サンドラ(マリオン・コティヤール)はソファでうたた寝をしていた。遠くで携帯電話の音が鳴っている。ようやく手にとって聞く。会社のジュリエット(カトリーヌ・サレ)からだった。内容はサンドラがクビになるということだった。
うつ病の治療をしていて職場に復帰する矢先のことだった。再び携帯が鳴った。相手はジュリエット。もういい。落ち込んだサンドラはベッドでブランケットにくるまる。この裏には現場監督の狡猾な手が回っていた。
夫マニュ(ファビリッイオ・ロンジョーネ)が駆け込んでくる。「社長に会ったほうがいい。5時だ」マニュは優しい男でサンドラを励まし続ける。
フランスの中小企業。太陽光パネルの製造もアジア勢の攻勢のため思うように収益が上がらない。苦しいながらも「社員を一人減らすか、ボーナスを諦めるかのどちらかだ」と社長は言う。しかし、サンドラの件を社員の投票で決めてもいいと承諾する。社員16人の気持ち次第でサンドラを復帰させればボーナスはない。それぞれ苦しい選択が待っている。
サンドラは土・日の週末にかけ社員を一人ひとり回って、自分を支持してくれるよう説得を試みる。延々と戸別訪問の繰り返し。嫌味やあからさまな非難、遠まわしの断り、なかなか思うように行かない。
とりわけショックだったのは、親友だった女性の断り方だった。問答無用という感じ。
サンドラは死にたくなり、うつ病の薬を全部飲み干す。そんな時、サンドラを支持する人が増え始めたと夫。救急病院へ。
そして、月曜日の投票。結果は8対8。過半数を取れなかったから退職。最後に社長に呼ばれて「2ヶ月待ってくれ。契約社員の期限が来るから、そのときに採用する」
サンドラはきっぱりと言った「従業員を減らすのなら、私は断ります」
サンドラの表情には笑みさえ浮かび携帯電話で夫マニュへ「今から次の仕事を探すわ」
ものすごく地味な映画ではあるが、世界中で同じ境遇の人々がいることも確かだ。自己を主張して結果がダメでも納得できる状況は前に進む勇気が湧く。人生は死への歩みに違いないが、精一杯生きることでその死が安らかになる。 と言っているようだ。主
演はマリオン・コテヤールで、化粧を落としたと思われる顔は普通の人よりも少しは美人かなと思われる程度で、如何にメーキャップがすごいかが分かる。それにこの人、環境保護団体のグリーンピースのメンバーだという。グリーンピースは、いたるところで問題を越しているという印象が強い。思想的にはかなり過激かも??? 分からないが!
監督
ジャン=ピエール・ダルデス1951年4月ベルギー生まれ。2011年カンヌ国際映画祭で「少年と自転車」でグランプリ受賞。
キャスト
マリオン・コテヤール1975年9月パリ生まれ。2007年「エディット・ピアフ~愛の賛歌」でアカデミー主演女優賞受賞。
ファブリッイオ・ロンジョーネ1973年ベルギー生まれ。
カトリーヌ・サレ出自不詳
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