エレベーターとベビーカー
先日、ベビーカーを押して駅のホームのエレベーターに向かうと、中年の男性と女子高生3人が先に待っていた。子連れだとエレベーターにお世話になることが多いのだが、こういうケース、つまり、いかにも健康そうに見える人が4人も先に待っている状況は珍しかった。もちろんそれぞれに事情があるので気にしない、と思っている時点で気にしている。 電車通学をしていた学生時代は周りの乗客の行動が気になって仕方なかったが、久しぶりに利用しても同じだった。同一空間を一定時間共にする他人は「良い人」であってほしいという私の願望がそうさせるのかもしれない。特に駅のエレベーターは、優先されるべき人がいるという前提が私の中にあるのだろう。 やや釈然としない気持ちで上階に着くと、女子高生の1人が申し訳なさそうな面持ちで「開」のボタンを押して私たちが降りるのを待ってくれていた。私も申し訳ない気持ちになって、そそくさとエレベーターを降りた。