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読書  厨房の裏側「キッチン・コンフィデンシャル」から No8プロのアドバイス

2010-08-29 11:18:51 | 
                


 アンソニーシェフは、休みの日にレストランで食事をしたいと思うことは滅多にない。食べたいのは、お袋の味。シンプルなトマトソースのスパゲッティ、残り物をぶちこんで煮込んだツナのキャセロール、ローストビーフのヨークシャプディング添えなど。これは洋の東西を問わない。帝国ホテルの故村上シェフも自著で、家に帰れば味噌汁、焼き魚、たくわんなどを食べたいと書いていた。

 さて、料理をする上で最初に必要なものは、包丁やクッキングナイフだろう。極端に言えば一本のナイフで十分事足りる。アンソニーの長年の付き合いがあるプロの多くは、いまやドイツ製のナイフに代えて、もっと軽量で研ぎやすく、もっと安価なパナジウム入りのステンレス鋼で出来たグローバルナイフを使うようになっている。

 このグローバルナイフ、実は日本製ではないだろうか。新潟県燕市にある吉田金属工業(株)がグローバルの商品名で販売している。一本8,000円からある。そしてかなりクールな形状をしている。
            
             グローバルナイフ
 ちなみに、私は普通の万能ステンレス包丁を使っているが、料理の前にコーヒーカップの底で片面10回ずつ研いでいる。切れ味は悪くない。もう一つ付け加えるならば、日本製のスライサーも評判がいい。

 次に鍋、底の厚いフライパンは必携、そして底の厚いテフロン加工のフライパンも重宝するという。そして、使うたびにペーパータオルで拭い絶対洗わない。

 必携品といえば食材もある。列記しよう。エシャロット(プロの隠し味)、バター(仕上げにバター)、焼きニンニク(ニンニク絞りは使うな! 小房の一つを丸ごと火であぶり、焼き色がついて柔らかくなったものをしぼると香りがよく甘味がでる)、刻みパセリ、スープストック(あぶった骨を何本かと炒めた野菜を大鍋で水から煮込み、ひたすら煮詰める。充分に煮詰まったら、裏ごし器で漉し小さな容器に分けて冷凍しておく)、ドゥミグラス(先のスープストックに赤ワインを足し、エシャロットと生のタイムとベイリーフと粒コショウを加えて弱火でゆっくり煮込みスプーンにねっとりとついてくるくらいまで煮詰める。それから漉す。後は冷凍しておけばいつでも使える)。

 よい素材、新鮮な食材を使って盛り付けに工夫する。アンソニーお勧めの一品、丸ごとの魚(フエダイ、タイ、なんでもいい)のえらとわたと鱗を取り、冷水で洗う。魚の腹の中と外側に粗塩と粒の黒コショウをこすりつける。ニンニクひとかけ、レモンスライス、生ハーブ(ローズマリーかタイム)少々を,わたを抜いたあとの空洞に詰め込む。
 薄く油をひいたフライパンかアルミホイルの上に魚を置いて高熱のオーブンに入れ、火が通って皮がぱりぱりになるまで焼く。フードプロセッサーで作ったバジルソースを皿一面に散らし刻みパセリをふりかけ、魚の上にはバジルの葉を飾る。

 なんだかごてごてした感じだな。わざわざオーブンで魚を焼かなくても、日本なら魚焼きグリルで済ませる。レモン汁を振りかけておしまい。私はシンプルなのが好きだから。とはいっても、味覚文化の違いだからどちらがいいとは言えないが。スープストックやドゥミグラスには、牛の骨か鶏の骨か分からないし、赤ワインの分量も書いていない。これは読者が試行錯誤してやりなさいということなのだろう。
          

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