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アメリカ、マサチューセッツ州出身の作家ロバート・B・パーカー(1932,9,17~2010,1,18)のエヴェレット・ヒッチ・シリーズ最初の作品をエド・ハリスが映画化。西部劇ではありふれたストーリー。
ランダル・グラッグ牧場の牧場主(ジェレミー・アイアンズ)を始め牧童たちのアパルーサの町での狼藉振りには眼に余るものがあった。付けの代金は払わないし、暴力行為はしょっちゅうだし、女をレイプするし町の世話役は困り果てていた。
そこへ二人のガンマン、エヴェレット・ヒッチ(ヴィゴ・モーテンセン)とヴァージル・コール(エド・ハリス)がやってきた。コール流の掟で町の治安を維持するという条件で保安官職を引き受ける。当然ランダル、グラッグと対立する。
そんなある朝、駅に降り立ったのは、ピアノ弾きのアリソン・フレンチ(レネー・ゼルウィガー)だった。ホテルのダイニングで顔を合わせたヴァージルは関心を寄せた。後でヴァージルが言うには、「娼婦や先住民の女としか寝たことがない俺にはきれいな言葉遣い、身ぎれいな服装、美人だしピアノを弾き料理も得意、しかも清潔好き食べ方も上品だ。そんな彼女が好きだ」
ところがアリーは恋多き女で男なら誰とでも寝たがる女だった。多分彼女の持つ恐怖感がそうさせるのかもしれない。「常に怖くて仕方がない。何もかも。独りになるのが、間違った男を選ぶのも。お金がないのも。住む家がないのも」
ランダル牧場の若い牧童が駆け込んできて、逮捕に来た保安官三人を殺したのがランダル・グラッグだと告げた。裁判で証言することを確約させエヴェレットとヴァージルは早朝グラッグを逮捕する。巡回裁判は有罪となり刑務所へ移送することになった。
ところが列車が給水停車のとき人質にとられたアリーが現れた。グラッグを解放しろという。
さあ、この話はどこへ行くのだろうか。最近は西部劇が極端に少なくなった気がする。あっても劇場未公開になってしまう。それにしてもいつも思うのは、西部劇になくてはならないテンガロン・ハット、あのつばの広く大きな帽子だけど日本人にはどうしても似合わない気がする。野田総理を想像してみよう。日本人ばかりでなく韓国の大統領李明博、前中国国家主席胡錦濤、誰もグッドとは思われない。むしろ寒けがするだろう。アジア人でもまだ女性のほうがましかなあ。
さて、この映画の結末は、グラッグが証拠不十分で自由の身となり、どこで金を調達したのかアパルーサの町でホテルを経営する。ピアノ演奏をアリーが受け持つ。
そんな状況にエヴェレットはヴァージルに問いただす。ヴァージルはアリーとこの町で生涯を終えたいらしい。ところがアリーは、グラッグに気持ちが移っていてヴァージルを捨てようとしていた。
エヴェレットはヴァージルと別れる潮時だと判断した。グラッグに決闘を申し入れた。表に出てこなければ乗り込んで殺してやる! 出て来たグラッグを一発のもとに倒したエヴェレット。馬に乗って一頭を引きながら帽子のつばに手をかけてうなずき、何夜かベッドを共にした女に別れの挨拶を送る。そして荒野へと去っていった。
「これでヴァージルの職は安泰だ。アリーともやり直せる。少なくともしばらくの間は。先のことは分からない。それは俺にも言えることだが……沈む夕日を見ながらゆっくりと西へ向かった。長い旅になるが、急ぐ理由もなかった」最後はちょっとした哀愁が漂っていたなあ。
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監督
エド・ハリス1950年11月ニュージャージー州生まれ
キャスト
ヴィゴ・モーテンセンニューヨーク市マンハッタン生まれ。
エド・ハリス
レネー・ゼルウィガー1969年4月テキサス州ケイティ生まれ。’03「コールド・マウンテン」で助演女優賞受賞。実生活でも恋多き女。
ジェレミー・アイアンズ1948年9月イギリス、ワイト島生まれ。
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