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「女神の見えざる手MISS SLOANE」ゴキブリロボが起死回生の強打を放つ

2018-04-08 10:03:50 | 映画

            
 アメリカで頻繁に起こる銃乱射事件。全米ライフル協会(NRA)の隠然たる政治関与に銃規制賛否が割れている。

 大手ロビー会社コール=クラヴィッツ&Wで辣腕を振るうエリザベス・スローン(ジェシカ・チャンスティン)は、「信念のあるロビイストは、勝つ能力だけを信じる」を金科玉条とする。
 彼女の専門は税と自由企業への政府の干渉なのだ。簡単に言えば不当な課税や企業への規制を監視し善処するものと言える。その彼女に銃規制反対派のビル・サンフォードから世の女性たちの賛同を増やすべく手を貸してくれとの申し入れ。スローンは、カラカラと笑い事実上話を一蹴する。

 スローンは銃規制賛成論者だ。上司のCEOの怒りを買いクビになる。そんなとき声をかけてきたのがロビー会社ピーターソン=WのCEOロドルフォ・シュミット(マーク・ストロング)だった。その話に乗ったスローンは、コール=クラヴィッツ&Wでのチームのうち一人を残して全員移籍する。

 当然怒り心頭のコール=クラヴィッツ&WのCEOジョージ・デュポン(サム・ウォーターストン)がスローンを潰すことに全力を挙げる。スローンの身辺調査が進む。だが、スローンも黙ってはいない。密かに隠密チームがゴキブリロボで主な人間の監視を続ける。

 40代初めの独身の彼女、特定の恋人はいない。彼女の支配的な気性からして並みの男どもは魅力的なスローンでも敬遠しているのが実情のよう。女40代、健康な肉体なら定期的に訪れる性欲の処理をエスコート・サービスを生業とするフォード(ジェイク・レイシー)と、まるで食事でも摂るかのような満腹感を表すオーガズムだけを求める。

 スローンが恐れるのは、この行為が外部に漏れることだ。その点、フォードは「この仕事は口が堅くないと務まらない。絶対秘密にする」という。

 コール=クラヴィッツ&Wから上院倫理規定違反の疑いの要請で開かれた公聴会。委員長のスパーリング上院議員(ジョン・リスゴー)の執拗な尋問。やがてスローンがサインした資金提供の認定書が出てきた。それを認めるスローン。

 「非営利団体が署名し提出した書類をあなたが書いたとは、外遊費用の手配に関与したことを示す“一応の証拠”となります。これは上院倫理規定への明白な違反です」とスパーリング上院議員。

 スローンにとってはこれらは予定した展開にすぎない。次いでエスコート・サービスのフォードが証人となりスローンとの関係を明確に否定する。彼は秘密を守った。職業倫理を全うしたと言える。それを平然と聞き流すスローン。彼女はどこまでクールなのか。

 そして翌日の公聴会、事態は激震へと向かう。つまり相手陣営を木っ端みじんに吹っ飛ばした一連の結果は、スローンが敷いた罠だったのだ。それにはゴキブリロボが秘密兵器だった。

 「勝つ能力だけを信じる」ロビイストの面目躍如。実にクールで男も太刀打ちできない強面の女性を演じたジェシカ・チャンスティンに喝さいを贈る。 が、批評家の評価は意見が二分する。2016年制作 劇場公開2017年10月
  
監督
ジョン・マッデン1949年4月イギリス、ポーツマス生まれ。1998年「恋におちたシェイクスピア」でアカデミー監督賞にノミネート。

キャスト
ジェシカ・チャンステイン1977年3月カリフォルニア州生まれ。2012年「ゼロ・ダーク・サーティ」でアカデミー主演女優賞にノミネート。
マーク・ストロング1963年8月イギリス、ロンドン生まれ。
ジェイク・レイシーマサチューセッツ州ケンブリッジ生まれ。
ジョン・リスゴー1945年10月ニューヨーク州ロチェスター生まれ。 
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