのニアリークロスになるのでKingmamboとRobertoのパワーの要素がONになりやすく、キンカメ×ブライアンズタイムがダートの捲り脚質になるのは主にそれで説明できます

そしてホープマイスターの場合は、キンカメ×ブライアンズタイムのパワー捲りとキンカメ×ダイナカールのナタ斬れという、ベクトルとしてはかなり異なった資質を同時に追い求めた配合で、そのためにどっちつかずなところに陥ってしまったのではないか…と

なんでもかんでも継続クロスすればいいもんではなくて、どういう資質をONにするのかしないのか、たとえばキンカメの芝4傑のうちロードカナロアとローズキングダムとアパパネはナスキロ系のクロスを持っていますが、キンカメ×ブライアンズタイムの砂の鬼ハタノヴァンクールとグランドシチーは母系にナスキロ血脈を持っていません

キンカメ×ブライアンズタイムでダートのパワーを表現するのならば、ラストタイクーンのナスキロ柔さをONにする必要はないですからね~

多彩な血を引き配合に素直で様々な分野で活躍産駒を出す種牡馬キングカメハメハですが、だからこそ二兎や三兎を追う配合をしてしまうと大成が阻まれる…という面はあるのでしょう

新潟記念のファタモルガーナは専門紙やTARGETの成績表だけをみると通過順位3-3で3着ですから「3番手から前と同じ脚で流れ込んだだけ」というイメージですが、実際は直線の11.4-10.8のところでいったん5番手まで下がっていて(つまり2頭に抜かれた)、ラスト12.5のところでバテずに巻き返して2頭を抜き返し、いったん2馬身以上離されていた1,2着馬との差を1馬身に詰めてきての3着

そういう伸び方とか加速の仕方はやっぱりレースを見ないとわからないわけで、「大跳びでイメージほど斬れないと聞いていたので動いていきました。手応え以上に頑張ってくれました」という田辺のコメントにも納得できるわけです

ニューダイナスティは母がRoberto×Danzigですからグラスワンダー的で機動力があるタイプ、一方でSir Gaylord6×4なのでナスキロ柔さもあって、これもよく言えば弱点が少ないのですが重賞を勝ちきれるかというレベルになるとちょっとどっちつかずという、グラスワンダーにHaloとMill Reefを入れたシルクネクサスのようなハイレベルなどっちつかず感がある馬です

「グラスワンダーさん、望田説やと俺はちょっと柔らかすぎるらしいですわ…」
「あ~うちの息子らと同じやな。みんなおとーさんより柔らかくなりたい、しなやかになりたい、脚が長くなりたい言うねん。けどな、柔らかくて脚が長かったら阪神内回りは捲れへんで」

ニックス(4)~キンカメ×トニービン×パロクサイドが生むHornbeam≒パロクサイドのナタの斬れ味
http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/29e95f7dfab050c40f7387339ddd42de
フリオーソの配合~Roberto,Mr.Prospector,Nureyev,Russ-Marieのカルテット
http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/fba12d7b526138bbe183ea3b0d7228fd

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