体へのはたらきかけに、かすかな力の方が強力に作用することには気づいていました。
もともと「体に触れずに」が、わたしがヒーリングを始めた時のスタイルです。
それが、ご自分の体の状態に何が起きているかの体感のために接触や圧により痛みを確かめていただいたり、その痛みがなくなっていることを感じていただいたりしながらのスタイルで現在行っているのは、セッションを受けてくださっている方々がご存知の通りです。
しかし体に触れてしまうと、見えない世界の精妙な力を伝えるのには粗すぎるときがあります。
誰にでも癒しの力はあるので、身近な人と実験して見てください。
相手が痛がっているところに若干の圧をかけながら、そこから痛みが解放されていくように意識してみる。
(くれぐれも無理のない範囲で)
次に、触れるか触れないかの微妙な加減で手のひらを置き、同様に痛みの解放を試みてみる。
さらには、その場所から数センチ、あるいは数十センチ離したところで手をかざし、同じ意識を持ってみる。
いかがでしょうか。
昨年はヒーリングのワークショップをスタートさせ、誰でも癒しの力があることを実感していただいていますが、手をかざすだけで痛みが消えていくのを知ると皆さん感嘆の声をあげられます。
より繊細にその状況を観察すると、触るよりも離れたところから手をかざす方が広範囲に強力に作用が起きるようです。
わたしのやり方に戻ります。
向き合う方の身体のある部分に手を近づけようとすると、わたしの姿勢を動かすことになります。
姿勢が変わると呼吸が変わってしまいます。
呼吸が変わればその時の意識は粗くなりますし、末端の感覚も精妙さを欠いていく結果になります。
今はハートからのエネルギーが、人々を温かい癒しに誘う強い作用をもつことを、最近の経験から感じ取ってきました。
そこで、目の前にいる方に手のひらなどを向けることなく、ただその場にいてハートからのエネルギーを出し続けることで何が起きるかを観察してきました。
具体的には、事前にわたしが感知しているその方の痛みを伝え、感じていただきます。
その後はその方の傍に座り、ただ瞑想的に長い呼吸とともにエネルギーを出していきます。
それほど長い時間は必要ありません。
わたしが流す一呼吸から二呼吸程度の間のことです。
内臓の疲れからくる肩や腕の痛みが全くなくなっていることに驚嘆された方もありました。
局所に集中することから癒しが起きるのではなく、その「場」に変化が起きることが、局所にも影響をもたらすのです。
遠隔での癒しも同じことです。
姿勢を変えず呼吸を乱さないことは、癒しをもたらしやすいばかりでなく、より深いメッセージを伝えやすくもなります。
とても静かな時間です。
そのメッセージは当然癒しをもたらすものでもあるので、肉体的にも意識の上でも感覚の変化は明確に捉えていただくことができます。
どの方に対しても同じプロセスでセッションを行うわけではなく、その時のその方に合ったやり方を自然に選択させていただくことになります。
今年からはそんなふうに、違ったアプローチをその方に合わせて投げかけていきたいと考えています。
ハートからエネルギーを出す呼吸は難しいものではありません。
お伝えすると、どなたもその場でできますし、非常に気持ちが良いものであることも体感していただけます。