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映画「リカウント」2000年のアメリカ大統領選挙の混乱の詳細が分かる(アマゾン・プライム)

2018-09-11 16:46:06 | 映画

          
 「RECOUNT」という題名で2000年のアメリカ大統領選挙の混乱の背景を描く。共和党のジョージ・W・ブッシュと民主党ビル・クリントン政権の副大統領だった、アル・ゴアとの戦いだった。

 結果的にジョージ・W・ブッシュが選ばれたが、一般投票で敗北し選挙人投票で勝利したという大統領になった。これはどうやら112年ぶりのことだったらしい。

 一般投票で相手候補を上回れば、各州に割り当てられている選挙人すべてを得られる。フロリダ州の開票前の選挙人獲得数は、ゴア255人、ブッシュ246人だった。フロリダ州の選挙人は25人で、全米選挙人537人の過半数268人以上を獲得するにはこの25人を必要とする。

 途中経過で一旦はアル・ゴアが敗北宣言まで進んだが、フロリダ州州務省の開票結果がブッシュ290万7351票、ゴア290万7351票で1784票差になった。フロリダ州法では差が0.5%以下の場合は、機械による再集計が必要とある。

 で、映画はアル・ゴア陣営のロン・クレイン(ケヴィン・スペイシー)を中心に描かれる。もう過ぎ去った遠い過去の出来事ではあるが、まだまだ記憶に残っている大騒ぎを思い出す。各陣営には強力な弁護士を抱えておりロン・クレインもその一人。ゴアを大統領に当選させれば、自らも政府の要職も夢ではないしまた弁護士としても優良顧客獲得の道筋も見える。その逆になれば、考えるのも恐ろしい。一人ひとりがいろいろな背景を持って選挙活動を行う。それを映画は緊迫感を持って描かれる。

 フロリダ州州務長官キャサリン・ハリス役のローラ・ダーンも馬鹿さ加減をうまく演じていた。最終的にはジョージ・W・ブッシュ獲得選挙人271人、得票数50,456,002票 アル・ゴア266人、50.999.897票。

 アル・ゴアの敗因にはクリントン大統領のモニカ・ルインスキーとのセックス・スキャンダルが多いに影響しているといわれる。それにしても、世界の動静を左右する判断を下す大統領執務室でのモニカとのセックスは私の常識では考えられない場所ではある。クリントンは野暮な田舎ものだった。

 共和党の選対委員長「平和に権力が移行された。これは人々がわが国の憲法の力と法の支配を信頼しているという証しだ」

 アル・ゴアは「アメリカは党より国を優先します。敗北は勝利と同じく魂を輝かせる」と。2008年制作
              
             
              
 本作のエンドロールでロックミュージシャンのトム・ぺティ(Tom Petty)の「I Won't Back Down(おれは戻らないぞ)」が流れる。前に前に進むケヴィン・スペイシーが演じたロン・クレインの姿勢に比喩的に使ったのだろう。

 ちなみにトム・ペティは、1950年10月20日生まれ、2017年10月2日66歳で逝去。まだまだ若いが死因については、検死報告によると薬物の過剰摂取らしい。彼は臀部の骨折に悩まされていてその痛みを抑える薬を常用していたという。それにしても臀部の骨折って相当痛いだろうに。ファン第一主義の結末。で、その「I Won't Back Down」をどうぞ!

監督
ジェイ・ローチ1957年6月ニューメキシコ州アルバカーキ生まれ。

キャスト
ケヴィン・スペイシー1959年7月ニュージャージー州サウス・オレンジ生まれ。
ローラ・ダーン1967年2月カリフォルニア州ロサンジェルス生まれ。
デニス・リアリー1957年8月マサチューセッツ州生まれ。
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