40歳代の女性です。
『仮面が外れていない。』
とまず聞こえてきます。
わたしは、そこに確実に痛みがあるのがわかって触っています。
どのくらい痛むのか、どのように痛むのかもわかります。
鋭い痛み、鈍い痛み、間欠的にやってくる痛み、かすかにつままれているような気持ち悪い感触など、細かいことまでわかるのは、わたしの身体に同じ感覚がやってきているからです。
ですので自分の身体感覚を通し、身体の反応が一番よく返ってくる角度や深度で触れているのですが、わたしのその触れ方を信頼せず、顔をしかめて見せたりして「痛い」ことをアピールしてくる方があります。
この女性もそうでした。
セッションが進みしばらくする中で、
『「つい」やってしまうのをやめなさい。』
という言葉が降りてきました。
外からやってくる刺激に対して、「つい」反射的に出る行動があるようです。
特に、身近な人が自分に何事かを注意してきた時に「つい」言い返してしまうケースが多く感じられました。
人のペースで物事が進んでいるときに、「つい」主導権を取ろうとしてしまいます。
自分にとって嫌な場合ではなくても、何かを付け加えて自分の色を入れてしまうのです。
『パターンを外していくことで、あなたは守られているということをより実感できる。』
と伝えてきます。
セッション中に触れられたときに痛みをアピールすることも同じところから出てくる行動でした。
完全に信頼し、委ねることができていないのです。
信頼し、とことんまで自分の作為をなくしてみると、何もしなかった場合には「こういう結果になるのか」とわかります。
ところが、自分の身を守るために「つい」動いてしまうのです。
自分で流れを切ってしまい、自分のペースにしてしまうために、そうしなかった場合にどれだけのことが起こるのかということが分かり得ないのです。
自分の意思を介在させなくても最終的にどれだけ自分が守られているかを理解する前に、自分で手を下してしまっていることになります。
「つい」やってしまう、を外してみると、深いことがいろいろ見えてきます。
それが仮面を取ることに通じてくるのです。
『自分が干渉する余地を減らしてみてください。
自分に起きてくる物事への干渉を減らすということ。
それをできるだけ控えて、あえて見るということ。
気持ちはまだまだ落ち着きます。
もっと落ち着くことができる。
それには人のせいにしないことです。
そこは乗り越えていくべきポイントです。 』