モリー・ブルームは、女子モーグル北米3位の実力者で生まれ育ったのがコロラド州ラブランド。コーチは父(ケヴィン・コスナー)。かなり厳しい。それでも学業では、コロラド大学で政治学の学士号取得。GPA(成績評価値)3.9(4が最高点)で首席で卒業。ロースクール共通入試ラインは、ハーバードが169点、モリーは173点という才媛。
ところが2002年ソルトレークシティ・オリンピック予選の最終戦。標高2470メートルのディアバレー、傾斜角度ピラミッドと同じ52度、風は左から右へ吹いていて風速は10メートル、スタート地点の気温はマイナス19度。
勢いよく飛び出したモリーだったが凍った松の枝にビンディングを引っ掛け、体は宙を舞い背骨で着地した。幸いにも大怪我でなくしばらくして立ち上がった。これによりオリンピックへの出場は逃したが、ロースクールを出て女性の起業を支援する会社を設立する目標は諦めなかった。
が、ロースクールへ行く前に少々の心の洗濯というか若さを満喫するためにロサンゼルスに行き、当座の資金としてハリウッドのクラブでお酒を売る仕事をしていた時、ディーン(ジェレミー・ストロング)と知り合いポーカー・ゲームの世界に入っていった。
12年後、ウェストハリウッドのアパートで早朝というのに携帯電話が鳴った。「こちらFBIだ。30秒以内に出てこい。でないとこちらから踏み込む」ドアを開けると「誰かほかにいるか? 銃を持っているか? 違法賭博運営の容疑で逮捕する」矢継ぎ早の質問に応える間もなく手首に手錠がかけられた。
映画は、モリーの弁護士となったチャーリー・ジャフィー(イドリス・エルバ)との対話を交えてこれまでのいきさつを語り、モリーの父との確執という家族の問題にも触れがら有罪を認めすべての資産放棄と投獄を覚悟するモリーを描く。
ところが判事の判断は「すべての情報を考慮し当法廷は、検察の求刑に同意しかねる。当法廷はウォール街から近い距離にある。経験から言えることだが、ウォール街の人々は日常的に起訴状にある被告より重大な罪を犯す。被告を投獄することにいかなる意味も見出せない。ミス・ブルーム、当法廷はあなたに200時間の社会奉仕と1年間の保護観察、薬物検査及び20万ドルの罰金を科す。本件は以上だ」
投獄を免れたとはいえ、モリーにとってはこれからどうすかが大問題。しかし、映画は不屈の闘志を持つモリーは必ず復活するだろうと予言する。これは実話の映画化だから実際にモリー・ブルームは、2014年に出版した「自叙伝」が映画化されることで再起したと言える。
この映画は高い評価を批評家は与えている。中でもアーロン・ソーキンの脚本とジェシカ・チャンスティンの演技が高く評価されている模様。原題「MOLLY'S GAME」2017年制作 劇場公開2018年5月
監督
アーロン・ソーキン1961年6月ニューヨーク州ニューヨーク生まれ。2010年「ソーシャル・ネットワーク」でアカデミー賞脚色賞受賞。この映画は初監督となる。
キャスト
ジェシカ・チャンスティン1977年3月カリフォルニア州生まれ。2012年「ゼロ・ダーク・サーティ」でアカデミー賞主演女優賞ノミネート。
イドリス・エルバ1972年イギリス・ロンドン生まれ。
ケヴィン・コスナー1955年1月カリフォルニア州生まれ。
ジェレミー・ストロング出自未詳。
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