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映画「ジェシー・ジェームズの暗殺(‘07)」

2010-03-10 21:16:22 | 映画

 実在したジェシー・ジェームズは、西部開拓時代のガンマンで南北戦争後、兄弟や戦友たちと強盗団を組織して銀行や列車を襲い殺人を繰り返した。1882年ミズリー政府がジェシー・ジェームズに10,000ドルの賞金をかけたため仲間のボブ兄弟に射殺される。
 アメリカでは、1866年2月13日ジェシー・ジェームズが世界初の銀行強盗に成功したことから、2月13日は「銀行強盗の日」となっているらしい。だからどうなんだと思うが、その日は何をするのだろう。ジェシー・ジェームズの墓にでも参るというのか。アメリカは不可解で面白い国だ。
 それはともかく映画は、その暗殺までとその後を描いてあって、いやに心理劇めいた雰囲気を漂わす。派手な撃ち合いもあまりなくジェシー・ジェームズ(ブラッド・ピット)のぼんやりとあらぬ方を眺めたり、ため息をついたりと思索的な断面が強い印象を受ける。
 そんなジェシーであるが残酷な面も持ち合わせていて、チャーリー(サム・ロックウェル)とロバート(ケイシー・アフレック)の兄弟もジェシーに怯えつつロバートは一途な憧れを持っていた。結局この兄弟はジェシーの恐ろしさを排除したい気持ちと金の誘惑に勝てずジェシーの自宅居間で後ろから射殺する。
 雪の平原や冬枯れの草に覆われた丘の背景が、ジェシーと兄弟たちの冷え冷えとした心の内奥に迫るようだった。ジェシーに扮したブラッド・ピットが適役だったのか疑問が残る。製作者側にもいるブラッド・ピットであるから他の俳優は考えられないのだろうが、凄みや冷たさに欠ける気がする。髭を生やしていても目が優しくふっくらとした頬には冷酷さが薄れていた。
 ケイシー・アフレックやサム・ロックウェルは、役柄をうまく演じていたように感じる。サム・ロックウェルが意外に注目される存在だという気がする。それに面白いのは、室内から屋外を見るショット。歪んだガラスの映像がいかにもその時代を表しているようだった。わざわざ歪んだガラスを作ったんだろうか。160分という長さでやや退屈だった。
 監督アンドリュー・ドミニク ニュージランド出身
 ブラッド・ピット1963年オクラホマ州生まれ。
 ケイシー・アフレック1975年マサチューセッツ生まれ。ベン・アフレックの弟。
 サム・ロックウェル1968年カリフォルニア生まれ。
          
        
          

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