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「ザ・イースト ’13」劇場公開2014年1月

2014-06-17 16:38:58 | 映画

              
 結論から言えば、ほとんど印象に残らない。DVDには製作者の意図について熱っぽく語る特別映像があるが、自画自賛の域を出ない。

 自然保護活動運動の過激な団体「ザ・イースト」に潜入した調査会社のサラ(ブリット・マーリング)が、この団体が標的にしている企業の悪徳ぶりを見て次第に団体のリーダー、ベンジー(アレキサンダー・スカルスガルド)の主張に傾倒し愛も感じ始めるというもの。

 この団体は、日本人にはお馴染みのシーシェパードと同様の嫌がらせを行う。次元の低い問題意識で成り立っている。確かに工場から出る排水によって魚が死ぬ。経営者は豪華な別荘を持ち贅沢な暮らしをしている。その別荘に忍び込んで廃油をぶちまける。嫌がらせそのものだ。それで問題解決はしない。

 ハリウッドにある「LA Times」の映画スタッフによる聞き込みによると、2013年度もっとも過小評価された作品ランキングの1位がこの「ザ・イースト」だった。アメリカでの興行収入2億円とぱっとしなかったことが要因とも言われるらしい。

 問題意識を持てばそれを解決する意識や手段が必要だろう。問題解決能力不足で嫌がらせだけならテロリストそのものだ。そういう団体の主張に心を奪われるのも安っぽいし、サラの素性もベンジーは知っていたと終盤わかるが、なんの伏線もなく唐突に出てくる。ご都合主義だ。

 それにテーマは古い気がする。今時、強力なろ過装置もない工場なんてあるんだろうか。製薬会社を対象にすればリアルな問題提起になったかも。それを描く材料がなかったのかもしれない。だからこの映画は力不足。

 潜入調査となればスリルとサスペンスを期待するが毛ほどもない。それに出ている俳優も有名どころじゃないし、調査会社の社長役のパトリシア・クラークソンなんて、まだ55歳なのにかなり老けて見える。あの顔を見るたびにうんざりした。

監督
ザル・バトマングリッジ

キャスト
ブリット・マーリング1982年8月イリノイ州シカゴ生まれ。
アレキサンダー・スカルスガルド1976年8月スウェーデン生まれ。
エレン・ペイジ1987年2月カナダ、パスコシア州ハリファックス生まれ。
パトリシア・クラークソン1959年12月ルイジアナ州ニューオーリンズ生まれ。
コメント
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