2月22日版でざっとご紹介いたしましたが、今回からパース滞在中に行った3泊4日の旅の様子をUPいたします。
こちらが最初の見学地「ピンクレイク」
日本では見られない摩訶不思議な風景ですが、塩でできている湖(ソルトレイク)なのです。
しょっぱなの第一日目、ここでとんでもない事が起きたのですが・・・
まずは順番に旅のご説明をいたします。
2月19日(火)、朝8時過ぎに借家を出発し、借りているレンタカーで北に向かいました。
丁度出勤時間と重なって、パース方面に向かう車が渋滞しています。
近年、パースの不動産がうなぎ登りに高くなって、郊外に住む人々が増えたのでしょうか・・・
私たちは反対方向なのでスイスイ走ります
ワイナリーが並ぶスワンバレーからグレート・ノーザンハイウェーに入りました。
1号線の標識も見えています
前の晩シッカリと地図を見ていた主人が「このまま一直線で隣町のジェラルトンだぁ~」と歌うように言いました。
広いオーストラリアを走る旅も今年で3回目・・・
気分的にも大分慣れてきて、国道1号線は幹線道路なので絶対迷う事は無いと確信を持っていたのです。
車で30~40分も走ればもう人家も見えない大自然が広がっています。
「ん~~~?」
私はちょっと疑問が湧きました。
主人が大型のトラックを追い抜いて以来、後続車がほとんど見えないのです。
それまで「ジェラルトン何キロ」と書かれていた表示板が、いつのまにか「ニューノーシア何キロ」に代わっています。
「ちょっと違う道みたいよ。ニューノーシアは最終日に寄る予定の、内陸の町よ」
車を停めて2人で地図で確認すると、1号線は最初はグレート・ノーザンハイウェーを走りますが、途中で左に分かれているのです。
「あなたが猛スピードで大きなトラックを追い抜いたから標識が見えなかったんだわ、あそこで車はほとんど左に曲がって行ったもの。」
最初から道を間違えて、1時間もロスしてしまいました
何かイヤな予感です。
戻って1号線に入り、沿線のガソリンスタンドで休憩しました。
隣町まで400km以上もあるオーストラリアでは、ガソリンスタンドが駅のような感じで、ここには売店やトイレもあるのです。
ただし売店のメニューは去年の経験で察しが着いていますので、今回は2食分のオニギリを持ってきました。
大家さんから大型クーラーボックスを借りて、ビールやワイン、ハムにチーズにカンズメ、果物、凍らせた水にコーラもたくさん入れてきました。
一休みしてここで塩シャケ入りのオニギリを食べました。
お漬物も美味しい・・・
爽やかな風が吹いていました。
ここから私が運転する事になりました。
(お腹がいっぱいになると主人は要注意なんです。怖い過去がありますものね)
制限速度110kmの国道を、主人は120~130kmくらいで飛ばしますが、私はキッチリと110kmで走ります。
行く手方面には雲が・・・
パースから400kmちょっと離れた隣町のジェラルトンでガソリンを満タンにしました。
町中が強風に舞い上がる赤い砂でけぶっていました
ジェラルトンの先で国道1号線を離れて、この日の宿のある海辺の町「カルバリー」に向かいます。
途中ピンクレイクを見ていく事にしました。
1号線より更に車が少なくなって・・・
道路の両脇の牧場の砂が舞い上がっています。
オーストラリアの大規模牧場は、広い所では関東平野と同じくらいの広さがあるそうです
こんな景色が果てしなく続いて、運転しながら少々心細くなってきた頃、不思議な色の湖が現れました。
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展望台から見た「ピンクレイク」です。
マウスオンでご覧下さい。
去年行った「エスペランス」でもピンクレイクがありました。
あそこはもっと薄い紫ピンクで、塩に含まれる藻が太陽の光に反射してピンク色に見える神秘的な湖でしたが
こちらをご覧下さい
目の前の湖は塩そのものの中に周りの赤い砂が溶け込んでいるようで、まるで油絵を見ているような不思議な感じがしました。
この風景に感激した主人が「もっと先に行けば違った角度から眺められるかも知れない」と、車を更に進めました。
その内道が細くなりダートになって、砂地になって・・・
「こんな狭い道を行ったら、バックでしか戻れないわよ
」と私が口を挟んだとたん、車は動かなくなりました。
砂地に埋まったのです
「ヤバイ!押せ!」
私が車から飛び出して渾身の力で押しましたが、戻ったのは5mくらい
タイヤはカラ回りしてズブズブと埋まっていきます。
カローラの左前輪に注目してください・・・
硬いダートの道までまだ15mくらいあります。まったくねぇ~
車体の隙間が無いくらいに砂で埋まってしまいました。
レンタカーですからこれといった道具は何もありません。
「砂を掻き出すから、ブッシュの中の枝を拾ってきてくれ」と主人は言いますが・・・
ネットをやっている私の方がブッシュの怖さは知っているのです。
「ブッシュの中には毒蜘蛛や蛇、サソリもいるのよ」
それでもどうにかしないと今晩は車中泊にもなりかねず、5~6本の枝を拾ってきました。
30分以上主人は砂と格闘し、私も手伝いましたが、ニッチモサッチモ行きません。
時計を見ると4時を廻っていました。
幸い600~700m先に村が見えています。
「これ以上時間は取れない」と私は判断し、主人に言って一人で助けを求めに行きました。
頭の中で「Can you Help Me!」という英語がグルグル廻っていました。
村に行くと4wdの車に乗ったファミリーが手を振って通り過ぎました。
追いかけて助けを求めようかと一瞬迷いましたが、ふと左手を見ると作業を終えた感じの屈強なおじさん2人がトラックに乗り込んでいました。
「Can You Help Me
」の後に「マイカー、イズ、ダウン」と来た方向を指差して「サウンド・ロード」と言ったような気がします。とにかく必死でした
オージーは「drop?」と聞き返し「乗れ」と合図してくれました。
我ながらこれ以上強い助っ人は無いという位の、頼もしいオージーを見つけたものです。
「ここは2wdの車では無理だ」と注意されました。
そしてトラックからロープと鎖を取り出して、カローラに繋げて引っ張ってくれました。
1度ロープが切れて失敗しましたが、2度目に成功しやっと普通の道路に戻れました。
本当に頼りになるオージー2人で助かりました
思わず「サンキュー
」と駆け寄り硬い握手をしましたよ。
主人は全身ヨレヨレで疲れ果てた姿をしていますね。
この4年で、オージーは「素朴で親切」と確信できていたので、恐れる事もなく助けを求めました。
綱も切ったし「ありがとう」の意味をこめて50A$紙幣を包んで出したら最初は遠慮しました。
主人が心から感謝していると告げたら受け取ってくれたそうです。
そして砂の中の小さな蜘蛛を見つけて「デンジャー」と注意されました。
やっぱり居たのね!毒蜘蛛!(蜘蛛とは違うと言っていましたが)
ホッとして車に乗り込みふと主人のシャツを見ると
「背中に赤い毒蜘蛛がへばりついている~」
ぎゃおぉぉ~
※帰国してからこの小さな村「Gregory」について調べてみると、海の綺麗な名所で、海辺には小さなホテルもあったようです。
この時は唯一晴れていたので、私たちは右手の小道に入り込みとんだ失態を演じましたが、左手の村を突っ切れば綺麗な綺麗な海が見られたのです。
残念
尚、雨期の8月にこの「ピンクレイク」に行った人の写真を拝見すると、水がなみなみと満たされていて・・・。
私たちが見た干上がった湖の風景とは違っていますので、参考までにお知らせいたします。