そらみつ みそら file  ~To Provide You With Unity~

こころとからだについて、気がついたことを書いていきます。
『』の中の言葉は、見えない世界から伝わってきたものです。

『御用!』の顛末 2

2022-12-28 15:53:29 | Weblog

自分にとって区切りの日ならばと、時間があるのをいいことに僕は早朝6時から意気込んでホテルから山へ、次の山へと早歩きに巡礼よろしく参拝行して、Sさんには出向いた先で昼に車で拾ってもらうことにした。

誤算だったのは、14時ごろからと予報されていた雨が11時前には降り始め、強まっていったこと。

傘を持っていなかったので、足止めされた神社で雨宿りし、その後の散歩を諦め、迎えの場所を変更してもらってSさんを待った。

 

僕はSさんのご主人が奉納した社の写真は鮮明に覚えていて、それがB神社の本体だと思っていたのだが、それは勘違いで、奉納先は摂社だった。

そんなわけで、鳥居の前に立ったとき、神社の立派さ、のぼりが多数立つ祭りの規模にたまげていた。

長い参道の両脇に設営された出店は、弱まる気配のない雨で少し寂しいことになっていた。

足元はぬかるんでいて、白いパンツ姿のSさんは後悔している。

この雨のせいで、今日の本宮祭りは本来より短縮、縮小されて進行するという。

コロナウイルスのせいで3年ぶり開催となった祭りを楽しみにしていた方々には残念だが、それでも境内の熱中がどよめいて伝わってくる。

 

氏子は4つの地域に分けられ、それぞれが山車を持つのだそうだ。

社殿に順番に山車ごと入り、神事が行われる。

Sさんの地域が筆頭で、ちょうど拝殿の中に入っている。

大太鼓が轟き、掛け声が響く。

出てきた山車が勇猛に揺らされる。

 

Sさんのご主人がやってきた。

祭りに参加する他の面々と同じく鉢巻に褌姿である。

山車を引回す男たちは若い連中だが、氏子の男性は年配の方まで一様にその姿で気合を見せている。

 

次の組がやってきて、拝殿に入っていく。

違う色の鉢巻に飾りもので、組の違いが一目でわかる。

地域ごとに拝殿で受ける神事は違ったのだろうか。

定かではないが、手順は少し異なっているように思えた。

拝殿から出ると、山車は最初の組とは別の場所に控える。

 

順調に次の組へ。

拝殿は、本殿に向けて真ん中に幅2メートルほどの通路があり、両側は膝上ほどに段が高くなっている。

通路で行われている神事を、一段高い両脇から観客が見守っている。

うろうろと拝殿の横に歩いてみたが、屋根がある拝殿スペースはいっぱいで、人が入る余地はあまり残っていない。

情景を見ながら、僕がここにいる理由はなんなのだろう、とわざわざ呼ばれたことを思い出したが何も思い当たらない。

神社全体の様子をぶらぶら眺めて、Sさんたちのいるところに戻った。

 

最終組が入ってきた。

山車が拝殿に同じように進み、準備を始めた。

時間が経過するが、拝殿はひっそりしていてこれまでと様子が違う。

少し妙だ。

「遅いですね」

と言ったか言わないか記憶は曖昧だが、そのぐらいの時間は経った。

と、柱に据え付けられたスピーカーから

「医療関係者の方、いらっしゃいましたら至急拝殿までお越しください。」

と異変を告げるアナウンスが流れた。

コメント
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