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波風立男氏の生活と意見

老人暮らしのトキドキ絵日記

『こいしい たべもの』を読む

2018年11月25日 | 読書

映画『日々是好日』を観て、原作の世界観というか感性に惹かれた。『こいしい たべもの』と『いとしい たべもの』(両方とも森下典子著:文春文庫)買う。前者読み終わり感心する。食べもの描いて、人の思い出、心の機微、過ぎていく時間を静かに語る。読んでいて楽しい。
映画からも本からも、受け取れる感じが同じでよかった。

                        

波風氏の本棚に、両手を開いた長さぐらい、「食べもの(にまつわる)本」を並べてある。美と性を言葉で納得させるのは優れた文学だが「食」も同じだ。日常的な分それ以上だと思う。面白がって読んでいるうちに増えた。丸谷才一、辺見庸、大橋渉、平松洋子、岸本洋子など、達者なのを読んだが、読みたいのは違うと感じていた。武田百合子著『ことばの食卓』はかなり近かったが。グルメでも、蘊蓄でも、味でも、無いんだよなあ。

         

『こいしい たべもの』は、食べようと思えば食べられる、鳩サブレー、カレーライス、コロッケパン、ペヤング、ワッフル、ホットケーキ…。グルメ作家や世界の果ての食、はたまた洒落たライフスタイル的な食事を綴ったものと大いに違う。一番の違いは、文だけでなく画も森下さんが描いていることだ。「おいしさ」を込めた真面目さと文章中の配置の仕方にいたく感心。目でも食べさせてくれる。「ああっ、こういう絵の入った、人と心が浮かんでくる、こういう本が読みたかったんだよ」と合点。昨日読んだ「コロッケパンは自由の味」が印象に残った。『いとしい たべもの』を未だ読んでいないが、表紙のメロンパンがやけにそそる。


今日はこれから読書交流会「ほんのおつきあい」の4回目。感想を整理したので『こいしいたべもの』を紹介しよう 「東京散歩(2)」は次回に。下北沢商店街、日本民芸館と日本近代文学館、蕎麦屋のことなど  東京往復の疲れが3日遅れでドッと来た。老後のあれこれは少し遅れてやってくる。

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